弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS コントロールド・デリバリー|航空便で大麻樹脂6キロ

<<   作成日時 : 2011/11/30 22:52   >>

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航空便で送られた貨物の中に隠された大麻樹脂6キロを密輸したとして、荷物の受取人が逮捕されたとニュースが伝えています。税関検査で大麻樹脂が発見され、ライブ・コントロールド・デリバリーが実施されたようです。

<ニュースから>*****
●石像に大麻樹脂6キロ=荷物受け取りのネパール人逮捕―警視庁など
インドから送られた石像85体の内部に大麻樹脂を隠し持っていたとして、警視庁組織犯罪対策5課と東京税関などは30日までに、大麻取締法違反(営利目的所持)容疑で、ネパール国籍の工員・・・容疑者を現行犯逮捕した。同課によると、「誰から送られたか分からず中身を確認しただけで、大麻樹脂があるとは知らなかった」と容疑を否認している。
逮捕容疑は10日午後6時ごろ、自宅に航空便で届いた石像85体の中に、小分けにされた大麻樹脂計約6214グラム(末端価格5000万円相当)を所持した疑い。
同課によると、石像は最大で高さ約30センチ。人や建物をかたどっており、三つの箱に入れられていた。7日にインドから航空便で成田空港に届いた際、東京税関がX線検査で大麻樹脂を発見、同課などが追跡していた(当事者の氏名等を省略)。
時事通信 11月30日(水)13時8分配信
*****

●貨物内に隠した薬物を発見、いざ!コントロールド・デリバリー
規制薬物の密輸入や不正取引事件などで、当局が薬物等の存在を把握していながら、直ちに検挙せずに、監視の下に薬物を運搬させ、追跡して、密輸や不正取引に関与する人物を特定する捜査手法を「コントロールド・デリバリー」といいます。
発見した規制薬物等を取り除いて行うものをクリーン・コントロールド・デリバリー、薬物等が入ったままで流通させるものをライブ・コントロールド・デリバリーと、区別することもあります。

コントロールド・デリバリーが行われる典型的なケースは、国際郵便や貨物として日本に送られてきた荷物のなかに、税関の検査で、覚せい剤などの薬物が発見された場合です。貨物便などを利用した薬物密輸では、密輸組織と直接関係のない部外者が荷物の受取人になる例が多いのですが、コントロールド・デリバリー捜査がうまく進展すれば、荷物の受取人だけでなく密輸を計画した首謀者も含めて一網打尽にするチャンスもあるのです。
捜査に当るのは、普通、税関と警察による合同捜査チームですが、流通させる貨物を確実に監視し、あらゆる状況に対応しなければならないため、捜査チームはかなりの陣容になります。
まず、税関長が、麻薬等特例法の特例に基づいて、この荷物の輸入を許可します。次に配達員との打ち合わせをして、運送業者や郵便局員などが、普通の荷物と同じように配達先に届けることになります。
もちろん、配達される荷物の周辺には、つねに多数の捜査員が配置され、その行方を厳重に監視し、受取人が荷物を受け取った時点で逮捕したり、ときには受取人をさらに追跡して、関係者も合わせて逮捕することになります。私が担当した過去の事件では、頼まれて荷物の受け取りを引き受けた人物が、配達されたダンボールを持って出かけ、依頼者と落ち合ったところで逮捕されたケースや、知人に荷物の受け取りを依頼したものの、成り行きが心配になった仲介者が、配達先の周辺をうろついて逮捕された例もあります。

とはいえ、コントロールド・デリバリー捜査では、しばしば想定外の展開が待ち受けています。たとえば配達先が留守の場合、配達員は「不在配達のお知らせ」を郵便受けに入れて荷物を持ち帰りますが、捜査員はその後ずっと配達先への人の出入りと同時に、郵便受けに近づく人物も監視しなければなりません。また、再配達の連絡、配達先の変更など、刻々と変化する状況に柔軟に対応しなければならないのです。
さらに最近では、密輸の手法が巧妙になり、荷物の配達先を店舗やホテルなどにするといった例もみかけます。不特定多数の人が出入りする場所が配達先になっている場合、いったん配達された荷物が受取人に手渡されるまでの監視は、きわめて苦労の多いものになるでしょう。

コントロールド・デリバリーは、薬物犯罪捜査の中では大掛かりでしかも高度な判断が要求される捜査手法で、そのため、実施件数は限られてしまうようです。
[コントロールド・デリバリーの実施状況]
・ 平成12年・・・29件
・ 平成13年・・・28件
・ 平成14年・・・26件
・ 平成15年・・・63件
・ 平成16年・・・78件
・ 平成17年・・・42件
・ 平成18年・・・29件
・ 平成19年・・・39件
・ 平成20年・・・31件
・ 平成21年・・・38件
 数字は平成22年版警察白書、121ページより

なお、平成3年に制定された麻薬等特例法、正式にいうと「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」は、コントロールド・デリバリーを可能にする特例等を定められています。本来、税関検査で規制薬物を発見した場合、税関はこれを押収することになっているのですが、薬物犯罪の捜査のために、税関長が特別にその輸入を許可するというものです(同法4条)。

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