薬物とたたかった100年―その1

国連薬物犯罪局(UNODC)編『2008年版世界薬物報告書』の第2章は、「国際的な薬物管理の100年」という特集です。20世紀初頭、アメリカが主導して国際的な協力でアヘン貿易を統制する最初の試みとして行われた上海あへん会議(1909年)から今年でちょうど100年です。
薬物乱用が社会の基盤を揺るがした最初の大波が、中国を襲ったのは清朝時代の19世紀。対アジア貿易を独占していた東インド会社を主役として、インドで生産したあへんを中国に販売し、中国から茶や絹を買い付ける三角貿易によって、英国が東アジアへの支配を強めた経緯は、あへん戦争として知られています。
しかし、ひとたび拡大したあへんの生産と密貿易は、東アジアだけにとどまることはありませんでした。やがて欧米にも、あへん乱用の波が及ぶことになります。20世紀初頭、世界のあへん使用者は2千500万人、世界人口の1.5%に達したといいます。そうした状況の中で、国際協力による薬物統制の最初の会議が開催されたのです。

世界の薬物管理の歴史は、戦争に匹敵する、国家間のエゴや駆け引きも垣間見える世界ですが、何はともあれ、この100年をのぞいてみましょう。
最初は、第2章の冒頭にある年表を紹介します。
国連薬物犯罪局(UNODC)編『2008年版世界薬物報告書』107ページ
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2008.html

1799 中国であへん輸入管理の厳正化
1800 中国へのあへん輸入200トンを超える
1880 中国へのあへん輸入6500トン
1880 中国の国内あへん生産6500トン
1890 中国であへん栽培禁止
1896 中国の国内あへん生産12000トン
1898 中国へのあへん輸入3,280トン
1906 中国での国内あへん生産35,300トン、世界でのあへん生産41,600トン
1906 インドからのあへん輸出4,208 トン
1907 香港からのあへん輸出2,571トン
1907 中国へのあへん輸入3,292 トン
1907 大英帝国へのあへん輸入386 トン
1907 世界のあへん消費者2千500万人、世界人口の1.5%
1908 中国へのあへん輸入3,000トン
1909 上海あへん会議
1912 ハーグ国際会議
1920 諸国の協力による国際薬物管理始動
1925 第2回あへん会議および国際あへん会議
1931 麻薬の製造制限および取引規制のための国際会議
1946 国連の援助の下で国際的な薬物管理が続行される
1946 プロトコル(国際的な薬物管理を国連に移転)
1948 合成麻薬プロトコル
1953 あへんプロトコルl
1961 麻薬に関する単一条約
1971 向精神薬に関する条約
1972 単一条約修正プロトコル
1988 麻薬及び向精神薬の不法取引に関する国際会議
1990 世界の不法あへんけし栽培262,754ヘクタール
1990 世界のあへん生産3,760 トン
1990 世界のコカ樹栽培211,700ヘクタール
1990 世界の不法コカイン生産774トン
1998 政治的宣告とガイドライン方針に関する総会特別部会
2006 2006年の世界のオピエート消費者数1千650万人、世界人口の0.25%
2007 世界の不法あへんけし栽培235,700ヘクタール
2007 世界のあへん生産8,870トン
2007 世界の不法コカ樹栽培181,600ヘクタール
2007 世界の不法コカイン生産994トン

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