平成22年上半期の薬物情勢を読む1

警察庁が毎年発表している薬物・銃器情勢資料の、今年上半期の統計が、昨日、発表されました。
[参照]
■警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課編『平成22年上半期の薬物・銃器情勢(暫定値)』
警察庁>http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h22_h_jyousei_yakujyuu.pdf
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●覚せい剤事犯の検挙が増えたが
今年上半期の薬物情勢として、真っ先にあげられているのが、覚せい剤事犯の検挙人員が前年同期に比べ増加したことです。覚せい剤事犯の検挙人員は、昨年上半期(平成21年1~6月)と比較して、594 人(11.1%)増。
平成13年以降、覚せい剤での検挙者は、多少の増減をみせながらも、長期的に減少傾向を示し続けていますが、今年上半期では1割増をみせたことから、おや、減少に歯止めがかかったかなと、いくらか不安を感じながら、統計の詳細を検討してみました。結果は・・・、大丈夫、乱用市場のトレンドには大きな変化は起きていないようです。相変わらず、覚せい剤乱用マーケットは固定化を示しており、増加を感じさせるような兆候はみえません。
・ 全ての年齢層でほぼ同程度の増加がみられ、若年層でとくに増加しているわけではない
・ 検挙者の中心は、引き続き30~40歳代であり、若年層の占める割合は少ない
・ 検挙者のうち、初犯者の占める比率はほぼ変化していない
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↑覚せい剤事犯検挙人員・年齢層別
グラフは『平成22年上半期の薬物・銃器情勢(暫定値)』のデータに基づいて、私が作成したもの

検挙者のうち
・若年者の比率が増加する
・初犯者の比率が増加する
という動きがみられるときには、一般的に、乱用が拡大基調にあると考えることができます。第三次薬物乱用期が始まった平成9年前後には、覚せい剤検挙者の過半数が25歳までの青少年層で占められていたものです。
対照的に、平成13年以降、覚せい剤検挙者中に占める青少年層の比率が急速に低下し、また初犯者の比率も低下していますが、今回の最新データでも、この傾向に変化はみられませんでした。
つまり、検挙者の中心を占めているのは、依然として、過去に検挙歴のある、30~40歳代の乱用者であり、これまでの傾向とほとんど変化していません。今年上半期、覚せい剤乱用マーケットには、大きな変化は起きていないようです。

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