交通事故と大麻|英国の大麻規制2009年の変更5

5/10訂正
下記の記事中、重要な数字を記載間違いしていましたので、訂正します。
アンダーラインの部分が訂正した箇所です。
誤〔25%〕→正〔2.5%〕
私の誤りをメールでご指摘くださった方があって、気づきました。ご指摘いただきありがとうございます。
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英国(UK)が大麻の規制分類を変更するに当たって、内務大臣の諮問を受けた薬物乱用諮問協議会The Advisory Council on the Misuse of Drugs (ACMD)が検討を行い、その答申内容をまとめたものが、全56ページの報告書として発表されています。大麻使用の影響について多角的な検討を加えて評価したもので、身体的な影響や精神的な影響、社会的影響などがまとめられています。
ここでは、とくに近年の科学的研究結果を重点的に取り上げ、それを検討し、評価しているので、大麻を理解するには格好の資料のひとつです。

こうした資料を読み解くためには、そこで取り上げている研究の原典にもできる限り目を通し、関連資料も当たりながら、丁寧に読んでいきたいので、とても時間がかかります。しかも、この内容は精神医学から統計学まで幅広い検討をしているため、私にとっては、さまざまな分野の辞書をひきながら、1行ごとに格闘している状態です。
まだ試行錯誤しながら読み進めている段階ですが、興味深い点がいくつかあるので、私自身の学習メモをここに記すことにします。

●運転能力と大麻の影響について
大麻がメンタルヘルスに及ぼす影響のうち、この報告書が特筆しているもののひとつが、精神運動機能に対する作用です。報告書は、大麻使用がもたらす作用をまず、次のように要約します。「快いリラックス感や陶酔感と同様に、大麻の短期的作用は、空間と時間の知覚変化、学習や記憶の障害、問題解決の困難、協調運動の失調などを含み得る。」
これは、多くの大麻に関する資料で普遍的にいわれていることで、協調運動の失調とはいわゆる千鳥足状態をいいます。こうした状態で車の運転をすれば、当然、事故の危険が大きくなるわけです。
交通事故の負傷者には、その体内にアルコールや薬物が認められる例が多いことが知られていますが、この報告書は最近のフランスでの研究を引用して、「致命的交通事故の少なくとも2.5.%は、大麻使用によるものであると考えられ、これと対比してアルコールによるものは28.6%である。この研究は、また、大麻とアルコールの相互関係の存在を確認した。」としています。

ただし、大麻の場合、ちょっとした問題があります。アルコールや他の薬物の影響下での運転(DUI)による事故に対しては、通常より重く処罰する国が多いのですが、大麻の影響を受けているかどうかの判定が困難な事情があるのです。アルコールは呼気検査で簡単に血中アルコール濃度を測定することができます。薬物は、通常は尿検査で判定が可能です。ところが、大麻の場合は尿中に大麻の代謝物が排泄される期間が3~4週間と他の薬物より長く、大麻の作用が消失した後も排泄が続くため、事故と大麻の作用との関連性を立証することに問題が残るといわれます。また、大麻とアルコールを併用する例が多いことも、事情を複雑にしています。

とはいえ、大麻使用が運転能力に大きな影響を及ぼすことは無視できない事実だと言ってよいでしょう。この報告書は、自動車運転者、航空機パイロット、重機の操縦者や軍人、保健、緊急任務に当たる専門家の大麻使用に対して、重要な警告を出しています。
Cannabis:Classification and Public Health 11~12ページ
http://drugs.homeoffice.gov.uk/publication-search/acmd/acmd-cannabis-report-2008

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