弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 日本の薬物政策NOW|罪と罰・薬物犯罪特集1

<<   作成日時 : 2009/11/24 23:58   >>

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一般の方にはほとんど知られていない『罪と罰』という機関誌があります。日本刑事政策研究会報として年に4回発行される雑誌で、法務省のおこなう刑事政策や犯罪白書と密接に関連した内容を取り上げています。
この雑誌は、ときおり薬物犯罪の特集を組むのですが、最新号(といっても9月に刊行されたものですが)でも、テーマが薬物犯罪でした。掲載された論考のタイトルは
●薬物乱用者処遇の課題と展望 /●薬物問題の現状と警察の対策 /●薬物犯罪の抑止に向けた法務検察の取組について /●薬物犯罪と税関における水際取締り /●薬物乱用とその周辺について /●海上保安庁における薬物の密輸入水際阻止への対策
論考を寄せているのは、警察庁、検察庁、税関、厚生労働省、海上保安庁などで薬物対策に当たっている方たち。
平たく言えば、この1冊で日本の薬物対策の公式見解がまとめてわかる特集というわけです。
画像

日本刑事政策研究会『罪と罰』46巻4号(2009年9月)
機関誌の紹介、購読案内などは下記にあります。
日本刑事政策研究会 http://www.jcps.or.jp/

この小さな1冊は、情報貧国の日本では、ある意味で貴重な資料です。そこで、掲載された各論考を読みながら、日本の薬物政策の現在を考えてみようと思います。

とりあえず今回は、安田 尚之氏(厚生労働省麻薬対策課)の「薬物乱用とその周辺について」を読んで、ちょっと感心したことがあったので、その点について。
同書63−64ページの「最近のトピックについて」のなかで、「大麻の種子に関する国際的な取り組み」という項目があり、高THC大麻の栽培用に改良された種子の国際的な拡散に対して、国際的な取り組みをする必要性に触れ、「我が国は本年3月の国連麻薬委員会において、国際機関が大麻に関する情報を収集・分析して、各国に提供するしくみをつくること、各国は不正目的の大麻の種子の輸出入をしないように努力すること等の決議案を提案し、採択されています(国連麻薬委員会52/5)。」とあります。

この記載を読んで、私はちょっとうれしくなりました。そう、大麻の種子問題は、こうした方向で解決するべきなのです。厳正取締だけで対処するのは下策。国際的な流通を監視し、国内での流通を制約し、規制し、それでもなお禁を犯して栽培してしまった者に対しては刑事手続きをもって対処するのが、あるべき対策だと私は考えています。

この論考を読んだ当時、私はさっそく国連薬物犯罪事務所(UNODC)のサイトで、この決議について検索してみました。
Resolution 52/5 Exploration of all aspects related to the use of cannabis seeds for illicit purposes
決議52/5 「大麻種子の不正目的利用に対する全方面での探索」
http://www.incb.org/pdf/e/narcotics/questionnaires/CND_Resolution-English_52_5.pdf

大麻の不正栽培が各国で問題になりながら、その種子の流通に対して具体的な対策をとることを怠ってきた国際社会が、この決議によって、有効な国際監視ネットワークをつくりあげることに期待します。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
厚労省の麻薬関係の人は一般的には、平衡感覚があります。数人ですが、知っている人がいます。全く別の分野ですが、厚労省は、食品、医薬、福祉、教育、年金及び労働関係と幅広い省です。麻薬取締といえども上部の人たちは異動しており、幅広い知見が必要です。警察や検察は取締一本で、異動も地域だけの異動です。これが、取締方法の硬直化の原因です。

小森先生に水をさすようで悪いですが、警察は厚労省の麻薬関係を熱心でないと見ており、厚労省の麻薬関係は警察系を野蛮だと見ているような気がします。



のら猫
2009/11/25 19:23
>各国は不正目的の大麻の種子の輸出入をしないように努力すること等

”不正目的”の内容と定義は、各国の判断に委ねられるものと考えられます。
各国は、国際条約のもとでの対外的な建前と国内の実質的な規制内容とを使い分けているように見えます。
 わが国においては、大麻取締法第4条によって、国内で大麻の健康影響について研究することさえ禁止されており、先進諸国の中でも大麻に関する規制の実情は、突出して厳しいものとなっています。

このような状況について、人権という観点から小森弁護士は、はっきりと意見を述べることは出来ていません。

非常に曖昧且つ中途半端な態度に見えます。
大麻政策改正機構発起人 野中
2009/12/02 05:52

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