弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 米の危険ドラッグ作戦、第三次の成果発表

<<   作成日時 : 2015/10/19 03:58   >>

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10月15日、米国の連邦麻薬取締局(DEA)が、危険ドラッグ取締まりのために、15か月にわたって展開してきた、第三次シナジー作戦(Project Synergy III)の成果を発表しました。
今期の成果は、逮捕者は全米16州で計151人にのぼり、現金及び資産の差押は日本円にして約18億円相当、押収した危険ドラッグは合成カンナビノイド粉末だけで3トン、ほかに7トン超の包装済み製品というもの。めざましい成果をあげました。
画像

↑第三次シナジー作戦の押収物
DEAの記事(下記参照@)より転載

「シナジー作戦」は、DEAに加えて、税関、国土安全捜査局が合同で行っているもので、米国に輸入される危険ドラッグ原料に対する取締まりも、3機関の連携で行なわれているようです。
税関は、疑わしい輸入貨物の検査の様子を公開していますが、そのなかに、外国から到着した貨物に対する通関検査の様子をとらえた未編集ビデオがあります。
税関職員に加えて、DEA、国土安全保障省の職員も顔をそろえて、疑わしい貨物を見つけ出し、X線で中身を確認し、開梱して徹底的に調べています。あやしい粉末や錠剤が見つかれば、その場で分析機器にかけて、内容を確認するという徹底ぶりです(下記参照A)。
日本では、こうした検査の現場はめったに公開されませんが、米国の税関は、あえて通関検査の一部始終を公開しています。徹底した検査が行われていることを知らせて、安易な輸入に歯止めをかけようという狙いでしょうか。

ところで、最近、米国の取締まり機関では、危険ドラッグ原料を国際市場に拡散させている「中国の化学会社」への非難を強めているようにみえます。
今回の発表でも、米国に出回る危険ドラッグの原料は、そのほとんどが中国の悪質業者が製造し、インターネットを通じて販売していると説明されています。そういえば、この報道発表には、「中国の悪質化学会社が米国と世界の消費に向けて製造し、売上は中東に流れている」という挑戦的なサブタイトルが付されていました。
また、DEA発表と同じ日に、米財務省は、中国江蘇省の化学会社Kaikai Technologyの関係者を外国麻薬犯罪組織の重要人物に指定しました。この人物は、インターネットを通じて合成カンナビノイドなどの危険ドラッグ原料を販売し、スケジュールT及びUとして規制されている薬物を、購入者と共謀して米国に輸入したとして、フロリダ州の連邦地裁が逮捕状を出しているということです(下記参照B)。
昨年は、上海の化学会社経営者が、同じく外国麻薬犯罪組織の重要人物に指定されました。

さて、このシナジー作戦では、2012年に第一次作戦が始まって以来、膨大な量の危険ドラッグが押収されてきました。でも、これだけ膨大な原料や製品が市場から取り除かれたというのに、それでも、市場は決定的なダメージを受けたようには見えません。
米国の危険ドラッグ市場に幕引きが訪れるには、まだ時間がかかるのでしょうか。

[参照]
@米DEAの報道発表(October 15, 2015)
151 Arrested in DEA-Led Investigation of Synthetic Drug Rings
http://www.dea.gov/divisions/hq/2015/hq101515.shtml
A米税関の未編集ビデオ
Project Synergy III B-Roll
http://dvidshub.net/r/8cchtx
B米財務省の報道発表(October 15, 2015)
Treasury Sanctions Prolific Chinese Synthetic Drug Traffickers
http://www.treasury.gov/press-center/press-releases/Pages/jl0214.aspx

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