弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 成長と大麻の影響|大麻について子どもと話す、その3

<<   作成日時 : 2015/12/21 20:42   >>

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大麻の使用が身体や精神に及ぼす影響については、1回目で述べましたが、とくに、成長期の子どもにとって、気をつけなければならない点があります。脳は25歳くらいまで成長し続けるといいますが、その成長段階にある脳にとって、大麻の影響は、成人の場合よりはるかに大きいといわれています。

大麻の健康影響についての研究は、今、世界中で猛スピードで進められています。ひと昔前には定説のように言われてきたことでも、今では見直されている点も少なくありません。
加えて、薬物の害について話す際に、今は科学的な根拠に基づいて、正確に話すことが求められています。

しかし、私は法律家であり、医学や薬理学については全くの素人です。その私が、自分の専門分野でもないことについて語るとしたら、誰かの説を受け売りするしかありません。そこで、ここでは、1回目と同様に、米国の国立薬物乱用研究所(NIDA)のサイトに掲載された少年向の啓発資料「10代のための大麻の真実Marijuana Facts for Teens」を取り上げます(下記参照@)。
大麻について、子どもに何をどう話せばよいか、戸惑っている方にとって、よい参考になると思います。
画像

↑NIDA作成の少年用啓発資料
10代のための大麻の真実Marijuana Facts for Teens(下記参照@)

この情報は、定期的に改定され、常に最新の科学的研究の成果が反映されています。また、政府機関が作成した情報であるため、著作権で保護されておらず、作成者の許可がなくても転載してよいと記載されています。
そこで、主要部分(第1部、第2部の本文部分)を私の私訳で日本語にして、そのまま紹介します。

10代のための大麻の真実
原題Marijuana Facts for Teens―米NIDAの少年用啓発資料から

第1部 考えておきたいこと
●依存
大麻には依存性があります。大麻を吸う人がすべて大麻依存になるわけではなく、遺伝的な要因や、吸い始めた年齢、他の薬物と一緒に使うかどうか、家族や友人との人間関係、学校での成績などといった多くの要素によっています。大麻使用を繰り返すと依存になりやすく、薬物の使用をコントロールしにくくなり、やめようと思ってもやめられなくなったりします。研究によると、大麻を使用する人の9%、およそ11人中1人が依存になることがわかっています。10代で使用し始めた人では、この割合は、17%、およそ6人中1人と上昇します。

●運転
大麻は、アルコールに次いで、死亡事故を含む自動車事故に関係しています。致命的な衝突事故に関する全米での調査研究では、薬物テストで陽性反応のあった運転者のうち、36.9%は大麻を使っていました。大麻は、自動車を安全に運転するための技能―警戒、集中、協調運動、反射時間などに影響を及ぼします。大麻は、距離感の判断や信号や路上の物音への対応を困難にします。

●学校
大麻は学校での成績不良と関係しています。注意、記憶、及び学習における大麻の悪影響は、とくに頻繁に喫煙した場合には、数日、時には数週間にわたって続くことがあります。毎日大麻を吸う人では、頭脳が「機能低下」した状態が、一日の大半あるいは一日中続くこともあります。大麻を使わない少年と比較して、大麻を吸う学生は、成績が劣りがちで、高校を中退しやすい傾向があります。10代の時期に大麻を常用すると、IQが低下することもあるという研究結果もあります。また、長期にわたる大麻使用者は、生活満足度が低く、記憶や人間関係といった面で問題を抱え、精神面でも身体面でも健康がすぐれず、給料は安く、昇進もうまくいかないと自己申告しています。


第2部 もっと知りたいですか?
大麻に関するよくある質問

●大麻ってなんですか?いろんな種類があるのですか?
大麻とは、緑、茶色、灰色の乾燥植物の砕片で、大麻草(サティバ種の大麻草)の葉、茎、種子、花などが混じっています。大麻は、ポット、ハーブ、ウィード、草といったいろんな俗称で呼ばれ、強力なタイプのものとしては、シンセミア、ハシシュ、ハッシュオイルなどがあります。

●大麻はどのように作用しますか?
大麻にはどんな種類であれ、精神活性作用があります。別な言い方をするなら、脳の働き方を変化させるのです。大麻には、THC(デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール)など400種以上の化学成分が含まれています。THCは大麻中の主な精神活性成分で、大麻に含まれるTHCの量によって、大麻の作用の強さが決まり、その作用も決まります。ここ数十年にわたって、大麻中のTHC濃度は上昇しています。

●大麻が使用者の体内にとどまる期間はどのくらいですか?
体内の各器官には脂肪組織があり、これが大麻中のTHCを速やかに吸収します。一般に、標準的な尿検査では、使用後5、6日程度はTHCが検出されます。しかし、大麻を大量に使用する人では、使用を停止した後も、数週間にわたってTHCが検出されることがあります。

●大麻使用は他の薬物への入り口になりますか?
薬物使用パターンに関する長期的な研究によると、大麻以外の不法薬物を使用する高校生のほとんどは、最初に大麻を使っていました。しかし、大麻を使う若者の多くは、大麻以外の薬物に手を伸ばしていません。他の薬物に手を伸ばした人たちについて、その理由を考えるなら、
・成長期に大麻に触れ、20歳代前半まで続けたことで、脳が影響を受けた。こうした影響として、他の薬物への興味が増すといった脳の変化も含まれる。たとえば、動物実験によって、若年での大麻経験は、オピオイド鎮痛薬やヘロイン使用による快感を高めることがわかっている。
・大麻を使用している人は、他の薬物使用者や密売人と接触することが多く、他の薬物を使ってみるよう勧められたり、誘われたりする危険が増す。
薬物使用のリスクの高い層は、大麻が手に入りやすいという理由で(タバコやアルコールと同じように)、最初に大麻を使う。

長くなるので、後半は次回で続けます。

[参照]
@米、国立薬物乱用研究所(NIDA)の少年用啓発資料
National Institute on Drug Abuse; National Institutes of Health; U.S. Department of Health and Human Services
Marijuana Facts for Teens―10代のための大麻の真実(2015年5月改訂版)
http://www.drugabuse.gov/publications/marijuana-facts-teens/letter-to-teens

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
たしかに脳が発達する25歳ぐらいまでは、発達途上の脳への大麻の影響を説明し、大麻は吸わないよう指導するべきだと思います。そう説明したとき、なら25歳以上になったら吸っていいのか?という問いが出てくると思いますが、これにどう答えるかというところは難しそうですね。

個人的には大麻合法化を主張してマリファナマーチに参加し自分たちがガンジャすいたいからというエゴで、医療用途で有用性がある等を持ち出し正当化し、更には戦争反対とか、原発反対とか分けわからない主張までしている連中を見ると、現実を直視できず平和ぼけして社会から逸脱する連中を増やすだけのもののように思えてしまい、このまま禁止の方が良いようにも思えてしまいますがw
lol again
2015/12/22 11:36
せんせいしつもーん。
じゃあなんで、オランダは30年以上もんだい無いの?
アルコールやたばこより害がすくないってホントなの?
マリファナを合法化する国やアメリカの州があるけど、あれは国民や州民を見捨てていることになるの?
日本での研究は無いの?

とか、小学6年生ならこれくらいの疑問の元になる情報を、ネットで調べられるわけです。大人ならもっとのはずです。
最低これらに応えられなければアウトです。
日鷲
2015/12/24 13:45
オランダ人は、大麻吸う人 以外と少ないようです。
マリファナを吸わないオランダ人に理由を聞いたら、いつでも吸えるからだって。
がっつく必要がないんだね。オープンにするべきだと思います。
ned
2015/12/28 20:02

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