弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS どうなってる!?警察の留置管理業務

<<   作成日時 : 2012/11/06 01:31   >>

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数日前の報道ですが、またしても警察の留置場に勾留中の被疑者が薬物を隠しもっているのが発見されたという記事がありました。今度は福岡県警の博多警察署で、外部から差し入れされた品物のなかに、大麻がはいっていた可能性があるとのこと。

<ニュースから>*****
■送検時に大麻発見=差し入れ検査すり抜けか―福岡県警
福岡県警博多署が大麻取締法違反容疑で逮捕した男が、福岡地検に送検された際にトレーニングウエアの上着の内ポケットに大麻約0.1グラムを隠し持っていたことが2日、同署への取材で分かった。
男は会社社長K容疑者(34)=福岡市・・・=。博多区内で知人男性(36)に大麻たばこを譲り渡したとして、10月17日に逮捕され、中央署に留置された。
同19日、身柄を移された地検での身体検査でポリ袋に入った乾燥大麻が見つかった。県警によると、同容疑者は「差し入れされた物の中に入っていた」と供述しており、差し入れ品の検査をすり抜けた可能性があるという。
同署は2日、同容疑(所持)などでK容疑者を再逮捕した。
県警留置管理課は「調査を徹底し、再発防止策を講じたい」としている。 
時事通信 11月2日(金)21時34分配信
*****

10月以来、全国の警察から、勾留中の被疑者の身辺から薬物が発見されたというニュースが立て続けに報じられてきました。

<10月23日毎日新聞千葉版>
■覚せい剤取締法違反:取調室で所持 匝嵯署、使用で起訴の男を容疑で再逮捕 /千葉
9月下旬に覚せい剤使用の容疑で逮捕された被疑者が、翌日、同署の取調室内で突然わめき、袋を口元に運ぼうとしたため、捜査員が制止。鑑定で白い粉が覚醒剤と確認され、10月22日に再逮捕された。逮捕後に行われた身体検査で、覚せい剤は発見されていなかったという。

<10月19日MSN産経ニュース>
■留置場で覚醒剤使った疑いで男を再逮捕 「返された服に入ってた」
京都府警南丹署は、窃盗などで勾留されていた公判中の被告人を、留置場内で覚せい剤を使用したとして再逮捕した。被告人は6月に窃盗容疑で逮捕されていたが、別の事件の取り調べの際に「留置場で覚醒剤を飲んだ」と話したため、尿検査を実施、陽性反応が出たという。府警によると、証拠品として押収された衣服を留置場で返され、服に入ったままになっていた覚醒剤を取り出して使ったとみられる。

<10月7日 日経新聞>
■注射器を留置場に持ち込み 埼玉、尿検査で覚醒剤反応
埼玉県警浦和東署は7日、署内で勾留中の男が注射器を留置場に持ち込んでいたことを明らかにした。尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たため、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で再逮捕。男は道路運送車両法違反の疑いで現行犯逮捕されたが、翌日の取り調べ中に便意を訴えて留置場のトイレに入った後、空の注射器(長さ約11センチ)を署員に差し出した。逮捕後に留置場に入る際、署員が体を触るなどして検査したが、注射器を見つけられなかった。〔共同〕

こうして並べてみると、「偶然」と言ってしまうにはあまりに異様な感じさえ受けます。最近、警察の留置業務に大きな変更があったとは聞いていないし、被留置者が急に増えたわけでもありません。いったい、何が起きているのでしょうか。

日本の警察の留置場は、世界に類のないほど所持品検査や身体検査が厳重で、でも、それに対応して、世界に類のないほど安全な場所だと、私は思ってきました。欧米の刑事施設では、施設内での薬物使用の問題が絶えないと聞きますが、日本では、そんなことは絶対にないと、確信してきたのです。
薬物、刃物、使い方によっては殺傷具にもなるヒモ状のもの、また外部と不正な連絡をとるためのメモや暗号・・・、安全を脅かすものが持ち込まれないよう、留置場では何につけても念入りな検査が行われます。被疑者が留置場に収容される際には、厳しい身体検査が行われ、また、外部から差し入れする品物には、安全管理のためにきわめて細かい基準が定められているのです。たとえば、開封した化粧品類はダメ、大きな刺しゅうやアップリケなどを施した衣類はダメ、ヒモ状になる長いソックスはダメ、ジャージのウエストを締めるヒモも切り取って差し入れます。
しかし、これほどの検査や規則をもってしても、安全や規律が守られない事態が起きているようです。こうした事態が頻発すると、とかく、検査の徹底や管理の引き締めに目が向けられますが、行き過ぎのないように見守ることも忘れないでいただきたいものです。

警察の留置業務は「警察留置管理に関する訓令」に基づいて行われていますが、その第23条では、留置開始時の身体検査について「その者(被留置者)の識別のため必要な限度で、その身体を検査する」としています。なお第66条では「留置施設内の規律及び秩序を維持するため必要がある場合」の検査についても定めています。
第23条  留置担当官は、法第181条第1項の規定により留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査するものとする。その後必要が生じたときも、同様とする。
第66条 留置担当官は、留置施設内の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。
2 被留置者の身体検査は、肌着を脱がせない限度で行うものとする。ただし、留置主任官
及び当直主任等が凶器又は危険物等を所持している疑いがあると認めるときは、留置施設
に備え付けの身体検査衣を着用させるなどの方法により、肌着を脱がせて行うことができ
る。
3 被留置者に対する留置の開始時における身体検査は、留置施設内の身体検査室において行うものとする。ただし、身体検査室がないなど身体検査室で身体検査が行えない場合は、留置業務管理者が指定する留置施設内の適当な場所において行うこと。
4 女性被留置者の身体検査については、第23条第2項の規定を準用する。この場合において、当該被留置者の羞(しゅう)恥心に配慮し、男性の留置担当官等が身体検査室に入室し、又は検査対象者の姿が見える場所に位置してはならない。

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第二十四条の八に国外犯は刑法第二条 の例に従うとあるので、例えば、アメリカで医療用大麻を譲り受け所持したアメリカ人や少量所持が非犯罪化されているスペインで大麻を所持したスペイン人でも 日本国に入国した場合、理論的には処分の対象になりうるということだと思いますが、正しいでしょうか?
大麻取締法の国外犯規定についての質問です
2012/11/06 06:42

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