弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 千葉地裁で無罪判決|覚せい剤輸入事件

<<   作成日時 : 2014/06/14 23:54   >>

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千葉地裁の裁判員裁判で審理されていた覚せい剤輸入事件で、また無罪が言い渡されました。第一審の裁判員裁判での全面無罪、これで17人目となりました。

<ニュースから>*****
●覚醒剤密輸事件で無罪判決
覚醒剤をスーツケースに隠し、成田空港から密輸しようとした罪に問われたタンザニア人の男性の裁判員裁判で、11日、千葉地方裁判所は「スーツケースに覚醒剤が隠されていることを知らなかった疑いがある」として、無罪を言い渡しました。
無罪判決を受けたのは、タンザニア人の47歳の男性です。
去年9月、タンザニアから成田空港に到着した際、覚せい剤およそ1キロをスーツケースに隠し、密輸しようとしたとして覚醒剤取締法違反などの罪に問われました。
裁判では、男性がスーツケースに違法な薬物が隠されていることを知っていたかどうかが争点になっていました。
判決で千葉地方裁判所の吉村典晃裁判長は「税関検査時の言動や捜査段階での供述など、すべての証拠を検討してみてもスーツケースに覚醒剤が隠されていることを知らなかった疑いがある」と指摘して、無罪を言い渡しました。
無罪判決について千葉地方検察庁の金澤勝幸次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適正に対処していく」としています。
NHK首都圏 NEWS WEB 06月12日 19時18分
*****

覚せい剤輸入事件が裁判員裁判で審理されるようになって以来、無罪の言い渡しが増えたことが話題になっています。
裁判員裁判が導入されてから5年余りの間に、覚せい剤輸入事件で無罪が言い渡された被告人が17人、ほかに、部分無罪(同時に審理された別罪部分で有罪となったもの)が少なくとも3人、これを合わせると20人もの被告人に無罪判決が出ているのです。

日本の刑事裁判では無罪判決が言い渡されることはきわめて稀で、私たちはよく「日本の無罪率は0.1%」と言います。実際、最新版の司法統計(2012年)によれば、2012年中に通常第一審での無罪率は0.15%でした。
ところが、裁判員裁判で審理される覚せい剤輸入事件では、その20倍近い割合で無罪判決が出ています。

最高裁が発表している「裁判員裁判の実施状況について(制度施行〜平成26年3月末・速報)」によると、平成21年5月に裁判員裁判がスタートしてから今年3月末までのおよそ5年の間に、裁判員裁判で審理を終えた被告人は、全国で6,530人。罪名別でみると、最も多いのが強盗致傷で1,458人、次いで殺人の1,435人・・・第5番目が覚せい剤取締法違反、つまり覚せい剤の輸入事件で567人となっています。

このうち、無罪を言い渡された被告人はわずかに34人、審理を終えた被告人の0.54%に当たります。ところが、覚せい剤取締法違反事件に限ってみると、審理を終えた被告人567人中16人が無罪を言い渡されており、無罪率は実に2.82%になっているのです。

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相次ぐ無罪判決に世間の注目が集まり始めて3年、この潮流は刑事裁判の随所に影響を及ぼし始めています。検察官や捜査陣による証拠の見直しは今も進行中で、裁判員に理解しやすい証拠もずいぶん増えました。いっぽう、検察官は密輸事犯の起訴に慎重になり、立証に困難が予測されるケースでは不起訴になる例も見かけるようになりました。また、こうした事件での控訴審のあり方も、見直されています。

何かが大きく変わろうとしています。私は、相次ぐ無罪判決が出るたびに判決文を探し、情報を集めてきましたが、その資料ファイルも分厚いものになってきました。そろそろ、中間まとめに手を付ける時期でしょうか。

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