スパイスゴールド規制へ|厚生労働省

10月29日加筆
見つけた資料を整理して、本文を一部訂正、加筆しました。アンダーラインの部分が書き換えた箇所です。
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「スパイスゴールド」などの製品に含まれる合成カンナビノイドが、指定薬物として規制されることになりました。今年中にも施行される見通しです。

大麻にそっくりな作用を売り物にした喫煙用ミックスが、「スパイスゴールド」、「スパイスシルバー」、「スパイスダイアモンド」などの商品名で販売され、また、これに類似した多様な喫煙用ミックスも登場しています。
2008年末、ドイツとオーストリアの当局が、これら製品に含まれる精神活性成分を特定するために化学分析を実施したところ、スパイス製品中に、合成カンナビノイドが確認されたと発表しました。その後、各国で次々と、スパイスや類似の喫煙用ミックス製品中に、合成カンナビノイドの含有が確認されたという発表が相次いでいます。これまでに報告されている合成カンナビノイドは、①JWH-018、②CP 47,497、③HU-210、④JWH-073などです。
確認された合成カンナイノイドは、大麻に含まれる天然のカンナビノイドとよく似た精神作用をあらわします。つまり、こうした合成カンナビノイドを添加することで、喫煙ミックスは大麻そっくりの作用を持つわけです。しかも、その作用は、天然のカンナビノイドより強力で、HU-210には天然カンナビノイドの数十倍から100倍の強力な作用があるともいわれます。
ヨーロッパの主要国はいち早く規制策の検討を開始し、すでにこれら合成カンナビノイドに対する法規制をしている国や、規制に向けた準備作業に入った国があります。

さて、わが国でも、スパイス製品は大量に流入している様子です。インターネット上の販売サイトや、オークションサイトで、こうした商品が販売されている例をよくみかけるほか、外国のインターネット販売を利用して個人輸入するケースもあるようです。わが国は、いつ、どのような方法で規制に乗り出すかと、私は気にかけてきたのですが、すでに規制策が進んでいることに、ようやく気づきました。

先週、厚生労働省のウェブサイトに、今年8月に開かれた、薬事・食品衛生審議会指定薬物部会の議事録が掲載されました。公表された議事録によれば、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会指定薬物部会は、新たに6物質を指定することが適当であるとの結論を出したということですが、そのなかに合成カンナビノイドが含まれています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/txt/s0825-1.txt

この審議会は非公開で行われ、議事録の公表に当たっても、物質の通称名や製品名など公開されない部分が多いため、さらに検索して、ようやく資料を探し出すことができました。
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H091021I0010.pdf
公布の日:平成21年10月21日
施行期日:公布の日から30日を経過した日(平成21年11月20日)

今回指定されるのは、次の6物質で、番号2、3、4はスパイスに含有されている合成カンナビノイドです。
1、ジフェニル(ピロリジン-2-イル)メタノール  Diphenyl(pyrrolidin-2-yl)methanol
2、1-ナフタレニル(1-ペンチル-1H-インドール-3-イル)メタノン 1-Naphthalenyl(1-pentyl-1H-indol-3-yl)methanone
3、(1RS,3SR)-3-[2-ヒドロキシ-4-(2-メチルオクタン-2-イル)フェニル]シクロヘキサン-1-オール  (1RS,3SR)-3-[2-Hydroxy-4-(2-methyloctan-2-yl)phenyl]cyclohexan-1-ol
4、(1RS,3SR)-3-[2-ヒドロキシ-4-(2-メチルノナン-2-イル)フェニル]シクロヘキサン-1-オール (1RS,3SR)-3-[2-Hydroxy-4-(2-methyl n o n an-2-yl)phenyl]cyclohexan-1-ol
5、1-(4-フルオロフェニル)ピペラジン   1-(4-Fluorophenyl)piperazine
6、2-(メチルアミノ)-1-(4-メチルフェニル)プロパン-1-オン 2-(Methylamino)-1-(4-methylphenyl)propan-1-one

上記2 合成カンナビノイドJWH018
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上記3 合成カンナビノイドCP-47,497
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上記4 カンナビシクロヘキサノール
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わが国でも多量のスパイス製品が出回っていると思われるなかで、いち早く規制策が投入されたわけですが、それにしても、報道発表もなく、関連情報もすぐに見つからない状態では、スピーディな規制の効果も半減してしまいそうです。
法規制する際に発信される一連のメッセージこそ、乱用防止にとって大切だと考えるのは、私だけでしょうか。

この記事へのコメント

これで解決にはならないのでは。。。
2009年10月27日 14:40
身近で「スパイスゴールド」をネットで購入している者がいるのでこのサイトを見せたり、危険性を話して聞かせたりするが、全く効果がない状態です。取り上げてもまたネットで購入するのでほとほと困り果てています。本人曰く「ネットで当然の様に販売されているのだから違法ではないし危険性もない」と。。規制がかかったとしても、大々的に「してはいけない」と国や行政が声を上げなければ使用している本人には全く届かない。ネット上では今も「スパイスゴールド」の販売サイトが星の数ほどあります。一体どうすればこれらが一刻も早くなくなるのかと、頭を悩ませる日々です。
のら猫
2009年10月27日 19:11
「本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。」
部会とは言え、実質的には、上部で覆す事は出来ない。
物質名や製品名を伏せる意味が分からない。販売等を禁止する指定毒物の指定をするのに、この物質は検討していますと情報発信する事に意味がある。それとも施行前にダンピングして販売する事を奨励する意図でしょうか。

もっとも委員の名前を伏せるのも本当はおかしい。科学的な判断を下しているのだから、反対意見は科学的根拠によって受け付けるべき。EDベースで判断するのであれば、色々な意見を受け付けるべきである。議論対象の物質について意見を持っている科学者がいても異議を受けない。特定の物質について、事務局と少数の委員との間でデータをまとめられたら、他の委員が実験データに異議を言う事なんて出来ない。だってデータがない。

もっとも EDの意味を説明しないと、この議論は分かない。しかもデータの科学的資料もないので、普通にも専門家にも分からない。

せめてED50は、半数に中毒症状が出る量程度の説明が必要では。

これで分かるのは、合成カンナビノイドの規制をしますよ。つまり合成大麻とも言える成分を配合した製品の販売は出来ませんよ。という事でしょう。だったらなぜ製品名を公表して注意喚起をしないのでしょう。

それに、「これは中枢神経系の作用の蓋然性とは少し異なる話ではありますが、このような物質については乱用の危険性と医薬品としての有用性のバランスを検討すべき場合もあるという御意見」は、簡単にスルーしてもいいのでしょうか? 大麻系は、いつもこの疑問がある。
医療用大麻も真剣に考える必要があるのでは。

不矩
2009年11月03日 03:28
はじめまして 不矩と名乗らせていただきます。

何はなくともまず初めに、この規制の根拠を明確にする義務が、禁止する側に必要ですよね・・・と思うのはアッシだけではないはずw

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