弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 倉庫で大麻草100本栽培のニュース

<<   作成日時 : 2012/06/30 23:34   >>

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大麻栽培事件の摘発も最近では珍しくなくなりましたが、座間市の倉庫内で約100本の大麻草を水耕栽培していた男が、「栽培が嫌になった」と自ら警察に出頭したというニュースがありました。出頭した男の背景、大掛かりな水耕栽培装置など、何かと気になるところです。

<ニュースから>*****
●大麻:倉庫内で大量栽培、警官案内し逮捕 神奈川
倉庫内で大量の大麻草を栽培するなどしたとして、神奈川県警藤沢北署は28日、自称同県藤沢市・・・無職、H(52)を大麻取締法違反(営利目的栽培・所持)容疑で現行犯逮捕した。「営利目的ではない」と一部否認している。
同署によると、海老沢容疑者は同日午前9時45分ごろ、同署を訪れ「大麻の栽培が嫌になった。案内するので自分を逮捕してほしい」と話したという。署員が同行して同県座間市新田宿の倉庫に行き、栽培中の大麻草約100株と乾燥大麻約30株分を見つけた。
広さ約100平方メートルの平屋建ての倉庫内には、水が流れるようにした管が張り巡らされ、大麻草が水耕栽培されていた。倉庫内に扇風機で大麻を乾燥させる別室もあり、同署は栽培から乾燥までを行う「大麻工場」だったとみて調べている。
海老沢容疑者は「07年から独学で栽培を始めた。昨年からちゃんと育てられるようになった」と話しているという。倉庫は住宅街の中にあり、近くに住む男性は「前から臭かったが、大麻とは気付かなかった」と驚いた様子だった。(当事者の氏名等を省略)
毎日JP 毎日新聞(2012年06月29日 10時47分)
http://mainichi.jp/select/news/20120629k0000e040169000c.html
*****

ところで、大麻の室内栽培は、近年になって先進国に共通して起きている問題です。ちょうど読み始めたばかりの『2012年版世界薬物報告書2012 World Drug Report』でも、大麻市場の分析の項では、拡大する大麻栽培に関して言及しており、室内栽培やシードバンクの問題も取り上げられているので、その一部を私訳で紹介します。
なお、同報告書50ページには、UNODCが調査した、大麻種子販売業者(シードバンク)に関する簡単なまとめが掲載されています。

<2012年版世界薬物報告書から>*****
●大麻の室内栽培
自国内市場に向けて大麻を供給するために用いられる室内栽培施設の増加は、ヨーロッパで目につく傾向であり、EU加盟国のほとんどが大麻の室内栽培の増加を報告している。これは、大麻の室内栽培用品の供給に特化して「グローショップ」(ヘッドショップとも呼ばれる)の存在を反映している。栽培の規模は普通は小規模なものであるが、ときには犯罪組織が運営する大掛かりな生産組織の一部であることもある。グローショップやインターネットを通じて、大麻栽培に用いる用具やノウハウ(種子、栽培用照明器具、水耕栽培器具など)が入手しやすくなったことで、大麻栽培を始めることが比較的容易になり、大麻栽培施設がさらに分散するようになってきた。大麻の種子はインターネットを通じて入手することができ、郵便や宅配サービスによって、目立たないパッケージで世界中に配達されているが、こうした種子によって収穫力が高くまた強力な大麻の品種が入手しやすくなるので、とくに注意を要する。
UNODCは、現在この市場の徹底的な調査を行っており、2011年にはインターネットを通じて100-200のシードバンクを特定した。
日本は、屋外栽培の選択肢が限られるため高収益が得られる国であるが、ここでも、大麻栽培に用いる用具やノウハウが入手しやすくなった結果、大麻の室内栽培が増加したと報告している。2001年以降大麻関連の犯罪での検挙者は大幅に増加しており、大麻栽培での検挙者が増加するいっぽう、大麻の輸入での検挙者は減少しているところから、日本で栽培される大麻が輸入大麻にとって代わったことを示している。」(私訳、48-49ページ)
[出典]
UNODC, 2012 World Drug Report ,June 2012
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2012.html
*****

実は、同時に大麻栽培に関係して、もうひとつ重要な資料が発表されています。こちらはEUの薬物問題対応機関EMCDDAが発表した『ヨーロッパにおける大麻の生産と市場Cannabis production and markets in Europe』という資料。大麻の品種や栽培の基本から現状分析、大麻の効力の変遷、各国の対応など多岐にわたる内容で、274ページという膨大なものです。
私はまだ内容を読んでいませんが、興味のある方は、こちらもお読みください。
[参照]
EMCDDA, Cannabis production and markets in Europe, June 2012
http://www.emcdda.europa.eu/publications/insights/cannabis-market

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室内栽培、水耕栽培は別に珍しい栽培方法ではない。家庭用に栽培セットが売られているし、インスタントで栽培できるカップもある。100円ショップで買えるもので室内水耕栽培をする人もいる。水耕栽培でトマトを栽培している農家もある(トマト工場?)。東京の地下には大規模水耕栽培のシステムの展示場もある。大きな園芸店なら水耕栽培のコーナーもあるし専用の肥料も売っている。グローショップが無くても、ホームセンターで事足りるものです。結局、大麻は植物だ、というだけのことです。
日鷲
2012/07/10 15:08

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