弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 指定薬物をニセ覚せい剤として密輸?|南大東島薬物密輸

<<   作成日時 : 2012/10/04 23:52   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 3

台湾から密輸された大量の薬物、ルートも手法も典型的な覚せい剤密輸の手口であるにもかかわらず、押収した薬物を鑑定してみたら、覚せい剤は検出されず、指定薬物だった・・・。なにやら複雑な背景のありそうなニュースが伝えられています。

<ニュースから>*****
●脱法ドラッグ原料密輸した疑い、男ら逮捕
JNNで取材を続けてきた薬物の大量密輸事件でついに逮捕者が出たというニュースです。沖縄県南大東島の沖合で脱法ドラッグの原料となる薬物数十キロを台湾の船から受け取り、密輸したとして男2人が逮捕されました。
薬事法違反などの疑いで逮捕されたのは、福岡市の建築業S容疑者(66)ら2人です。
S容疑者らは先月3日、沖縄県南大東島沖の公海上で浦添宜野湾漁協所属の漁船を使って、台湾船籍の漁船から厚生労働省が定める指定薬物数十キロを受け取り、南大東島に持ち込んだ疑いです。
指定薬物は、幻覚を引き起こしたり、人体に危害を及ぼすおそれがあるとして、研究や医療目的以外での製造や販売、輸入が禁止されています。最近は、いわゆる「脱法ドラッグ」として販売されているものに含まれるケースが増えています。
取り調べに対し2人は、「身に覚えがない」などと容疑を否認しています。この事件では、警察の摘発を逃れようとした暴力団組員が島のサトウキビ畑で自殺していて、警察は、近くに放置されていた薬物の鑑定を進めていました。
警察によりますと、今回押収された薬物には覚せい剤と同じような成分が含まれていました。この薬物はこれまでに押収された例がなく、警察は使用目的や末端価格はわからないとしています。
TBSニュース(2012年10月04日18:03)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5148169.html
*****

この事件は、もともとは9月初旬に起きたもの。9月7日付の読売新聞(沖縄版)によると、
沖縄県・南大東島沖合の海上で暴力団が絡む大量の覚醒剤密輸が行われる、との情報を得た福岡、沖縄両県警などが内偵を進めていたとのこと。捜査班は、覚醒剤密輸に関係したとみられる男らが南大東島にいることを確認し、行方を追っていたところ、9月6日に、サトウキビ畑で男が死んでいるのを捜査員が発見。男が捜査に気づき、自殺した可能性もあるとされていました。
男の身辺に残されていた白い粉は、当初、覚せい剤と考えられていましたが、鑑定の結果覚せい剤に似た指定薬物であることがわかったようです。薬物の特定などに時間がかかった結果、ようやく逮捕の運びとなったものでしょう。

通常は、脱法ドラッグの成分として配合されるのが指定薬物ですが、この事件では、どうやらニセ覚せい剤として密輸されたようです。台湾から船で運び出して沖合いの海上に投下、日本側の漁船が投下された薬物を回収して陸揚げする「瀬取り」は、覚せい剤の密輸に用いられる典型的な手法です。内偵されていた関係者も、おそらく覚せい剤に関係のある人物だったことでしょう。

指定薬物の中には、外見も作用も覚せい剤とよく似たものがいくつかあります。今日のニュースでは薬物名は発表されていませんが、薬物に詳しい人なら、すぐに思い浮かぶものがいくつかあります。
こうした薬物の多くは、中国あたりの新興国で製造され、脱法ドラッグとして加工され、様々なルートで欧米や日本の脱法ドラッグ市場に流入しています。それが、どこかで、覚せい剤の国際流通ルートに紛れ込み、覚せい剤の代替品やニセ覚せい剤として密輸される・・・、そんな事態が発生しているのでしょうか。
さて、厄介なことになったものです。
もし、今回の密輸が成功していたなら、脱法ドラッグの白い粉末が、覚せい剤として出回ることになっていたかもしれません。覚せい剤の品薄・高値が続いている中で、これまでにも、エフェドリン類やジメチルアンフェタミンなどの覚せい剤原料が、ニセ覚せい剤として出回った例もあります。覚せい剤に比べるとはるかに安価な脱法ドラッグをニセ覚せい剤として密売すれば、大きな利益につながります。末端で「覚せい剤」として密売される白い粉末の中に、脱法ドラッグ成分が紛れ込むとなると、取り締まりの現場には少なからぬ混乱が起きることになります。脱法ドラッグによる余波や混乱は、思いがけないところまで広まりつつあるようです。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 7
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
>覚せい剤の品薄・高値が続いている中で、これまでにも、エフェドリン類やジメチルアンフェタミンなどの覚せい剤原料が、ニセ覚せい剤として出回った例もあります。

ジメチルアンフェタミンといえば、注射すると血管が熱く感じるため「花火」や「爆弾」と言われ、吸湿性があるのか濡れたような感じの粉ですね。
ただ私が不思議なのは、なぜわざわざこういった評判のよくない物質を混ぜるのかということです。
この物質も覚醒剤原料としてかなり厳しい法規制がなされているはずですし、メタンフェタミンと比べて密輸しやすいとはいえないと思います。
同じ重さのジメチルアンフェタミンを密輸するくらいなら、メタンフェタミンを密輸すればいいだけのような気がするんです。

ハイポやカフェイン、味の素なら日本国内で自由に手に入るので、混ぜ物として有効なのは分かりますが、
なぜ密輸する以外は入手困難なジメチルアンフェタミンが使われるのか、どうも想像が付きません。
半素人
2012/10/06 00:25
そういえば、覚醒剤と偽って売られた5MeO-DiPTを注射したら精神病を起こしたという症例について述べた論文が存在しますが(有料につき未読)、
あのような低用量で効きODの基準が厳しい薬物を静脈注射とは、非常に恐ろしいことです。

その指定薬物が、メタンフェタミンよりも「高力価」な物であったら、事故が起きそうですね。
(完全に微粉末化されて混ぜ物で薄められていれば別ですが)
半素人
2012/10/06 00:33
大東島のあれは、本当は、覚せい剤だったんじゃないの?って思ってしまう・・・。あんなふうに、畑にばらまかれたかのように、覚せい剤の塊が落ちてる映像を全国ニュースで流されちゃったから警察も具合が悪くなって、「あれはバクダン(ゴジラ?)だったんだよ」って嘘ついてごまかしてるんじゃないの?じゃないと、アホなポン中が、拾いにいっちゃいそうやもん。
どら
2012/12/23 10:50

コメントする help

ニックネーム
本 文
指定薬物をニセ覚せい剤として密輸?|南大東島薬物密輸 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる