弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 医療大麻患者と薬物検査|コロラド州最高裁の判断

<<   作成日時 : 2015/06/17 23:32   >>

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コロラド州の州法によって医療用大麻の使用を認められている患者であっても、職場の薬物検査で陽性になったとき、事業主はその従業員を解雇することができる。
衛星テレビ配信会社を解雇された元従業員が、会社を相手に解雇の無効を訴えた裁判で、コロラド州最高裁は15日、全員一致で元従業員の訴えを退ける決定をしました。なお、一審及び控訴審とも、いずれも、会社側の解雇を認めています。

この裁判の原告は、交通事故の後遺症によって車いすによる生活を送っており、脚の痙攣を鎮める唯一の治療法として医療用大麻を使っていた元従業員。職場の抜き打ち薬物検査で陽性になり、2010年に勤務先を解雇されましたが、州法に従って医療用大麻を使ってきた患者が、就業時間外に大麻を使用し、仕事に支障をきたしていないとして、従業員は解雇の無効を訴えていました。
会社側は、薬物検査の結果による解雇は、薬物使用を容認しないと明示している会社の規定に従ったもので、認められるべきだと主張してきました。

コロラド州には、従業員が就業時間外に合法的活動をしたことを理由として、従業員に不利益な処分をすることを禁じる「合法活動法」がありますが、医療用大麻の使用は、この法のいう「合法的活動」に当たるか否か、という点が裁判での争点でした。

最高裁の判断は、
・この法が「合法的」とする場合の「法」とは、州法に限るものではなく、連邦法と州法を含むものと解するべきであるから、連邦法の下でスケジュールT物質として規制されている大麻の使用は、この法がいう「合法的活動」にあたらない。
・したがって、原告の大麻使用は、この法による保護を受けない。
というものです。

さて、23の州が医療用大麻を容認する米国で、コロラド州最高裁のこの判断は、どんな影響を及ぼすのでしょう。
連邦の機関や、連邦政府と契約する事業所は、ドラッグ・フリーな職場を維持するために、社内規定を定めて薬物検査を実施していますが、医療用大麻を使う患者の扱いは、これまで、いわばグレーゾーンとなってきました。また、薬物検査をためらう企業もあったといいます。この決定で方向性が示されたことで、企業は、職場の薬物管理方針を検討し、薬物検査を実施することにためらう必要がなくなります。

しかし、大麻解禁をめざす人たちにとっては、大きな逆風となるでしょう。また、医療用大麻を使う患者にとっては、働く場を制限することにもなりかねません。
地元のデンバー・ポストの記事は、この裁判の原告のように同情すべき人を困難な立場に追いやることになるという、デンバー大学教授のことばを伝えています。同教授は、これは立法府の課題であり、州議会はこうしたケースを無視できないだろう、といっています。

[参照]
@コロラド州最高裁判所の決定
No. 13SC394, Coats v. Dish Network—Labor and Employment- Protected Activities(June 15, 2015)
https://www.courts.state.co.us/userfiles/file/Court_Probation/Supreme_Court/Opinions/2013/13SC394.pdf

Aデンバー・ポストの記事
Colorado Supreme Court: Employers can fire for off-duty pot use
http://www.denverpost.com/news/ci_28315256/colorado-supreme-court-affirms-lower-court-rulings-medical

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