弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 合衆国政府の見解|2009カリフォルニア大麻論争5

<<   作成日時 : 2009/07/28 23:25   >>

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何度も言うように、合衆国政府はあらゆる大麻を禁止し、医療用大麻の特例を認めていません。合衆国政府の見解を表すものとして、麻薬取締局DEAが2003年に発表した『薬物合法化に反対する声明Speaking Out Against Legalization』をとりあげます。合法化を求める意見に反論する形で、DEAの見解を述べたものです。全28ページの資料の、2〜3ページにある「合法化に関する10の事実のサマリー」を私の私的な翻訳で紹介します。
DEA / Speaking Out Against Legalization
http://www.usdoj.gov/dea/demand/speakout/
画像

事実1:我々は、アメリカでの薬物使用及び薬物取引との戦いで大きな成果を収めてきた。今は、我々の努力を捨去る時ではない。
合法化を主張する勢力は、薬物との戦いで勝利することはできないというが、しかしながら、過去20年間で、薬物使用は総合的に3分の1以上の減少をみており、コカイン使用は驚異的にも70%の減少となっている。
アメリカ人の95パーセントは薬物を使っていない。これはいかなる基準に照らしても成功である。

事実2:薬物との戦いでは、予防、取り締まり、トリートメントのバランスの取れたアプローチがキーとなる。
成功する薬物政策は、予防、取り締まり、トリートメントをバランスよく適用するものでなければならない。この3つの局面のすべてが重要である。薬物に足をすくわれる人々のために、非暴力的な薬物使用者に対してトリートメントを提供するドラッグトリートメント・コートのような革新的な取り組みもある。ドラッグトリートメント・コートは任意参加のトリートメント・センターとは異なり、裁判所が監督を行うものである。

事実3:不法薬物は、危険であるがゆえに不法とされている。
ある種の薬物は安全に使用することができるという誤解が広まっている。たとえば、抜け目のない薬物ディーラーは、若者にエクスタシーを売り込むような販売方法を身につけ始めている。合法化団体には、決定的な科学的根拠がないにも関わらず、こうした薬物には医療上の有用性があると主張するものもある。

事実4:喫煙大麻は科学的に承認された薬品ではない。医療用大麻の適法版であるマリノールは、科学的に承認されている。
薬品研究所the Institute of Medicine,によれば、喫煙大麻には医薬品としての将来はまったくない。しかし、医療用大麻の適法で安全なバージョンである処方薬のマリノールは、THCの活性成分を取り出したものであるが、試験が行われ、安全な医薬品として食品医薬品局Food & Drug Administrationの承認を受けている。
ただし、マリノールは資格のある医師から処方してもらわなくてはならず、街角で買うわけにはいかず、喫煙することもできないという違いがある。
訳者註:マリノールについては当ブログ「スパイスと合成カンナビノイドの問題|脱法ドラッグへの警告12」に写真と説明があります。
http://33765910.at.webry.info/200907/article_13.html

事実5:薬物統制のための費用は、合衆国予算のなかでは少額である。薬物乱用や依存がもたらす社会的負担と比較すれば、薬物統制のための行政支出は少ないものである。
合法化団体は、合衆国が反薬物活動に数十億ドルを浪費したと主張している。しかし、薬物依存から救われた子どもたちにとって、これは浪費ではない。さらに、我々の薬物乱用や依存との戦いは進行中であり、他の社会問題と同様に取り扱われるべきものである。問題をすべて解決できないからといって、教育や貧困対策を打ち切るだろうか。薬物乱用や依存がもたらす社会的負担と比較すれば、薬物統制のための行政支出は少ないものである。いま市民の税金を投入しなければ、傷つき苦しむことになる。

事実6:薬物の合法化は、使用の増加と依存レベルの深刻化につながる。かつて薬物合法化を試みたことがあるが、無残な失敗に終わった。
かつて薬物合法化を試みたことがあるが、無残な失敗に終わっっている。アラスカでは、1970年代に合法化を試みたが、州全体で10代の大麻使用が2倍を超える増加となった。その結果、1990年に、住民投票によって大麻は再度犯罪化された。

事実7:犯罪、暴力、薬物は手を取り合っている。
犯罪、暴力、薬物は手を取り合っている。薬物を買うために金をほしがっている者と比較して、薬物の影響下にある者のよって行われた殺人は6倍にのぼる。薬物関連犯罪の大半は、薬物を買う資金を作ろうとして行われたものではなく、薬物を使用した人たちによって行われているのである。

事実8:この国で、アルコールは健康、社会、犯罪に顕著な問題を引き起こしており、薬物を合法化すれば事態はさらに悪化するだろう。
合法化団体は、薬物はアルコールほど危険でないと主張している。しかし、飲酒運転はアメリカ人の主要な死亡原因のひとつである。バスの運転手や看護師、航空機のパイロットなどが、酒を飲んだ翌日に制約なく仕事につくことを我々は望むだろうか。薬物の作用下での運転を付け加えて、飲酒運転のほかに死亡原因を増やすことを我々は望むだろうか。

事実9:よりリベラルなヨーロッパの薬物政策は、アメリカにとって適正なモデルではない。
合法化団体は、薬物問題において「ヨーロッパモデル」がうまくいっていると主張している。しかし、オランダでは大麻を合法化して以来、ヘロイン依存のレベルは3倍になっている。またニードルパークはアメリカにとっては貧弱なモデルである。
訳者註:ニードルパークとは、ハームリダクション政策として、薬物依存者が監視の下で薬物を使用できるよう設けられた施設で、有害で不衛生な環境での薬物使用により、HIV感染などの二次的な害が拡大することを防止するために設けられている。

事実10:非暴力的な薬物使用者の大半は、拘禁刑ではなく、トリートメントを受けている。
合法化団体は、アメリカの拘禁施設は薬物使用者であふれているという。事実は、薬物の単純所持罪によって収容されているのは、連邦刑務所収容者のわずか5パーセントにすぎない。単純所持罪で収容されている薬物事犯者のほとんどは、薬物取引や暴力犯罪などのより重大な犯罪から、司法取引によって適用を引き下げられた者である。

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