弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 虚偽の供述調書|薬物をめぐる不正捜査事件

<<   作成日時 : 2016/09/30 16:50   >>

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横浜地裁で審理されている大麻取締法違反事件の論告・求刑で、検察官が具体的な求刑をせず判断を裁判所に委ねたことから、無罪が言い渡される可能性が高まったと伝えられています。
<ニュースから>*****
●検察が求刑放棄、無罪の公算 調書偽造の大麻事件公判
神奈川県警大船署刑事課の40代元巡査部長が大麻取締法違反事件の捜査で虚偽調書を作成した問題に絡み、同法違反罪に問われた男性被告(25)の公判が29日、横浜地裁で開かれ、検察側は求刑を放棄した。無罪となる公算が大きい。
検察側は、国井恒志裁判官から求刑についての意見を求められると「しかるべく」と述べ、地裁に判断を委ねた。弁護側は虚偽の調書に基づいて押収された証拠の排除を請求し、無罪を求めた。
2016年9月29日 16:40産経ニュース
*****

この事件そのものは、被告人の自宅を捜索した際に大麻が発見されたというもので、よくあるタイプの事件ですが、捜索令状を請求する際に添付した目撃者の供述調書が、捜査員によって虚偽の内容が書き加えられたものだったことが浮かび上がり、問題になっていました。
目撃者は、被告人が「路上で大麻を持っているのを見た」と供述していたのですが、調書を作成する段階で、捜査員が「自宅の部屋でも持っているのを見た」と偽って調書に記載した上、捜査情報を目撃者に漏らしたとされています。
ちなみに、虚偽の調書を作成した元巡査部長は、すでに懲戒免職になり、今年8月には証拠隠滅と地方公務員法違反の罪で略式起訴され、罰金刑が言い渡されました。

折から、札幌地裁でも、覚せい剤事件をめぐる供述調書の偽造事件が審理されていて、こちらも先日結審しました。
札幌の事件は、北海道警察本部に勤務していた元警部補が、密売人と共謀して、覚せい剤購入者の男性が「覚せい剤を持っているのを見た」とする調書をねつ造したとされています。
<ニュースから>*****
●北海道警調書偽造 懲役2年求刑の元警部補「他にもいる」
覚醒剤密売仲介者と共謀して供述調書を偽造し捜査情報を漏えいしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反などに問われた北海道警薬物銃器対策課の元警部補、H被告(38)の論告求刑公判が27日、札幌地裁(中桐圭一裁判官)であり、検察が懲役2年を求刑し、弁護側が執行猶予を求めて結審した。判決は10月4日。
毎日新聞2016年9月28日 08時49分
*****

薬物やけん銃にまつわる犯罪は、密行性が高く、捜査が難しいことから、繰り返しこうした不正が起きてきました。
今年5月、奈良地裁では、けん銃等を所持した被告人に有罪判決が言い渡されましたが、被告人は、大阪府警に協力中だったと無罪を主張していました。
また2014年には、静岡県で北海道の事件とそっくりな不正が発生し、覚せい剤をめぐる「おとり捜査」と糾弾されました。

こうした事件に、今春封切られた映画「日本で一番悪い奴ら」を重ね合わせた方もあることでしょう。映画のモデルになった事件は、2002年に北海道警察で起きた、現職警察官による覚せい剤取締法違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反事件を題材にしているといいます。被告人は、犯罪組織の内部者を捜査協力者にして、けん銃摘発の実績をあげ、やがて自らも覚せい剤を使用するようになり、けん銃や覚せい剤の密売に手を染めていったという、ドラマのような事件でした。

警察では、毎年秋に、覚せい剤取り締まり強化が行われています。年中行事とはいえ、捜査陣は、検挙目標が設定され、プレッシャーがかかる時期を迎えることでしょう。
無理な捜査を強行するあまり、捜査員が不正な手段に踏み込むことがないよう、このシーズンを乗り切ってほしいものです。

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