弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 電子機器による監視|変わり目の薬物政策2

<<   作成日時 : 2014/01/23 11:32   >>

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コロラド州で嗜好品としての大麻販売を開始するにあたって、最も懸念されたのは、「大麻販売制度」という枠組みの下で許容された大麻が、その枠を超えて流出してしまうことでした。
連邦司法省は全国の連邦検察官宛てのメモランダムを発し、当面はコロラド州、ワシントン州での推移を静観するという方針を示しましたが、そのなかで、連邦政府がとくに重視する点として
・未成年者の手に渡ることを防止すること
・大麻販売の利益が薬物犯罪組織に流れることを防止すること
・州法によって大麻を合法化している州から他の州への大麻流出の防止すること
などを挙げています(下記参照@)。

大麻の栽培から販売までの全過程を管理下に置くために、同州は、大麻販売制度の基本として大麻販売に関する規則(Permanent Rules Related to the Colorado Retail Marijuana Code)において、栽培から加工、販売に至るまで細かい管理規定を定めました(下記参照A)。

加えて、州当局は、現場での管理が十分に行われるよう、電子機器を利用した管理システムを髄所に導入したのです。
事業者は、大麻在庫追跡システム(MITS)を使って、栽培し、販売する大麻や加工品を管理しなければなりません。前記事で紹介したビデオ(下記参照B)に沿って、この管理システムの特徴を見ていくことにしましょう。
大麻草1本ごとに付けられるICタグには、超小型のICチップが埋め込まれ、栽培施設の認可番号や個体識別番号などの情報が蓄えられます。スーパーマーケットでよく見かけるPOSシステムに似ていますが、POSシステムではバーコードによって基本情報が管理されているのに比べ、ここではICチップに書き込まれた情報を電磁波でやり取りするRFID(ビデオではRadio frequencyと呼んでいます)という技術が使われています。ICタグをつけた大麻草を加工や販売のために移動する際には、システム上で発行される出荷伝票が必ず添えられますが、伝票には出荷施設の認可番号などに加えて、出荷する大麻草の個体識別番号といった詳細な情報も記載されています。
大麻草の移動や処理は、集中管理システムに集積されますが、各事業者や管理当局の担当者は、専用ウェブサイトを通じていつでもその情報にアクセスし、状況を把握することができます。

電子技術の活用範囲はMITSにとどまらず、さらに広い範囲に及んでいます。事業者は、栽培施設や販売店などの認可施設のすべてを24時間監視下に置かなければなりませんが、その具体策として、施設の出入口や窓には、指定された規格に適合したアラーム・システムを備えることが求められています。あらゆる人や物の出入りが自動的にシステム上に記録され、操作できない形で保存されていくのです。
また認可施設にはすべて、ビデオカメラと録音装置を備え、その記録を少なくとも40日間は保存することも必要です。ビデオカメラの配置については、たとえば販売カウンターでは顧客と従業員の顔が識別できるようにすること、ICタグ付けが行われる場所は必ず録画することなども詳細に定められています。

嗜好品としての大麻販売という、前例のない制度を構築するにあたって、コロラド州当局は、厳格な管理規定を定めるだけでなく、各事業者が規定を守ってビジネスを展開することができるよう、新鋭のテクノロジーを取り入れた多様な管理システムを採用しました。
もちろん、最新テクノロジーを駆使したシステムは高価です。しかも特定の規格のものを備えるよう義務付けていることから、販売コストが割高になるという声もあがっているようです。しかも、MITS専用のICタグの出荷が遅れ、肝心の導入初日に全施設に届かなかったというトラブルもありましたが、とりあえず動き始めたこの新しい管理システムが、今後どのように機能していくか、いま世界が注視しています。

次回では、課税と価格の面から、コロラド州での大麻販売制度を検討してみたいと思います。

[参照]
@米司法省のメモランダム
Guidance Regarding Marijuana Enforcement(August 29, 2013)
http://www.justice.gov/iso/opa/resources/3052013829132756857467.pdf
Aコロラド州の大麻規則
Permanent Rules Related to the Colorado Retail Marijuana Code(September 9, 2013)
B大麻在庫追跡システムを紹介するビデオ
abc7News>Radio frequency tags may be used by Colorado regulators to track recreational pot from seed to sale(12/12/2013 )
http://www.thedenverchannel.com/news/local-news/colorado-regulators-plan-to-use-radio-frequency-tags-to-track-recreational-pot-from-seed-to-sale

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