弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 大麻栽培のあおり、そそのかし|国連麻薬統制委員会2010報告書

<<   作成日時 : 2011/03/05 01:26   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 4

国連麻薬統制委員会International Narcotics Control Board (INCB) が、2010年版の年次報告書を3月2日に発表しました。
デザイナードラッグ問題、合成カンナビノイドなど気になるポイントがいくつかあって、私は今、その内容を読み始めたところですが、真っ先に開いたのが、大麻の種子問題への対応策の項目です。
この問題は、もともと日本が委員会に提案していたものだそうですが、委員会から全締約国に対して質問票が送付されたと、前年の報告書に載っていました。2010年版では、各国から寄せられた回答の概要が報告されています。
画像

↑「国連麻薬統制委員会2010年版報告書」
http://www.incb.org/pdf/annual-report/2010/en/AR_2010_English.pdf

2010年版の「第2章国際的な薬物統制精度の機能」E.特別案件、1.不法目的での大麻種子の利用(pp40−42)に、国ごとの対策の方向が紹介されています。私はまだ読み始めたところなので、その概要は次回にまとめることとして、とりあえず、今回は、この項目の結論部分を紹介しておきます。

256
多くの国が、大麻種子が不法な大麻草栽培に利用されることを防止するために、法執行、政府機関相互の連携、国際レベルでの情報の共有、啓発などを含む包括的な対策が必要であるとしている。発芽可能な大麻種子と、発芽不能な種子では、大麻種子をコントロールするのにとりうる対策については、区別されるべきであるとされた。また、コントロール策を考慮するにあたって、国際社会は、大麻種子の正当な利用に及ぼす悪影響を回避しなければならないという観点が示された。
257
当委員会は、国際的な薬物統制条約で統制されていない大麻種子が広く入手可能であることが、大麻草の不法栽培に寄与していることに注目している。質問票に対する回答として、大麻種子に関する多様な規制手段が記載されたことから、当委員会は、すべての政府が引き続き、大麻種子の不正な目的での使用に対する最良な手段を求め続けるよう奨励する。当委員会は、こうした不正利用を効果的に防止するため、各政府が自国内で適切な対策を検討するよう勧奨する。その対策には、たとえば、発芽可能な種子や、THC含有が一定の制限を越える大麻品種の種子などに対する貿易制限も含まれるであろう。
258
当委員会は、不法な目的に用いられる大麻種子の販売が、とりわけインターネットを通じて広範に行われていることを懸念している。ウェブサイトおよび電子広告を利用して大麻種子を販売する者たちは、明らかに、人が大麻草を不法に栽培するよう刺激している。そこで当委員会は、インターネットを通じた大麻種子販売に関する情報を提供するよう、特定の政府に要請した。要請した情報には、探索された取引、ウェブサイトの運営に関与している者、出荷品の源や送付先、及びこの問題に対する政府がとっている対策などが含まれている。寄せられた回答から、不法な目的に使われる大麻種子販売にかかるインターネット取引に関する情報は、政府に把握されていないと思われる。したがって当委員会は、不法な用途に向けた大麻種子の販売にかかるインターネット使用の事例をさらに監視し、そうした行為をやめさせる努力を強化することを各政府に奨励する。
この点について、当委員会は、1988年条約の第3条第1項(c) (iii)を適用して、他人を公然とあおり、唆して大麻の不法な栽培及び大麻の不法な使用をさせる行為をとくに犯罪と規定するよう加盟国に要請する。(2010年次報告書41-42頁、小森榮による私訳)

この方針は基本的に2009年版の内容を踏襲していますが、@インターネットを通じた大麻種子販売への監視強化、A大麻の種子の販売やその広告で大麻栽培をあおり、唆す行為の取り締まり、を締約国に対して強く求めています。わが国の法令では、Aに関しては、麻薬特例法の「あおり、唆し」規定を適用して、大麻の種子の広告を取り締まることになります。
そういえば、つい先日、兵庫県警が大麻種子の販売業者を麻薬特例法の「あおり、唆し」で摘発したばかりです。一時は姿を消していた大麻種子販売サイトが、最近ではまた目に付き始めているなかで、こうした販売や広告に対して、引き続き監視を強めていくことが、国際社会からも求められていることになるのですね。
[関連記事]
●大麻の種子と麻薬特例法「あおり、そそのかし」
http://33765910.at.webry.info/201102/article_19.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
小森先生のブログは時折読ませて頂き非常に勉強になります。

しかし、最近の小森先生は薬物=悪に結び付けようかと必死では有りませんか?
コレだけ長くブログ更新をするとネタ詰まりする気持ちは分かりますが、今の気持ちは小森先生が先生たる前に
「絶対になりたく無い大人の姿」
では有りませんか?
もの事を知らずに○○と結び付けたい気持ちは、正義を唱える為に必要な悪だとは存じます。

しかし、最近の小森先生…
いや、小森氏は明らかに人道を見失ってます。
弁護士たる立場に有る以上誰からも
「おい!小森、道をズレだしてる」
とは言われないでしょう。

だからこせ言わせて頂きます。
小森さん!道を見失ってるよ!
と。
匿名
2011/03/05 22:56
規制のゆるい国では、若い人がイキイキと働く場がこうして作られている。

http://www.youtube.com/watch?v=7-xSJcib2cM

この人たちのビジネスの何がどう悪いのでしょうか?
匿名
2011/03/06 10:02
規制のゆるい国では、若い人がイキイキと働く場がこうして作られている。

http://www.youtube.com/watch?v=7-xSJcib2cM

この人たちのビジネスの何がどう悪いのでしょうか?
匿名
2011/03/06 10:03
内容は阿久根太郎と関係ありませんが、薬物を叩くなら、防犯カメラ廃止運動に励んで下さい。

防犯カメラは薬物使用者には邪魔です!落ち着いて買えないじゃないですか!
防犯カメラがあったから犯人が捕まったなんてニュースが最近ありましたが、断固反対です。なければ薬物も買えてラテン系気分になり、犯罪なんか起こす気にならないのです。
阿久根太郎さんへ
2011/03/07 13:20

コメントする help

ニックネーム
本 文
大麻栽培のあおり、そそのかし|国連麻薬統制委員会2010報告書 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる