未成年者の飲酒・喫煙の現状|酒とたばこの話

未成年者の飲酒、喫煙を禁じているのが、未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法です。ふたつの法律は、それぞれの第1条に、
満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス
満二十年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス
と、未成年者が飲酒、喫煙することを禁止していますが、しかし、法に違反して飲酒または喫煙した未成年者に対する処罰を定めてはいません。この法律で処罰されるのは、未成年者の飲酒や喫煙をとめなかった親権者や、未成年者が飲酒(喫煙)することを承知しながら酒やたばこを販売した事業者です。

では、未成年者が飲酒したり、煙草を吸ったとしても、警察は見てみぬ振りをするのかというと、そうではありません。
警察は、犯罪を行った疑いのある者を取り調べます。14歳以上20歳未満の少年が犯罪を行った場合は、警察は「犯罪少年」として「検挙」します。ここでいう犯罪とは、法令で違反者に対する刑罰を定めている行為のことです。
しかし、警察は少年の健全育成のために、犯罪に当たらない場合でも、少年に対して指導や助言を行うことができ、こうしたケースを統計上は「補導」として表します。具体的にいうと、次のような場合が、「補導」にあたります。
・触法少年……刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の者
・ぐ犯少年……保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど、一定の事由があって、その性格又は環境から判断して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年
・不良行為少年……非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、けんかその他自己又は他人の徳性を害する行為をしている少年

先に述べたように、未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法では、飲酒・喫煙した未成年者に対する刑罰の定めがないので、その行いは「犯罪」には当たりませんが、少年が飲酒・喫煙していれば、「不良行為少年」として警察はこれを「補導」することになります。

さて、飲酒や喫煙で警察に「補導」される少年の人数はというと、2008年では、
●飲酒での補導人員……18,973人
●喫煙での補導人員……497,658人
と、喫煙での補導がきわめて多く、不良行為少年の補導人員全体(2008年では1,361,769人)の3分の1近くを占めているのです(警察庁生活安全局少年課編「少年非行等の概要(平成20年1~12月)」2009年)。
画像

グラフは、警察庁生活安全局少年課編「少年非行等の概要(平成20年1~12月)」38頁(2009)のデータに基づいて私が作成したものです。
クリックでグラフが拡大します。

いっぽう、中高生の飲酒・喫煙に関する調査研究によれば、この1年間の飲酒経験者率は58.7%、喫煙経験者率は18.9%と、飲酒のほうがはるかに多くなっています(総務庁青少年対策本部編「青少年とタバコ等に関する調査研究報告書」2001年)。
少年の飲酒・喫煙に関するほかの調査では、飲酒のきっかけとして家族にすすめられて飲むというものや、冠婚葬祭の折に飲むというものが目立つなど、少年の飲酒をおとなが助長したり、大目に見る空気がないとはいえないようです。こうした見方が、補導人員の差につながっているのでしょうか。

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