弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS ヨーロッパでの大麻栽培|EMCDDAの記事から

<<   作成日時 : 2009/03/19 17:58   >>

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昨日に引き続き、EMCDDA(The European Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction)のサイトで、ヨーロッパの薬物情勢をみておきます。
最新のヨーロッパの薬物情勢をまとめた記事のなかに、「ヨーロッパにおける大麻栽培」というコラムがあったので、その部分を紹介します。引用部分は私の私的な翻訳です。

●欧州での大麻栽培
EMCDDAではEU加盟国からの報告書に基づいて、ヨーロッパの薬物情勢をまとめています。当然のことですが、EU加盟国のなかでも、薬物の法規制は国によって異なり、また取締りの状況にも差がみられます。
記事は、こうした差異があるにもかかわらず、「ヨーロッパ諸国のほとんどが何らかの地域内での栽培と、相当量の大麻草の押収を報告しているという事実からみて、ヨーロッパ全体を通じて、近年、大麻栽培の問題がより重要になってきている。」としています。

続いて、記事は主要国での最近の栽培に関する数字をあげていますが、その数の多さをみれば、確かに大きな問題になりつつあると実感せざるをえません。
「例えば、2005年のフランスでの人口調査は、約200,000人が少なくとも1回は大麻を栽培したことがあると推定している。イギリスでは、2005−2006年の間に、平均して1拠点あたり400本を栽培する大麻栽培場1500箇所が、ロンドンで警察によって閉鎖されたと報告され(Daily,2007)、現在入手可能な乾燥大麻の大半が国内またはヨーロッパ内の他国で生産されたものであるとみられている。またオランダでは、国内のいくつかの地域で大麻栽培が広く行われており、2005年と2006年で合計6000の栽培拠点が解体されたと推定されている。」

さて、この短い記事の最後は、ヨーロッパで大麻栽培が広まった背景について、端的な分析をしてしめくくっていますが、その内容は、そのまま今日の日本にも当てはまるような気がします。
「大麻の生産は、西欧のいくつかの国で、1990年代初頭から中期にかけて激増したが、その原因の一部に、当時もっとも広く消費されていた輸入大麻樹脂の品質の悪さと価格の高さに対する消費者の反応があったといわれる。現在では、ユーザーの大部分が地域内で生産された乾燥大麻を消費して国もあるようだ。国内産の乾燥大麻が部分的に輸入の大麻樹脂と交替した現象は、当時、インターネットを介して、園芸学の知識と技術(収穫を最大にし、捜索を回避する)が広まったことにより可能になった(ハフ他、2003; ヤンセン、2002; センドレイ、1997/1998)。また、地域内で生産される大麻は、生産者にとって、国境を越える取引をする必要がないという利点も持っている。」
EMCDDA  http://www.emcdda.europa.eu/html.cfm/index190EN.html
Cannabis http://www.emcdda.europa.eu/themes/drug-situation/cannabis

この問題、決して対岸の火事で済むことではなさそうです。欧米で大麻栽培の増加が大きな話題になったのは5、6年前からだったと思いますが、摘発や押収は1990年代初期から中期にかけて急増したとのこと。上の記事が示している摘発件数の多さは、その後も問題が沈静化しないまま、大麻の栽培が増加し続けていることを示しています。
わが国では、摘発される大麻栽培が急増しているとはいえ、平成20年では検挙件数274件(検挙人員210人)とまだ限定的なものです。欧米の後を追ってこの数字が急増すれば、大麻をめぐる問題は一気に拡大することになるでしょう。わが国では、密売される乾燥大麻の価格が欧米と比べて著しく高価なことから、営利目的での栽培や密売の増加など、より重大な問題も加速することが予測されます。
若者に安易な大麻栽培をさせないために、今、なにができるかを考えたいものです。

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コメント(1件)

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小森さん、大麻の取り締まりありきで情報を抜書きしていませんか?
欧州での大麻栽培を論ずるならば、その前提となっている大麻の取り締まり状況や合法化論議を紹介しそちらの事情も分析しないと不公正じゃないですか?
これじゃ「ダメ。ゼッタイ。」と根拠が不透明な情報を垂れ流しているどこかの組織と同じですよ。
あお
2009/03/22 21:38

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