弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS ベトナム系犯罪組織と大麻栽培

<<   作成日時 : 2011/10/20 23:34   >>

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埼玉県で摘発された大麻の大量栽培事件の背景に、ベトナム人グループが関与しているようだと報じられています。これまでも、ベトナム人グループによる大麻の大量栽培事件が相次いで起きています。今年2月には群馬県で約1000本の大麻の大量栽培、2010年には兵庫県で、2009年には群馬・千葉・埼玉と連続してベトナム人グループによる大量大麻栽培事件が摘発されてきています。
ベトナム系薬物組織と大麻栽培との関係は、カナダでは特に顕著で、米国内での高THC大麻の大量栽培にも、ベトナム系グループが関与している例が多いことが指摘されています。今回の事件で、ようやく栽培の背後にある密売組織について言及されたようですが、その全容が解明されることに期待します。

<ニュースから>*****
●大麻栽培工場を摘発、所持容疑でベトナム人男女2人逮捕 埼玉県警
埼玉県警薬物銃器対策課と東入間署などの合同捜査班は20日までに、大麻取締法違反(単純所持)の現行犯で、いずれもベトナム国籍で同県深谷市宿根、無職T容疑者(34)と群馬県玉村町箱石、無職G容疑者(34)を逮捕、送検した。また、T容疑者の自宅などから、栽培中の大麻草893本を押収した。
薬物銃器対策課などの調べでは、2人は共謀の上、18日午後7時15分ごろ、T容疑者の自宅で、ポリ袋に入った乾燥大麻片約2キロ(末端価格約1200万円)を所持していた。
薬物銃器対策課などは、9月下旬にチャン容疑者の自宅で大麻を栽培しているとの情報を得て、捜査していた。2人は知人で、調べに対し「持っていたものが大麻とは知らなかった」と容疑を否認しているという。
大麻草は、T容疑者の木造2階建ての自宅と、隣接するスレート平屋倉庫の中で鉢植えで栽培されていた。T容疑者の自宅は、別のベトナム人の名義となっている。
薬物銃器対策課では今後、営利目的栽培の疑いでも2人を取り調べるとともに、背後にベトナム人グループによる密売組織があるとみて調べる方針(当事者の氏名を省略)。
MSN産経ニュース(2011.10.20 15:34 )
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111020/stm11102015360003-n1.htm
*****

● カナダ・米国で高THC大麻の栽培・密輸にかかわるベトナム系犯罪組織
大麻の大量栽培へのベトナム人グループの関与には、もしかすると国際的な背景があるのかもしれません。カナダや米国では、高THC大麻を室内で大量栽培していた事件にベトナム系グループがかかわっていることがしばしばあるのです。
米司法省が最近発表した20011年版の薬物の脅威アセスメントでは、米国内で不法薬物の密輸・密売などに関与している主な薬物犯罪組織の概況をまとめていますが、そのなかに「アジア系薬物犯罪組織」として挙げられているのが、ベトナム人を中心としたグループなのです。
このグループは、もともとカナダを拠点に活動しており、主にMDMAの密造や、高THC大麻の室内栽培を手がけています。「BCバッズ」などと呼ばれるカナダ産の高THC大麻は、米国にも大量に密輸されていますが、それを栽培し、密輸しているのが、このグループだといいます。さらに2011年版アセスメントでは、このグループが、近年、活動拠点を米国内にまで拡大していると報告されています。

「カナダを活動拠点とするアジア系の薬物犯罪組織は、USAにMDMAを密輸するグループとしては最大で、また高THC大麻の主要な供給者ともなっており、その活動範囲をカナダからUSAに拡大しつつある。
このグループは、カナダでの取り締まりが厳しくなったことや、運送費用の合理化、米国−カナダ国境での密輸摘発を回避するなどの理由で、一部の活動拠点を米国内へ移しているとみられる。
・ アジア系薬物組織としてまず挙げられるのは、カナダに活動拠点を置くベトナム人犯罪組織であり、カナダ国内でMDMAの密造や大麻の栽培を行い、それを北部国境を越えて大量に米国へ密輸している。
・ 北部国境地帯で押収されるMDMAの量は、2006年には190万錠であったものが2010年には390万錠と増加している。
・ ニューイングランドから太平洋岸までの地域で、アジア系組織によって運営される大麻栽培拠点の増加が報告されている。[下記資料@]」

そういえば、イラン人の薬物事犯(密売や輸入事件)を担当すると、被告人やその関係者がアジア各国やカナダなどをひろく移動し、活動していることに気づかされます。日本で検挙されたベトナム人グループが、カナダの薬物組織と直接つながるのかどうかはわかりませんが、その背後には、国際的な広がりをもつ同国人のネットワークがあるのかもしれません。
いまや薬物も情報も世界をかけめぐっているのですね。

[参照]
@司法省国立薬物情報センター編『2011年版全国薬物の脅威アセスメントNational
Drug Threat Assessment 2011』
http://www.justice.gov/ndic/topics/ndtas.htm
ACNSニュース>司法省:カナダからの薬物密輸を牛耳る「アジア系」ギャングの活動が国内でも活発化DOJ: ‘Ethnic Asian’ Gangs Dominate Drug Smuggling From Canada, Increasingly Active Inside US(October 3, 2011)
http://cnsnews.com/news/article/doj-ethnic-asian-gangs-dominate-drug-smuggling-canada-increasingly-active-inside-us

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