弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS カリフォルニアで大麻所持の罰則軽減|2010カリフォルニア大麻論争6

<<   作成日時 : 2010/10/03 00:31   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0

大麻合法化案への住民投票がいよいよ近づいたカリフォルニア州で、9月30日、少量の大麻所持違反に対する罰則をさらに引き下げる法案に、シュワルツネッガー知事が署名したと伝えられました。施行は来年1月1日から。
[参照]
●NYTimesニューヨークタイムズ>California Reduces Its Penalty for Marijuana
http://www.nytimes.com/2010/10/02/us/politics/02pot.html
●CBSニュース>Schwarzenegger Reduces Charge for Marijuana Possession
http://www.cbsnews.com/8301-503544_162-20018327-503544.html?tag=mncol;lst;1

<朝日新聞より>
10月2日夕刊に、短い記事が掲載されたので、紹介しておきます。
●少量の大麻は逮捕しません カリフォルニア、財政危機で
「カリフォルニア州で9月30日夜、少量の大麻を所持していても、逮捕せず、前科前歴に算入しないとする州法が成立した。同州のシュワルツェネッガー知事が法案に署名した。大麻の合法化ではないが、交通違反と同じ扱いになるという。訴追に必要な捜査機関や裁判所などの財政負担を軽くするのが狙いだ。
米メディアなどによると、同州ではこれまで、1オンス(約28グラム)以下の大麻を所持していた場合、軽犯罪容疑で逮捕される可能性があり、100ドル以下の罰金が科せられた。2008年の逮捕件数は6万1千件に上っていた。新しい法律は来年1月に施行され、罰金はそのままだが、刑事手続きはなくなるという。
この日の法案の署名にあたって知事は、大麻の合法化には反対であると主張しつつ、1兆円を超える慢性的な財政赤字を抱える同州の財政危機を指摘。「限られた財源の中で、交通違反切符と同じような刑罰のために訴追する余裕はない」とコメントした。
カリフォルニア州では「医療大麻」と称して大麻使用が広がっており、全米各地の連邦議員選挙や知事選が行われる11月の中間選挙に合わせて、大麻の合法化を問う住民投票が行われる予定だ。5月の世論調査では、賛成が49%、反対41%だった。」
2010年10月2日10時41分 asahi.com
http://www.asahi.com/international/update/1002/TKY201010020109.html

カリフォルニア州では従来、大麻の単純所持罪に対する刑罰は、28.5グラム(1オンス)以下の大麻であれば「軽罪」として扱われ、100ドル以下の罰金が科せられましたが、新法は、これをさらに軽い「違反」とし、スピード違反並みの取り扱いとするものです。
「軽罪misdemeanor」とは、「重罪felony」より法定刑が軽い犯罪とされ、短期の拘禁刑または罰金が科されます。「違反infraction」は最も軽い刑事処分で、罰則は軽い罰金刑に限られます。
カリフォルニア州の新法では、100ドル以下の罰金を科される点は従来どおりですが、「違反」として取り扱われることにより、少量の大麻所持で逮捕されることがなくなります。従来は、軽罪とはいえ正式な刑事司法手続きを経るため、違反者が逮捕されることがないとは言い切れなかったのですが、これを違反に改めることで、正式な刑事司法手続きに載せる必要がなくなります。州政府は刑事司法の費用を大幅に削減することができ、また違反者は逮捕歴による制約を受けなくてすむというわけです。

近年、アメリカでは大麻に関する刑事罰が変化しており、さまざまな類型で少量の単純所持を軽罪とする例が増えています。私の手元にある各州の刑事法制をまとめた書籍(Leiter’National Survey of State Laws 6th Edition’大麻法制に関してはpp.214-226)によると、自己使用目的所持の場合を軽罪とするもの(アラバマ州など)、初犯者を軽罪とするもの(アーカンサス州など)、一定量以下を軽罪とするもの(カリフォルニア州ほか多数)と多様な緩和策をみることができます。
カリフォルニアの新法は、こうした潮流をさらに進めて、逮捕されることのない軽い処罰を導入したものですが、上記のNTタイムズの記事が指摘するように、サマチューセッツ州が2009年に導入した制度(Massachusetts Sensible Marijuana Policy Initiative)のように、刑事罰としての罰金を科さずに、民事処分として罰金を命じるといった先例もあります。
なお、コカインやヘロインに関しては単純所持であっても重罪としている州が多く、たとえばカリフォルニア州ではコカイン所持、ヘロイン所持に対する罰則は「州刑務所及び70ドル以下の罰金」となっています。

さて、カリフォルニア州では、11月の中間選挙時に住民投票事項(プロポジション)19が住民投票に付されます。プロポジション19は、これまでの医療用大麻の枠組みを超えて、少量の大麻の所持や栽培を完全に合法化しようとするもので、投票結果がさまざまな分野に影響を及ぼすことになるとみられています。
いよいよ秒読みに入ったプロポジション19について、次回以降で少しずつ考えてみたいと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
カリフォルニアで大麻所持の罰則軽減|2010カリフォルニア大麻論争6 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる