コカイン密輸のルート|世界薬物報告書2010を読む5

世界最大のコカイン産地コロンビアの薬物カルテルに関係するとみられる、建造中の本格的な潜水艇が、隣国エクアドルの国境近くで発見されたニュースが、先週、世界を駆け巡りました。CNNが、その詳細な続報を伝えています。

<コカイン潜水艇をめぐる続報>
●400万ドルを投じた潜水艇をエクアドルで摘発
この捜索を支援したアメリカ合衆国の麻薬取締局(DEA)の担当者は、CNNのインタヴューに応えて、次のように語っている。
この潜水艇の建造には、400万ドル(約3億5300万円)以上かかっているとみられ、6から10トンのコカインを運搬可能。この潜水艦は、50人が居住する麻薬密造複合施設内のドックでみつかった。
従来、コカイン密輸に使われるのは漁船や高速のプレジャーボートが中心だったが、麻薬潜水艇の登場は、海上での取り締まりに新たな問題を突きつける。
この潜水艇は長さ約30メートル、デッキプレートから最上部までの高さが約3メートル。双発スクリューとディーゼル電気機関を備え、潜望鏡や換気設備も完備している(記事の大意)。
[出典]
CNNニュース>DEA: Drug sub found in Ecuador cost $4 million(2010年7月7日)
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/americas/07/07/ecuador.drug.submarine/index.html?iref=allsearch&fbid=9dbhbwDtQt0
[関連記事]
DEA>DEA Intel Aids In Seizure of Fully-Operational Narco Submarine In Ecuador(2010年7月3日)
http://www.justice.gov/dea/index.htm

●コカイン密輸の海上ルート
2008年から2009年にかけて、潜水艇によるコカイン密輸の摘発が、何度も報じられ、話題になりました。とはいっても、これまで見つかっているのは、半潜水艇。ほとんど姿を見せないまま海上を航行する特殊な船舶です。これだけでも、衝撃のニュースだったのに、今度は本格的な潜水艇まで。また、コロンビア国境付近から空路を利用してドミニカなどのカリブ諸国へ運搬されるルートも、近年では目立っているといいます。
コロンビアの麻薬カルテルの実態は、私たちの想像をはるかに超える資金力を持つもののようです。

先日発表された『世界薬物報告書2010』には、アンデス地域から北米へのコカイン密輸ルートに関する分析があるので、その部分を読んでみましょう。
「コカインは、通常コロンビアの密輸組織によって、コロンビアから海上でメキシコや中部アメリカに運ばれ、メキシコの密輸組織の手で、陸路をUSAやカナダに運ばれる。合衆国の当局は、同国に流入するコカインの90%近くが、US/メキシコ国境を通過しており、その大部分はテキサス州、次いでカリフォルニア州、アリゾナ州を通過していると推定する。米国の推計によれば、海上ルートでコロンビアから密輸されるコカインの約70%は太平洋を経由し、20%は大西洋経由、約10%はボリビア、ヴェネズエラ、カリブ諸国へ運ばれる。密輸ルートは年ごとに変化している。
コロンビアからメキシコへの海上輸送には、多様な船舶が使われ、近年では、しばしば2~9トン程度のコカインを積んだ自走式の半潜水艇が含まれている。2008年にはコロンビア海軍が、太平洋で半潜水艇を摘発し、その押収量(64.5トン)は同国の海上での全押収量の46%に及ぶものであった。また、大西洋側でも半潜水艇が確認されている。コロンビア政府は、2008年には198トンのコカインを押収した。その58%は太平洋で、31%は大西洋での押収である。」
[出典]
UNODC‘World Drug Report 2010’ 74-75頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2010.html

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック