弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 医療用大麻ビジネスに異変|カリフォルニアから

<<   作成日時 : 2012/07/08 17:24   >>

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米カリフォルニア州では、医療用大麻を容認する州法と、あらゆる大麻を違法とする連邦法のハザマで不安定な成長を続けてきた医療用大麻ビジネスが、このところ苦境に追い込まれているとニューヨークタイムズが報じています。
昨年10月、米連邦が営利主義にたつ大麻ビジネスに対して、連邦法による取締りを敢行すると発表して以来、カリフォルニア州内の医療用大麻供給所に対して次々に閉鎖命令を発しているといいます(下記C)。

最近の米司法省の報道発表から、関連情報を拾い出してみましょう。
■商業的な大麻運営に対する連邦の措置は、ロサンゼルス地区の違法販売店に対する警告状及び行政手続で続行中(2012年6月6日発表)。
連邦当局は、今週、ロサンゼルス群サンタフェ・スプリングスの3店舗に対する没収手続きの申立てをしたほか、郡内の34拠点の関係者に対して警告書を送付した(下記@)。
■連邦は、サンタバーバラ郡内の違法販売店と栽培施設に対する措置を実施(2012年5月3日発表)。
商業的な大麻運営に対する連邦の措置として、今週、サンタバーバラ郡内ので3件の財物没収手続きを申し立てたほか、4件の商業施設に対する捜索を行い、郡内の10件の違法大麻販売店の関係者に警告書を送付した(下記A)。

1996年、全米で最初に制定されたカリフォルニア州の医療用大麻を認める州法は、特定の疾患に苦しむ患者が自らの医療用として大麻を栽培し、所持することを許容するものですが、認定を受ける患者の増加とともに、患者に対して医療用大麻を供給する施設としての大麻供給所(いわゆる大麻薬局)も増加してきました。州法は、医療用に大麻を使う患者および介護者が刑事訴追されることのないように明確に規定していますが、医療用大麻供給所は、患者に対する介護者として医療用大麻を供給する機関とされてきましたが、その立場について明確な規定がないため、かねてから連邦法による取締りの対象になってきた経緯があります。
オバマ政権の誕生以来、連邦当局は州法を尊重する立場をとり、いわゆる大麻薬局に対する取締りは遠のいていましたが、昨年10月以降、再び連邦による取締りが活発に行われ、カリフォルニア州内では、多くの大麻薬局が営業を停止したと伝えられています。

ニューヨークタイムズが掲載した、2012年6月30日付の記事「連邦法の執行にためらう自治体Cities Balk as Federal Law on Marijuana Is Enforced」は、連邦当局の措置が相次ぐなかで、サンフランシスコとオークランドを除く50の自治体では、医療用大麻供給所の認可取り扱いが中断されている様子を伝えています(下記B)。
記事は、昨年来行われている連邦による取締りは、カリフォルニア州で医療用大麻を求める州法が成立して以来の厳しい措置で、正確な数字は発表されていないものの、少なくとも500店舗が営業を停止したとしています。記事は、地元の食品業及び商業労働者組合関係者の言葉として、「昨年10月時点で1400あった大麻薬局のうち、約650点が営業を停止した」と伝えています。

米社会では医療用大麻を容認する州法の制定が増加するいっぽう、連邦法は依然として医療用大麻を認めないなかで、大麻をめぐる衝突が展開されています。

[米司法省の報道発表]
@Federal Enforcement Actions Against Commercial Marijuana Operations Continue with Warning Letters and Civil Lawsuits Targeting Illegal Storefronts in Los Angeles County(June 6, 2012)
http://www.justice.gov/usao/cac/Pressroom/2012/074.html
ALatest Federal Enforcement Actions Against Marijuana Operations Target Illegal Storefronts and Grows in Santa Barbara County (May 3, 2012)
http://www.justice.gov/usao/cac/Pressroom/2012/056.html
[ニューヨーク・タイムズの記事]
BCities Balk as Federal Law on Marijuana Is Enforced(June 30, 2012)
http://www.nytimes.com/2012/07/01/us/hundreds-of-california-medical-marijuana-shops-close.html?_r=1&ref=drugabuseandtraffic
[関連の過去記事]
C 医療用大麻供給所に連邦が閉鎖命令|米国の大麻政策(2011/10/09)
http://33765910.at.webry.info/201110/article_8.html

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何か、孕んでいた矛盾がここで解消されるようにも見えます。
彼の国では、医療大麻の容認はもちろんのこと、現在では「合法化」という風潮もメインストリームになりつつあります(ギャラップ調査等でも半数以上が合法化賛成)。その中でこの厳罰化は誰の得になるのでしょう。オバマさんだって、たぶんこれにはあまり触れたくないはず。素人脳で考えても、こういう厄介な事になるならもう合法化しちゃうか?という流れに拍車をかけてしまうようにも思う。
たとえばグリーンラッシュで増えすぎた大麻ディーラーを間引く、という考えでもあるのなら多少は分かりもするが、どう見ても税金の無駄遣いでしかない。役人のメンツのために無駄な税金を使うのは、日本だけではないのかもしれない。それとも、宗教勢力?これも否定できない因子だけど、ただのヒステリックだしなあ。
日鷲
2012/07/10 14:56

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