弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 久しぶりに大麻栽培摘発のニュース

<<   作成日時 : 2012/02/15 00:19   >>

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2月15日夜加筆
強力大麻についてかなり加筆し、また引用記事を差し替えました。
*****

実に久々に、大規模な大麻栽培の摘発が報道されました。捜索を受けた栽培施設は、建物内部に相当大掛かりな設備を施して、大麻草180本を水耕栽培できるものだといいます。

<ニュースから>*****
紡績工場を大麻栽培工場に 所持容疑で2人を逮捕
閉鎖された紡績工場を改装して大麻草を栽培し、乾燥大麻をつくり密売目的で所持したとして、大阪府警薬物対策課は13日、大麻取締法違反(営利目的共同所持)の疑いで、元暴力団組員で無職、K容疑者・・・ら2人を現行犯逮捕し送検したと発表した。
同課によると、工場は床に塩ビ管をはわせ水や栄養剤を流す装置をつくるなど、約180本分の大麻草栽培が可能な状態。幻覚作用が強い乾燥大麻「バッズ」を所持していたとされ、同課はバッズの「栽培工場」だったとみている。(記事の一部、当事者の氏名等を省略)
MSN産経ニュース・ 2月14日(火)1時2分配信
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120214/crm12021400560001-n1.htm
*****

●室内栽培と強力大麻の関係
上記の記事でも触れているように、発見された乾燥大麻は、いわゆる強力大麻「バッズ」だと伝えられています。このところ、押収される大麻に「バッズ」が増えていることが話題になっているようで、2月6日の読売新聞大阪版は、「強力大麻『バッズ』横行」という記事を掲載し、「バッズ」と呼ばれる乾燥大麻の摘発が相次いでいることを取り上げていました。
バッズとは、植物のつぼみや芽を表す英語で、大麻の場合はTHCを多量に含む花穂部分をさします。とくに、高THCを含むよう品種改良された品種を室内栽培し、未受粉の雌花部分だけを収穫した場合には、一般の大麻と比べてはるかに多量のTHCを含むことが知られています。わが国でも、改良品種の種子が出回り、室内栽培が広まることで、「バッズ」と呼ばれる強力大麻が広まりつつあるようです。
欧米では、押収された大麻のTHC濃度を分析し、大麻の効力を測定する研究が行われていますが、近年では、こうした強力大麻の供給が急激に増加し、市中に出回る大麻のTHC濃度が高くなっていることが問題視されてきました。たとえば米ミシシッピ大学の研究では、この20年で、大麻の平均的なTHC濃度は倍に上昇したと報告されています。
大麻取締法違反の刑事手続では、対象である大麻の品質は問題とされないので、事件で押収された大麻の品質に関心が向けられる機会は、これまでほとんどありませんでした。しかし、健康影響の観点からは、大麻の品質によるTHC量の差は、そのまま精神作用の強さにつながるだけに、強力大麻の増加は、無視できない問題です。犯罪立証とは別な観点から、押収大麻中のTHC濃度分析を継続的に行う取り組みが、わが国でもそろそろ必要な時期だと思います。
[強力大麻に関するサイト内過去記事]
■アメリカから強力大麻に関するニュース|CNN
http://33765910.at.webry.info/200905/article_12.html
■改めて大麻を考える その10
http://33765910.at.webry.info/200805/article_11.html

ところで、上の記事では、この場所で押収されたのは「乾燥大麻8・75キロ(末端価格約5千万円)と大麻草59本など」となっていました。警察が報道発表する際には、たいてい、乾燥大麻の末端価格は1グラム当たり6千円で計算されるのですが、しかし、この計算基準はかなり不確かなものだと思います。種子や茎も混入した輸入品ならもっと安いでしょうし、いわゆる「バッズ」ならもっと高く取引されており、首都圏では1グラム当たり1万円程度とも聞いています。まあ、平均すると6千円ということなのでしょうが、押収品の末端価格は、営利事犯の場合にはとくに重要な意味をもつだけに、しっかりした計算基準を示すことも必要ではないでしょうか。

●大麻事犯の検挙がなぜか減っている
このところ、大麻関連のニュースが極端に減っていると感じています。折から、警察庁の2011年1月〜12月の犯罪統計がようやく発表されましたが、大麻取締法違反の検挙人員は2年連続で大幅に減少し、2011(平成23)年では1631人。2009年の約3000人というピーク時に比べると、半分ほどに減ったことになります。
画像

↑大麻事犯検挙人員の推移
警察庁刑事局刑事企画課編「犯罪統計資料」のデータに基づいて筆者が作成したもの

昨年上半期までの状況をみると、大麻栽培事犯の検挙者も、同じようなペースで減少しています。間もなく発表される「平成23年の薬物・銃器情勢」で、もう少し具体的な様子が把握できるでしょうが、私はどうにも腑に落ちない気分で統計を眺めています。
もちろん、数年来、メディアや広報で積極的に大麻乱用防止を訴えてきた成果が、こうした減少につながったことは、大いに喜ばしいことです。でも、警察による摘発が減少したという一面だけを捉えて、日本の大麻問題が大きく好転したと、率直に受け止めていいのでしょうか。警察の捜査網の外側で、大麻の栽培や密売の構図が大きく変化し始めているように思えてなりません。

さて、ついでに、主な薬物事犯の検挙者状況の速報版として、上記と同じ「犯罪統計資料」のデータに基づいて作成したグラフも、掲載しておきましょう。覚せい剤事犯の検挙者が、前年よりわずかに減少したものの、増加傾向にあることが注目されます。覚せい剤に関しては、密輸摘発も増加傾向を示しており、警戒しつつ今後の推移を注視しておきたいものです。
画像

↑薬物事犯検挙人員の推移
警察庁刑事局刑事企画課編「犯罪統計資料」のデータに基づいて筆者が作成したもの

[参照]
警察庁>犯罪統計資料(平成23年1〜12月分)
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji35/hanzai2011.htm

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内 容 ニックネーム/日時
小森先生のブログには何度となく見させて頂き、その度に時代の流れと合法(脱法)界の締め付け取締りが厳しくなって行く現実をヒシヒシと感じて居りました。
かく言う私も、それを業とする者の一部でしたが、辞める決意をした時には既に時遅く…
覚悟を決めてる段階で有ります。
このコメントの続きは書けませんが…
分かりますよね(笑)

現在の罪の重さを知ろうと、インターネット検索エンジンGoogleを使用し検索した結果、逮捕摘発までは出てますが、判例に関する情報が極端に少ないと思います。

この判例こそが、業者にとても強いインパクト(恐怖心)を与える事になるのでは無いかと考えます。
恐らく、今既に辞めようか辞めまいか悩んでる同業者の為にも、大変お忙しい中かとは思いますが、一度判例を集めた記事を書かれては如何でしょうか?

きっと素晴らしい効果が有るかも知れませんし、無いかも知れません…
が、知識を与えるチャンスをどうか1つお願い致します。
因みに、地域の弁護士会が同じなら私の弁護人を…
国選ならうけれますが(笑)
それは冗談として、どうか私のような馬鹿でアホな人間を1例でも減らす為に、お願い致します。

コレからも、ドラッグと言う人間の英知の結晶を守る為に
非合法を消し去り、医師から薬局までもが伝える広い意味のドラッグ(お薬)を、どうか宜しくお願いします。

拝啓
廃人になりかけてた元業者より
お馬鹿さん
2012/02/15 01:04
はじめまして。コメント失礼いたします。大麻栽培の減少は少なからず合法ハーブやアロマなどが抑止力になっている側面もあると思います。
K
2012/02/16 06:36
合法ハーブが大麻事犯の減少に確実に繋がっていると思います。今後、合法ハーブや合法ドラッグ全般の取り締まりを強化すれば、違法なドラッグや大麻の摘発が増えるでしょう。つまり法改正をおこなっても犯罪者が人為的に作られるだけ。刑務所も警察も仕事が無くなると困ると言う事ですかね?年間1万人以上もアルコール+風呂で亡くなっているのに、合法ハーブにアレルギー反応をおこして死亡した1人や2人を根拠にして犯罪者を作り出す厚生労働省....そして待ってましたとばかりに若者の未来を踏みにじる警察....
サンタムエルテ
2012/02/16 08:42
>>サンタムエルテ
アルコールのダメージは、確かに凄まじいものが有りますが、量を調整出来る所に一定の救いが有ります。

コメント後半

そんな事は有りません。
未知の物質によるダメージは「未知」その物です。
コレは身を持って経験してる元業者の言として、最後に残して置きます。

廃人になりかけてた元業者
2012/02/16 12:06
「強力大麻バッズ!」なんとも、笑ってしまうと言うか情けないというか、呆れますね。バッズは普通に10年以上前から売られていました。最近のことではありません。また、以前こちらにコメントしたように、バッズ以前からハッシッシ(大麻樹脂)は存在し売買されており、それはTHC20%はあるものです。「強力大麻」とやら最近出て来たわけではありません。明らかに、行政とマスコミのスピンに乗せられています。
そもそも、事実をもとにした大麻の有害性についての是非を語らず、強力だからダメというのは非科学的であり根拠もありません。煽動に乗っているか、自ら煽っているとしか思えない記事です。

どうするおつもりですか、この先。これではソフトランディングすらできませんよ。それは社会の混乱を意味します。
もういいかげん、薬物事犯に刑事罰を科すことの無意味さについて話を進められてはどうせすか。相変わらずこんなことでは、ますます後進するばかり。やりかたが古すぎます。
日鷲
2012/02/19 03:14
日鷲さんに同感です
時代遅れの法律にいつまで縛られるつもりなんでしょう

それに薬物も元をただせばもっともっと巨大な勢力が、国を上げて取り組んでいるのをウスウス見逃してきているのは誰なんでしょうか

原発はOKで、大麻は NO ??? 

何かがおかしいです、この国は。
時代遅れ
2012/03/27 00:17

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