エリミンやハルシオンの乱用|向精神薬の問題を考える5

<過去のニュースから>
向精神薬をネット転売、男追送検=生活保護受給者に入手依頼か-神奈川県警
向精神薬をインターネットで販売していたなどとして、神奈川県警は、麻薬取締法と薬事法違反容疑で、無職の被告=覚せい剤取締法違反罪などで起訴=を追送検した。別の男が大阪市西成区の生活保護受給者らに病気だと偽らせ、医療機関から無料で入手した向精神薬を販売していたとみて、県警が調べている。
追送検容疑は昨年11~12月、向精神薬のエリミン、ハルシオンなど約1000錠を宇都宮市の会社員ら5人に約12万円で売ったほか、医薬品でうつ病治療にも使われるアモキサンなど約1000錠を販売目的で所持するなどした疑い。(記事の抜粋)
時事通信(2010/04/23-12:06)

●不法流通する向精神薬の中心は睡眠薬・抗不安薬
「向精神薬の問題を考える1」で述べたように、不正流通で押収された向精神薬を種類別にまとめると、第1位は興奮剤、第2位はベンゾジアゼピン系。上の記事に登場したエリミン、ハルシオンもベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
インターネットなどを通じて薬物を密売していた末端の密売人が逮捕されると、しばしば、覚せい剤などとともに向精神薬も押収されるのですが、エリミン(赤玉)、ハルシオン(青玉)などベンゾジアゼピン系の睡眠薬がよく登場しています。

●睡眠薬の何が問題なのか
たかが睡眠薬と軽く考えてしまいがちですが、実際には、医師の処方を無視したり、処方なしで勝手に睡眠薬・抗不安薬を使用して、精神の健康を損なったり、症状が悪化してしまう人が少なくないのです。密売ルートで買う人たちは、こうした向精神薬を単に睡眠剤として使うだけではなく、ダウナーとして気分変化を楽しむ目的に用いたり、興奮剤でテンションを上げた後の調整用に使うこともあるといいます。クスリで脳の働きを加速させたり、減速させたり、人為的に、変則的に脳に作用を加えるのですから、問題が起きやすいのは当然でしょう。
私は薬品についてきちんと説明するだけの知識がないので、アメリカの国立薬物乱用研究機関The National Institute on Drug Abuse(NIDA)の情報から、中枢神経鎮静剤CNS depressantsに関する記事の一部をそのまま紹介します。以下は私が私的に翻訳したものです。

「ベンゾジアゼピン系の鎮静剤は、神経伝達物質のガンマアミノ酪酸(GABA)に働きかけて、脳の活動を減少させる。薬品によってその作用のメカニズムは異なるが、基本的にはGABAの活動を増幅させることによって、眠気を誘ったり、沈静効果を生じる。
ベンゾジアゼピン系の鎮静剤は治療上有益であるが、乱用の危険性があるので、医師の処方に従って使用しなければならない。
鎮静剤を使い始めて数日は、患者はたまらなく眠く感じるが、薬品の作用に慣れるにつれてこうした感覚が消失する。こうした薬品を長期的に使用すると、身体は耐性を形成し、最初のころと同じ作用を得るためには用量を増やさなければならなくなる。長期使用は心理的依存性をもたらし、また使用量を減らしたり、使用を中断した場合には退薬症状をもたらすことがある。
中枢神経鎮静剤はすべて、脳の活動を遅くすることで作用するため、その使用を中断すると、脳の活動は反動的に暴走し、痙攣などの有害な結果をもたらすことがある。ベンゾジアゼピン系薬品の退薬症状はやっかいだが、生命に危険が及ぶことは少ない。他の中枢神経鎮静剤の場合は、生命に危険が及ぶ合併症がある場合がある。したがって、中枢神経鎮静剤の使用をやめようと考えている場合や、退薬症状を抱えている場合は、医師の診察を受けるか、医療措置を求める必要がある。」
[出典]
中枢神経鎮静剤CNS depressants
研究報告シリーズ-処方薬:乱用と依存Research Report Series - Prescription Drugs: Abuse and Addiction
NIDA>Publications>Research Reports>Prescription Drugs
http://www.drugabuse.gov/ResearchReports/Prescription/prescription3.html#CNS

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この記事へのコメント

旅人
2010年06月23日 04:13
発達障害の診断済みの子供がいます。
コンサータを投薬してもらって劇的に育てやすくなりました。発達障害が治る、という希望が持てるようになりました。専門医に診てもらっているので治ると確信しています。

家庭内でも外でも、虐待親のように言われて、とてもつらかったです。精神科医は結構危険な仕事なのに、言われっぱなしで気の毒だし、抗てんかん薬とか病気の子供を救う薬ですが、他にも危険な薬はあるので、排除しよう!というスタンスで書かない方がいいのでは、と思います。

横浜で弁護士が殺されましたが、話し合いが出来ない人もいます。薬で治すしか出来ないんじゃないですか?問題を起こすの人は、自覚がないので、投薬の管理というか誰かが見守る体制が必要です。精神科医も弁護士もこういう前向きな議論を全くしないことがとても不思議です。
シンジケート
2010年06月23日 08:05
マスコミもそうですが、向精神薬は危険という書き方をすると処方されても飲まない人がたくさんいて、これはこれで困ったことになってるのも事実です。
私も向精神薬は飲んでいますが、まるで違法薬物を飲んでるかのように言う人が少なからずいます。

yeppuni
2010年06月26日 23:03
あくまでも「濫用した場合」、向精神薬より、風邪薬の方が遥かに危険なんですがねえ。
濫用しなければどちらも危険なものではなく、医療上非常に有用なものです。
以前も書きましたが、「ジヒドロコデイン」というのは「ジヒドロメチルモルヒネ」と同じですし、「メチルエフェドリン」はやや粗雑な表現ですが「メチル覚せい剤アルコール」と言っても化学的に間違いではありません。
ブロン濫用問題がありましたが、あれの方が一度濫用に陥るとコンサータやベンゾジアゼピンより遥かに依存性が強いのです。オピオイド=ヘロインの仲間ですから。

向精神薬を違法薬物のように言う人に限って、何々茸とかエビデンスのない疑似科学をありがたがったり、大した風邪でもないのに風邪薬を濫用(と、あえて言います)したり、平気でするから困り者です。
天動説を小学校で教える国・日本に科学リテラシーの光を!!
yeppuni
2011年06月12日 23:51
以前メールでお伝えいたしましたが、わたしがこのサイトを含め、物質(薬物)のリスクとベネフィットを公平に評価してその作用を唯物弁証法の手法に基づいて科学的に解説する活動を続けている結果、わたしのもとに謎の論文や偽メールが届くようになりました。
典型的なヒューミントhumintと呼ばれるもので、ハニートラップからなにから、一見わたしの書いたメールらしく見せかけてあったり、一見ロシアの著者の論文に見せかけてあったりするものが届いて、一時期だまされそうになりました。
例えば大麻ひとつとっても、わたしは決して無条件で大麻を肯定する立場にある訳ではなく、科学的根拠に基づいた大麻の規制(禁止ではなく)をするのが望ましい、という、せいぜい中庸の意見です。それでさえも、憲法第21条に反する検閲が行われ、メールさえまともに届きません。
わたしは現在、司法権を英米法・大陸法・社会主義法の3つに完全に分割してデータを送受信する方法で検閲をバイパスしていますが(この投稿は平壌から送っています)、人権の大切さを肌で感じています。
yeppuni
2011年06月12日 23:57
なお、通信の秘密を侵す重罪犯人もここを見ている可能性がありますので、あえてお伝えいたします。
あえてこのようなことは書きたくありませんが、わたしは言語解析能力に限っていえば、診断によると最も高い一群に入ります。
くだらない偽メール、偽論文など、すべて東京かソウルの工作機関が、必死でわたしの書く朝鮮語やイギリス英語をまねているのは確かにすごい労力を使っているなあと感心しますが、労力を使えば使うほど、ぼろが出ていることがすぐにばれていますよ。
特に朝鮮語については、南朝鮮・韓国のことばをはじめに覚えた人が必死で北朝鮮で話されている言葉をまねて送っているというアイデンティティまで解析されてしまいます。
くだらない悪ふざけはやめて、とっとと謝罪した方が身のためだと思いますよ。特別公務員職権乱用罪は決して軽犯罪ではありませんから。わたしは憲法第12条に基づいてどこまでも戦っていきますし、そのために必要な向精神薬の輸入は刑法35条における正当行為と確信しています。

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