弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS インターネットで薬物密売、売れても、売れなくても逮捕

<<   作成日時 : 2011/06/02 23:49   >>

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インターネットの掲示板に、薬物の「売ります」書き込みをして逮捕!のニュースが、2件続きました。1人は覚せい剤をせっせと売って、覚せい剤密売で逮捕。もう1人は、向精神薬を売ろうとして売れなかったものの、広告禁止に違反したとして逮捕。

<ニュース@>
●覚醒剤販売:販売目的でネットに書き込み 容疑の男逮捕 /東京
覚醒剤の販売目的でインターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込みをしたとして、警視庁サイバー犯罪対策課などは1日、住所不定、無職の容疑者(53)を麻薬特例法違反と覚せい剤取締法違反容疑で逮捕したと発表した。
逮捕容疑は、5月7日、新宿区のインターネットカフェのパソコンで、『02-1万円+P(0・2グラム1万円、吸引器具付き)」「北(朝鮮)産だけ」などと2ちゃんねるに書き込みをし、覚醒剤の購入をそそのかしたなどとしている。
サイバー犯罪対策課によると、容疑者は昨年5月以降、約100人の顧客と連絡を取り、月に150万円稼ぐこともあった。薬物は2ちゃんねるの書き込みを見て購入し、逮捕時に▽覚せい剤約17グラム▽大麻約1・5グラム▽コカイン約3・6グラムを所持していたという。
毎日jp / 毎日新聞・東京版(2011年6月2日) 
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20110602ddlk13040335000c.html

<ニュースA>
●ネット上に向精神薬販売広告、容疑の男逮捕 奈良
向精神薬の販売広告を出したとして、県警組織犯罪対策1課と五條署は1日、麻薬取締法違反(広告の禁止)容疑で茨城県神栖市の容疑者(25)を逮捕した。「売ってもうけようとしたが売れなかった」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は昨年12月12日、携帯電話のインターネット掲示板に「お薬売ります。エリミン2500円」などと書き込んだとしている。同課によると舩越容疑者は事件当時奈良県在住で、県内の病院から処方された向精神薬を転売しようとしたという。同法の「広告の禁止」容疑の適用は県内で初めて。
MSN産経ニュース・奈良版(2011年6月2日)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110602/nar11060202250004-n1.htm

●インターネットで薬物を密売・・・裁判員裁判かな
インターネットに広告して、多数の顧客に対して繰り返し薬物を密売していたことが確認されると、麻薬特例法の事件として、裁判員裁判になるかもしれません。起訴状には、こんな風に記載されることになるでしょう。
「被告人は、営科の目的で、みだりに、平成○年・・・から平成○年・・・ころまでの間、別表記載のとおり・・・・・・、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパンの塩類を含有する結晶合計約・・・グラムを代金合計・・・万円で譲り渡し、もって規制薬物等を譲り渡す行為を業とした。」

インターネットの掲示板に書き込んで購入客を見つけるのは、主にシロウト密売人の仕事です。彼らは、特定の薬物入手ルートを持たずに末端から仕入れることが多いため、取引する量も少なく、密売価格も割高で、組織的な密売集団と比べれば、零細な密売人だということができます。しかも、インターネットで薬物を求める買い手もまた、初心者が多いのです。インターネットは、シロウトとシロウトを結びつけ、薬物取引をする場を生み出してしまっているようです。

インターネットを利用する密売人は、たいてい、とるに足りない零細な存在ですが、これを放置すれば、インターネットが新しい密売経路として定着し、薬物の需要を広げてしまうことになるでしょう。近頃、警察がインターネット密売への監視を強め、こうした取るに足りない零細な密売人をコツコツ摘発しているのも、この媒体に対する警戒感の大きさを表すものでしょう。麻薬特例法の事件は薬物犯罪のなかでもとくに手がかかるもので、零細な密売人の実態を考えると、つりあわない印象もありますが・・・。

●たとえ売れない場合でも、「売ります」書き込みは違法広告
麻薬及び向精神薬取締法には、次の規定があります。
「第29条の2  麻薬に関する広告は、何人も、医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この条において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、行つてはならない。」

覚せい剤取締法、大麻取締法にも同様の条項があり、覚せい剤、大麻、麻薬、向精神薬などの規制薬物について、医療や科学の専門家向けのもの以外の広告をすることは禁止されています。違反者に対して科される法定刑は、いずれも「3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金(又は併科)」というもの。
インターネット上の掲示板という不特定多数の人が見る媒体に、薬物を販売する告知を掲示することは、初歩的なものとはいえ、広告に当ります。その広告によって薬物が売れたかどうかに関係なく、法に反する広告を出しただけで違反行為になるわけです。
なお、対象行為の概念がもう少し広いものとして、麻薬特例法のあおり又は唆し(第9条)の規定もあります。この場合も法定刑は「3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金(又は併科)」です。

インターネットという匿名性の陰に隠れて、安直に薬物密売に手を染めるシロウトたちが、今日もうごめいています。「売ってみようか」「買ってみようか」と思いついた人たちに、こうしたニュースを通じて、社会が監視の目を光らせているのだというサインが、届いてくれるといいのですが。

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