弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 合法化の影響|2010カリフォルニア大麻論争10

<<   作成日時 : 2010/10/09 23:12   >>

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いまアメリカの各州では、大麻を中心に、薬物規制法令や取締り運用の変化が相次いでいます。
まず起きたのが、罰則軽減の流れです。カリフォルニア州が少量の大麻の単純所持違反に対して軽罪を適用するようになったのは、1970年代前半のことだったと記憶しています(手元の資料にその記述が見つからないので、不確かですが)。現在では、ほとんどの州で、一定量以下の大麻の単純所持違反を軽罪として、罰金や短期の拘禁刑を科すようになっています。
また、近年有力になっているのが、医療用大麻を容認する州法の成立です。第一世代の医療用大麻法令は1970年代から導入され始めましたが、その後廃止が相次ぎ、1996年のカリフォルニア州及びアリゾナ州を皮切りに第二世代の州法導入が続いています。
1996年、カリフォルニア州は住民投票事項215が投票によって承認され、全米で最初に医療大麻の使用を容認する州法が成立しました。同じ日にアリゾナ州では、医師が大麻を患者に処方することを可能にする住民投票事項が承認されましたが、翌年、FDAの認可に関連した修正案によって、事実上阻止されました。その後、現在までに14州で医療用大麻州法が成立しています。

カリフォルニアで最初の医療大麻法が成立した当時、私は、アメリカの事情をリアルタイムで観察していたわけではないので、改めて、古いNYタイムズ紙の記事を読んでみました。気づいたのは、14年の歳月にかかわらず、賛成派も反対派も、いま展開されているのとほとんど同じような議論をこの時にも交わしていたことです。たとえば、NYタイムズ1996年10月30日の「医療用大麻は支持を得つつある」という記事では、「イニシャチブは、医療用という衣で包んで合法化の扉を開けようとするものだ」という反対派の声を紹介しています。また、「ティーンエイジャーに誤ったイメージを与えてしまう」という批判にも触れています。
[出展]
NY Times>Medical Marijuana Use Winning Backing(Oct.30 1996)
http://www.nytimes.com/1996/10/30/us/medical-marijuana-use-winning-backing.html?scp=2&sq=medical+marijuana+&st=nyt

さて、その後14年、カリフォルニア州が医療用大麻を容認したことが、アメリカの大麻使用の状況に、果たしてどのような影響を与えたのでしょうか。2000年ころから現在まで、アメリカの大麻消費に現れた変化をみてみれば、おおまかな様子を把握することができます。SAMHSAの「薬物使用と健康全国調査The National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)」のレポートから、大麻使用の変化を取り出してみましょう。

●ティーンエイジャーは影響を受けたのか
2000年以降、少年層の大麻離れがはっきり浮かび上がっています。最新の調査速報によると、反発増加が見られるようですが、2008年までのデータでは、顕著な減少を示しています。医療用大麻を容認する州が少しずつ増加しているなかで、今のところ、少年たちは、その影響を直接こうむっていない様子です。
しかし、依然として大麻の使用率は高い状態が続いている点をとらえれば、大麻が身近になったことの影響がないとまではいえないのかもしれません。
画像

↑@12-17歳の過去1月での主な薬物使用、2002−2008年
The National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)2007,2008のデータによる,

●医療用大麻を容認する州は大麻王国になるのか
たとえば、医療用大麻州法を最初に制定したカリフォルニア州の大麻の使用率は、全米の中間よりやや高いレベルです。200年と2008年を比較すると、使用率は上昇していますが、この変化は、医療用大麻州法の制定後に特に増加したものではありません。ある研究報告は、大麻使用率の上昇が大麻価格の低下と密接にリンクしていると指摘しています。
しかし、現在医療用大麻州法をもっている州は、大麻使用率が相対的に高いのも事実です。いずれも年ごとの変化を追うと、医療用大麻州法の導入と直接関係するものではないのですが、何らかの関係はあるのかもしれません。
画像

↑A12歳以上での過去1ヶ月の大麻使用率(%)2000年
The National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)1999、2000年調査による
画像

↑B12歳以上での過去1ヶ月の大麻使用率(%)2008年
The National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)2007,2008のデータによる

[出展]SAMHSA‘The National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)’
@Results from the 2008 National Survey on Drug Use and Health: National Findings
http://oas.samhsa.gov/NSDUH/2k8NSDUH/2k8results.cfm#Ch2
AState Estimates of Substance Use from the 2000 National Household Survey on Drug Abuse:
  http://oas.samhsa.gov/nhsda/2kState/vol1/ch2.htm#2.2
BState Level Data on Alcohol, Tobacco, and Illegal Drug Use 2008
http://oas.samhsa.gov/2k8State/Ch2.htm#2.2

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