弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 覚せい剤密輸のニュースをまとめて

<<   作成日時 : 2014/05/03 06:17   >>

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このところ、成田、福岡、中部と各地の国際空港で覚せい剤密輸摘発のニュースが続きました。密輸の仕出し地は、メキシコ、西アフリカ、香港、韓国と多彩、そして検挙された人たちの国籍も、西アフリカ、オーストラリア、日本、そして在日の韓国人と多様です。
わずか1週間ほどの間に報道された事件ですが、まるで、覚せい剤密輸の見本集のようにあらゆるパターンが出そろいました。

<5月2日報道>
●メキシコ発の航空貨物に覚せい剤30キロ(3月18日・成田空港)
千葉地検は、覚せい剤約30キロを缶詰に隠して密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪で、韓国籍の2名を起訴したと発表しました。
報道によると、2人は、覚せい剤を缶詰60個に小分けして隠し、メキシコで航空貨物として発送し、米国経由で成田空港から密輸したといいます。成田空港での検査で覚せい剤を発見、コントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)を実施し、2人を割り出して逮捕したということです。
[参照]
「覚せい剤30キロ密輸で起訴 成田、韓国籍の男2人」47News・共同通信(2014/05/02 20:48)
http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014050201002230.html

<5月2日報道>
●西アフリカ男性、覚醒剤1キロ飲み込み密輸(4月11日・中部空港)
中部空港署は、繭玉状にした覚醒剤103個をラップなどで包んで飲み込み、覚せい剤約1キロ・グラムを密輸入したとして、西アフリカのトーゴ人男性(39)を逮捕・送検しました。
報道によると、男性は4月9日にトーゴで覚せい剤を飲み込み、空路でガーナ、ケニア、韓国を経由して同11日、中部国際空港に到着。税関検査の際、言動に不審な点を感じた係官が、男性の体内をX線で調べるなどして覚せい剤を発見しました。男性は「覚せい剤とは知らず、砂金と思っていた」と容疑を否認しているといいます。
[参照]
「覚醒剤1キロ飲み込み密輸」読売新聞 2014年05月02日
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140501-OYT1T50143.html

<5月1日報道>
●香港から来日男性、鉄観音茶6袋に覚せい剤2キロ(4月14日・福岡空港)
福岡県警は、覚せい剤約2キロを密輸したとして、オーストラリア国籍のT容疑者(50)を覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕したと発表しました。T容疑者は香港国際空港から福岡空港に到着、税関検査でリュックサック内の鉄観音茶の袋6袋から、覚せい剤約2キロが発見されました。
報道によると、T容疑者は、メールで知り合った知人から荷物を日本へ運ぶよう頼まれ、香港滞在中に見知らぬアジア系の女性から荷物を渡されたと話しているといい、「覚醒剤が入っているとは知らなかった」と容疑を否認しているといいます。
[参照]
「お茶の袋に覚醒剤隠す 密輸容疑でオーストラリア人逮捕」朝日新聞デジタル(2014年5月1日20時21分)
http://www.asahi.com/articles/ASG515QWPG51TIPE01R.html&#8206;

<4月24日報道>
●韓国から帰国男性、ワイン瓶に覚せい剤約1キロ(4月23日・成田空港)
成田空港へ帰国した男性の手荷物として持ち込まれたワインボトル2本から、液体に溶かした覚せい剤約1キロが発見されました。
報道によると、男性は別の覚せい剤密輸容疑(2011年に暴力団と共謀してカンボジアから覚せい剤約1キロを密輸)で指名手配されており、帰国したところで逮捕されたのですが、その際押収された手荷物内のワインボトルに、覚せい剤を溶かした液体が詰められていました。捜査員がワインボトルを透かして見たところ、結晶が見え、発覚したといいます。
[参照]
「ワインボトル、透かして見たら覚醒剤」朝日新聞デジタル2014年4月24日00時32分 
http://www.asahi.com/articles/ASG4R6HPBG4RTIPE02K.html

●あれ、旅客手荷物密輸の量が少なめになってきた・・・?
最近のケースを列記してみて、ふと気がついたことがあります。旅行客の手荷物に覚せい剤を隠して密輸する手口の2例で、いずれも密輸した覚せい剤の量が、1キロ、2キロと、やや少なめなのです。そういえば、2014年に入ってから検挙された覚せい剤密輸事件では、1回の密輸量が1キロ、2キロといったケースが目につきます。

摘発される覚せい剤密輸事件の大半を占めるのが、旅行客をよそおった運び屋による持ち込み密輸ですが、1回当たりの平均密輸量は、ここ数年来右肩上がりで増加してきました。財務省の「平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況」によれば、2013年中に摘発された覚せい剤密輸のうち、「航空機旅客等による密輸」は104件、押収量は304 kg、1件当たり平均2.9 kgとなっています。手荷物隠匿の手口では、3〜4kgというのが代表的な密輸パターンでした。

そもそも、1回当りの密輸量が急速に減少したのは2000年代前半のことでした。それまでわが国に密輸される覚せい剤の最大の仕出し地だった中国で、覚せい剤の取り締まりが厳しくなり、空港などでの手荷物検査も厳格になったことから、運搬量が制約されることになったのです。1人当たり500グラム程度の覚せい剤を身体に巻きつけたり、飲み込んだりした運び屋が、続々と送り出される状況を指して「ショットガン方式」と呼んだりしたものです。

ところが、2008年ころ、西アフリカからの密輸が目立ち始めるとともに、1回当りの密輸量が増加し始めました。密輸を取り仕切る犯罪組織が変わり、密輸の手法が目に見えて変化したのです。
また私は、1回当りの密輸量が増加したことの背景には、覚せい剤密輸ルートの広域化があると、みてきました。たとえば西アフリカから密輸される覚せい剤は、ヨーロッパや中東を迂回し、何人かの運び屋の手を中継して日本の空港にたどり着くケースが多く、割高な密輸コストと釣り合いをとるために、密輸組織は、1回当りの密輸量を増やすのだろうと推測してきたのです。

さて、運び屋が1回に持ち込む覚せい剤の量・・・、増加し続けてきたこの数字に、もしかすると、減少トレンドが見え始めているのでしょうか。報道されたわずかな例だけで結論を出すのはあまりに拙速ですが、ちょっと気になる変化です。
密輸ルートのどこかで、取り締まり体制や監視システムに変化が起きたのかもしれません。あるいは、日本の密売市場で、覚せい剤がダブついて、一時的に需要が減っているのでしょうか。当面の動きを注視しておくことにしましょう。

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