弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 修行僧と大麻|ネパールからのニュース

<<   作成日時 : 2011/03/02 23:47   >>

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ネパールのヒンズー寺院で、参拝者に大麻を販売することが禁止されたと、BBCがネパール発のニュースとして伝えています。
3月はヒンズー教のシヴァラトリの祭礼が行われる季節で、インドやネパールの山野で苦行を積んでいる修行僧がカトマンズの寺院に集まって来ます。ヒンズー教ではシヴァ神も大麻を吸っていたと伝えられ、修行僧は大麻を吸って神の恵みに触れるとされてきました。寺院側は、各地から祭典のために集まる修行僧が、宗教的な行為として寺院で大麻を喫煙することを禁止するつもりはないといいます。
しかし、地域の開発担当者は、修行僧が寺院で大麻を売っているという噂もあり、近年では大麻喫煙が広まって、祭礼の本質が損なわれているとして、武装警察官など25人からなるチームを編成して、大麻販売の禁止に取り組むということです。
[参照]
BBC>●ネパールの修行僧に寺院での大麻販売を禁止Nepal sadhus banned from selling cannabis at temple(1 March 2011)
http://www.bbc.co.uk/news/world-south-asia-12610597

古くから宗教儀式と薬物は深く結びつき、薬物のもたらす陶酔感や幻覚作用が、神聖な儀式での神秘的な宗教体験と結びついてきた例は数え切れません。20世紀を通じて、こうした宗教儀式での薬物使用は、法規制との間に多くの対立を生んできました。その代表的な例を、アメリカ先住民とペヨーテのケースにみることができます。
アメリカ合衆国ではペヨーテをスケジュールT薬物に指定して規制していますが、これを宗教儀式に用いてきた先住民族と、薬物取り締まりの衝突が繰り返されてきました。
州法のなかには、比較的早い時期から、先住民の宗教儀式におけるペヨーテ使用を取り締まりから除外する規定を設け、その伝統を保護する姿勢を示したものもありますが、そのいっぽう、例外を認めずあらゆるペヨーテ使用を取締りの対象としてきた州もあります。たとえば、1990年の雇用局対スミスEmployment Division v. Smith事件は、先住民の宗教的なペヨーテ使用を除外する規定を設けていないオレゴン州法の合憲性を争ったものですが、連邦最高裁は、この州法は合衆国憲法の「宗教の自由な活動」条項に違反していないと判断しました。この事案は、2名のネイティブアメリカン教会員が、教会儀式でペヨーテを使用したことを理由に解雇され失業手当を受けられなかったことから、オレゴン州を訴えたものですが、この州法は広く一般に適用されており、とくに先住民の宗教活動を制限していないとして、合憲の判断を下したものです。連邦最高裁が、州法による薬物取り締まりから、先住民の宗教的なペヨーテ使用を除外する判断を示したのは、2006年になってからのことです。
現在では、U.S.コード§1996a.「伝統的なインディアンの宗教的なペヨーテ使用Traditional Indian religious use of peyote」などによって、宗教儀式でのペヨーテ使用は基本的には取り締まりの対象外とされていますが、その適用をめぐって、まだまだ多くの争いが展開されているようです。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
日本ではラグビー選手が大麻吸引歴を理由に代表復帰が困難というような状況。
他国とは議論の次元が違いすぎだね。
太郎
2011/03/03 07:16

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