弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 水面下で広がる栽培大麻

<<   作成日時 : 2015/11/30 23:55   >>

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営利目的で大麻草を栽培したとして、福岡県で暴力団組員が逮捕されました。栽培した大麻草は16本とそれほど多いわけではありませんが、地元TV局のニュース画像に映し出された栽培装置はかなり本格的なもので、この栽培グループが大掛かりな計画を持っていたことを匂わせています。

<ニュースから>*****
●アパートで大麻草栽培 容疑で暴力団組員ら4人を逮捕 福岡県警
福岡県警薬物銃器対策課と福岡東、粕屋、宗像署は27日、合同捜査により、福岡県須恵町、指定暴力団山口組傘下組織組員男(28)ら4人を、大麻取締法違反(営利目的栽培)容疑で逮捕したと発表した。それによると、4人は共謀し、今年8月中旬ごろから10月16日までの間、須恵町にあるアパートで、大麻草16本を営利目的で栽培した疑い。
西日本新聞 11月27日(金)12時0分配信
*****

●把握しにくい大麻密売の実態
今年に入って大麻取締法違反での検挙者が急増しています。私はこの現象を危険ドラッグ市場が壊滅した影響とみています。ここ数年、安価な危険ドラッグが大量に出回ったことで、大麻需要の伸びが抑えられてきたものが、国内での危険ドラッグ供給がほぼ途絶えたことで、再び大麻市場が拡大し始めたと考えているのです。

しかし、大麻密輸の摘発は減少気味です。先日、東京税関成田支署が今年1〜10月の密輸摘発状況を発表しましたが、大麻密輸事件での押収量は、昨年同期実績を大きく割り込んでいるということです。この傾向は、今年に限ったものではありません。2000年代前半には伸び続けていた大麻の密輸押収が、2008年ころに急減し、それ以来ずっと押収量の少ない状態が続いているのです。
どうやら、いまや日本で流通している大麻は、外国から密輸されるものが減少し、国内で栽培された大麻が中心になっているようです。
最近では、大麻栽培の大型摘発も減少気味ですが、大麻に対する需要が高まるにつれ、栽培も活発化するのではないでしょうか。いえ、水面下では、すでに増えているのかもしれません。
画像

↑大麻の押収状況の推移
警察庁「平成○年の薬物・銃器情勢」のデータに基づき筆者がグラフ化したもの
・棒グラフの赤で表した部分は、密輸事件で押収された乾燥大麻の量
・総押収量から密輸押収量を引いた量を「市場押収量」として青色で示しました
・押収量は乾燥大麻のもの、大麻樹脂の押収量はグラフに加えていません

もともと、大麻は愛好者の個人的なネットワークを通じて流通することが多く、覚せい剤の密売ルートとは異なるところがありました。
ところが、2000年代前半、北朝鮮からの覚せい剤密輸ルートが遮断され、日本に出回る覚せい剤が極端に品不足になり、密売人はMDMAや大麻など取り扱う薬物の幅を広げた時期があります。この時期には、外国から密輸される乾燥大麻の量が急増し、また、密売人が、新たな顧客を開拓しようと、覚せい剤の購入客に少量の大麻を「おまけ」として配布したといった例も散見されました。

その後、200年代後半には覚せい剤の新たな密輸ルートができあがり、日本に大量の覚せい剤が流入し始め、全国通津浦々の密売人たちは再び覚せい剤を中心に取引するようになりましたが、ひとたび広まった大麻の密売ルートは、その後も一定規模で続いているようです。今や、都市部では、覚せい剤、大麻、コカインとあらゆる種類の薬物を広く売りさばく密売人が増えています。

加えて、大麻愛好者をベースにした流通網も、ますます拡大しています。SNSの普及で、友達ネットワークに載って大麻情報が拡散し、同時に大麻も流通しています。営利目的で大規模に大麻栽培を行うグループから、好奇心がこうじて始めた小規模な栽培者までが入りまじって、日本の大麻流通の実態は、ますます見えにくくなってしまいました。

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欧州都市部ダウンタウンに在る生花店内では、育て方マニュアルが添付され黒ビニール鉢に植えられた大麻苗木と、多品種の小袋入り種子が普通に売られたりしてます。

各国で近所をパトロールする警官へ、鉢を指し違法なのかと質問したら問題無しでした。


COP21会議で各国トップが揃った様子を見ていると、日本文化特有のモラル差分を感じます。

欧州都市部の市民生活に密着して、実勢をもっと詳しく知れば、その差分が少し理解出来るのではと思います。





神流美 王井門
2015/12/02 08:45

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