弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 脱法ドラッグ政策|変わり目の薬物政策4

<<   作成日時 : 2014/02/05 11:39   >>

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中断していた「変わり目の薬物政策」シリーズを続けます。
これまでの記事は
1 厳禁から管理へ|変わり目の薬物政策1
  http://33765910.at.webry.info/201401/article_6.html
2 電子機器による監視|変わり目の薬物政策2
  http://33765910.at.webry.info/201401/article_7.html
3 課税と価格の戦略|変わり目の薬物政策3
  http://33765910.at.webry.info/201401/article_10.html

2010年代にはいって次第に問題の規模を広げている脱法ドラッグ対策において、これまで世界をリードしてきたのは英国で、類似タイプの薬物群をまとめて規制する包括指定、さらに新規に登場した薬物に対する暫定規制措置など、変化の速い脱法ドラッグ市場に対応する新対策が次々に投入されてきました。
ところが、その英国で、いま脱法ドラッグ対策の見直しが始まっています。これまで投入されてきた対策にもかかわらず、相変わらず市場には次々に新薬物が登場し、死亡事故を含む健康被害が発生している現状に、当局は、対策の抜本的な見直しに着手しました。
見直しに当たっては、米国が採用しているアナログ規制や、ニュージーランド方式などが、新たな選択肢として検討されているといいます。
ニュージーランド方式とは、これまで禁止を基本にしてきた脱法ドラッグ対策に、認可制度の下で「低リスク」な販売をめざすものとして、いま注目されている制度です。

●ケース2、ニュージーランドの脱法ドラッグ政策
2013年秋、ニュージーランドは、全く新しい脱法ドラッグ対策を運用し始めました。危険性の高い薬物を禁止するのではなく、低リスクなものに限定して、認可した販売店での販売を認めるという、前例のない方式です。

まず、この制度の全体像を簡単に紹介しておきましょう。
これまで脱法ドラッグと呼ばれてきたものは、「精神作用物質」として、低リスクなものに限定して、認可制度の下で適法に販売されます。
「精神作用物質」の販売は、免許を得た販売店に限られ、広告をしない、18歳以下の少年に販売しない、コンビニ、スーパー、食料品店などで販売しないなどの制限が課せられます。インターネット販売の場合も同様です。
製造業者は、製品1点ごとに、その配合成分や配合量などの詳細を明示して承認申請をして、当局の審査を受け、承認された製品だけが製造、販売することが認められます。承認申請が却下されたり、留保された製品は販売することができません。

製品の審査にあたって、重視されるのは、医学文献による副作用報告です。国内の臨床医には、精神作用物質による副作用事例を中毒センターに報告するよう求められており、販売中の製品についても、重大な副作用報告があった場合は承認を取り消すとされています。実際、今年1月末には、暫定承認製品として販売されてきた5製品の承認が取り消されています。
当局は、「低リスク」の審査基準を点数表として公表するとしていますが、現在は、まだ具体的な点数表は発表されていないようです。

現在は、暫定認可製品として40製品ほどが認可されていて、保健省のサイトでは、暫定認可製品について、1点ごとの含有成分とその量などが明らかにされています。
また、認可申請が拒否されたもの、留保になっているものも公表されています(同ページ内)。ただし、こちらは成分や含有量は記載されていません。

政府の方針に合わせて、業者の販売方法も変化し始めました。オンライン販売をしているサイトを開いて、新しい販売方法を確かめてみましょう。
ある業者のサイトには、暫定製品認可を受けたハーブ製品が数点掲載されていますが、各製品の写真、価格とともに、含有成分と含有量が明記されています。
たとえば、こんな調子です。
■○○ Purple Passion(5F-PB-22 60mg/g)−2.5g
強力な合法ドラッグ。合成大麻。5F-PB-22 を1グラム当り60ミリグラム配合、ベリーの香り。強力な合法ハーブ。
■○○ Black (PB-22 50mg/g) −2.5g
合法ドラッグ。合成大麻。PB-22を1グラム当り50ミリグラム配合、味わい豊かなパイナップルの香り。作用の持続は1時間程度、効き目は強く、長く続く。強力な合法ハーブ。

また別な業者のサイトでは、成分や作用の持続時間に加えて、さらに詳細なアドバイスが掲載されています。たとえば、次のようなものです。
・この製品を初めて使う方や、耐性の低い方は、まず軽く1、2服して10分待ってから、ご使用ください。
・18歳以下の方は使用しないでください。
・この製品を使用後6時間以内は、自動車の運転合、重機の操作をしないでください。
・パラノイア、パニック、あるいは精神病様の症状が現れた場合は、すぐに使用をやめてください。
・もし副作用を感じたら、中毒センターに連絡してください。

[参照]
ニュージーランドの「精神作用物質」制度については、保健省のサイトに説明があります
(NZ) Ministry of Health>Psychoactive substances
http://www.health.govt.nz/our-work/regulation-health-and-disability-system/psychoactive-substances

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