弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 西アフリカ系密輸グループを摘発|覚せい剤密輸

<<   作成日時 : 2015/06/06 15:45   >>

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昨年末、羽田空港で摘発された運び屋の背景を捜査していた警視庁が、密輸組織にたどり着いたようです。都内で暮らすナイジェリア人3人が、覚せい剤輸入で逮捕されました。

<ニュースから>*****
●覚せい剤4キロ密輸容疑=ナイジェリア人逮捕−西アフリカ密売組織か・警視庁
覚せい剤約4キロを密輸したとして、警視庁組織犯罪対策5課は5日までに、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)容疑でW容疑者(53)=東京都新宿区戸山=らナイジェリア国籍の男3人を逮捕した。同容疑者は「何も知らない」と容疑を否認している。
逮捕容疑は2014年12月25日、共謀して固形の覚せい剤約4キロ(末端価格約2億8000万円)を、日本人の50代の男=同容疑で逮捕=に飛行機で香港から羽田空港に運ばせた疑い。
同課によると、3人は日本国内で活動する西アフリカの薬物密売組織のメンバーで、実態解明を進める。覚せい剤はリュックサックなどに入れられ、機内荷物として運ばれていた。東京税関の職員が発見した。
時事通信(2015/06/05-12:19)
*****

運び屋の摘発から始まった捜査が、密輸の指示役や首謀者にまでたどり着くことは、そう頻繁ではありません。覚せい剤密輸ルートが広域化するとともに、役割分担も細分化し、多くの人物が関わるようになっているため、密輸組織の全貌にたどり着くのは、決して容易ではありません。

ひと昔前、日本に出回る覚せい剤が主に東アジア圏で調達されていたころには、密売組織を統括する暴力団が自ら密輸を取り仕切っていたこともありました。そのころは、中国などに組織の配下を常駐させて覚せい剤の買付け情報を集め、イザ取引という場面では暴力団幹部が現地に出向いて買付けをし、配下に集めさせた運び屋集団に日本への運搬をさせるという、わかりやすい図式で大型密輸が行われたのです。
自ら密輸を取り仕切ることで、暴力団は莫大な利益を手にすることができました。組織力、資金力のある組織は、覚せい剤を密輸することでますます力を蓄えることができたのです。
しかし、リスクもありました。警察は覚せい剤の流通状況を監視して密輸の情報を把握し、税関で摘発された運び屋の背後関係を丹念に捜査しては、指示役への突きあげ捜査を行い、暴力団組織の中枢まで摘発が及ぶことも珍しくなかったのです。

この状況が大きく変化したのは、中国や北朝鮮からの密輸ルートが封じられ、日本に流入する覚せい剤が極端に減少した、2000年代前半ころだったのではないでしょうか。それまで暴力団が頼りにしてきた密輸ルートが壊滅したとき、新たなルートからの覚せい剤調達を請け負ったのが、日本に滞在する外国人グループだったのです。

密輸組織といっても、たいていは、それほど大掛かりなものではありません。同国人のネットワークを通じて覚せい剤を調達し、それを運び屋の手で運搬させ、国内で暴力団などの密売組織に売り渡すのが、密輸グループの仕事です。覚せい剤は、世界のあちこちに無数にある中継拠点で調達するので、密輸の仕出し地は多様です。
現在の密輸ルートは、巨大な組織の手で取り仕切られているわけではなく、無数の小さなグループの活動がアメーバのように連鎖し、多くの人の手を経由しているものが多く、その全貌が見えにくくなっています。

かつては密輸の主役だった暴力団は、今では、国内に入った覚せい剤を買い受ける立場に回りました。手にする利益は減りますが、密輸摘発のリスクはありません。
かくして、覚せい剤密輸の背後関係の捜査は、ますます難しくなっているのです。

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