弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS もしかして、うちの子も大麻?|親のための大麻講座4

<<   作成日時 : 2009/02/20 23:07   >>

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Q4
息子は、大麻には害がないといい、外国の公式な研究機関でもそう発表していると主張します。私にはどうも信じられないのですが?


A4
一昔前まで一般に大麻の影響といわれてきた症状のうち、研究の結果、大麻との関連性が否定されたり、断定できないとされたものがあります。しかし、信頼される公的機関の研究で、大麻に害がないと結論付けているものは、ないはずです。大麻は決して無害ではありません。



大麻の作用に関する多くの研究のうち、私はそのごく一部を読んでいるに過ぎませんが、大麻に害がないとか、安全だとしているものに出会った記憶はありません。それにもかかわらず、「大麻は無害」、「たいした害はない」と思っている人が多い理由について、考えてみたいと思います。

薬物乱用を防ぐために、私たちはとかく、薬物の害を強調して伝え、若者を脅して、その好奇心を抑制しようとしてきました。大麻に関してもそうです。昔は、大麻は人を豹変させて背徳行為に走らせる、悪魔の薬といわれたこともあります。また、凶暴性を引き出す、犯罪の温床になる、無気力になるなどともいわれました。こうした指摘には何らかの理由があるのでしょうが、科学的な分析に基づくものではなかったようです。

1970年代から80年代にかけて、欧米では、若者を中心に大麻の使用が急増した時期があり、大麻をめぐってさまざまな議論が活発化しました。そのなかに、大麻の影響を科学的に検証しようという動きもあったのです。徹底的な実験や大規模な調査が行われました。その到達点のひとつといわれるのが、WHO(世界保健機関)1997年に発表した「大麻:健康上の観点と研究課題Cannabis:a health perspective and research agenda」という報告書です。(この報告書について次回でさらに説明します。本文はWHOのサイトに掲載されています。http://whqlibdoc.who.int/hq/1997/WHO_MSA_PSA_97.4.pdf
その後、多くの科学的な研究が積み重ねられ、今日では、大麻の影響についてかなりのことが解明されてきています。

ところで、こうした科学的な検証の過程で、それまで大麻に関していわれてきた俗説のなかには、否定されたり、疑問視される結果になったものがあります。また、大麻の害のひとつとしてよくあげられる無動機症候群のように、議論の的になっているものもあります。この症候群が大麻使用と関係しているのか、あるいは大麻の使用とは無関係な性格的特徴を反映しているのかが議論されているのです(ベンジャミン・J. サドック編井上令一ほか訳『カプラン臨床精神医学テキストDSM‐IV‐TR診断基準の臨床への展開』470頁、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2004)。

こうした議論は、それまで大麻を覆っていた脅しや誇張といった仮面をはがす効果を生み出しました。これまで大麻についていわれてきたことは神話にすぎないという空気が生まれ、若者のなかには安直に「大麻は無害」と受け止める向きも出てきたのです。

国連薬物犯罪事務所の報告書は次のように言っています。「大麻に関する初期の資料が、現在では不正確なものだと考えられているのは事実であり、さまざまな国での一連の研究が、大麻に向けられた非難の多くを晴らした。しかし最新の研究は、振り子は逆方向に大きく動きすぎたかもしれないと示唆している。大麻に関連した重大な精神保健上の影響があり、そのなかには依存の顕著な危険や、精神疾患の増悪や蓄積、急性の偏頭痛エピソードなどが含まれる。これらのリスクは、少年期に大麻使用を開始した者ではさらに高くなるようだ。毎年、数千人が大麻使用に関連した問題のために医療を求めており、この数は増加しているようだ。大麻は、よく言われるような無害なハーブではなく、真剣に受け止めるべき精神作用物質なのである。」(国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

さて、私たちの前には、誇張や曲解を取り除いた、真実の大麻があります。そこに含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)などの成分は、使用者の精神や身体機能に作用を及ぼします。大麻は安全でも、無害でもありません。これがもたらすリスクについて、わかりやすく若者に伝える知恵を私たちは持たなければならないのです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私が20代のころ 友達が大麻で逮捕されました・・・
親御さんはその後、息子さんを精神病院へ無理矢理おしつけました。
息子さんはショックで自殺してしまいました。
未だに私もショックです。
もう少し、向き合ってくれれば・・・
大麻は決して無害ではありませんが、
親御さんへ恐怖をうえつけるのはどうかと思います。

今は中年、会社員
2009/02/21 00:02
格差社会がこれほど深刻になってくると、薬物による現実世界からの逃避は必然だと思います。
司法、行政、政治、マスコミは、いつだって恵まれた世界から、弱者を叩く。
彼らは反逆の牙を取られて、絞り出す声は風に舞っている。
くだらない世の中にうんざりしても、生きていかなければならない。
誰にも迷惑をかけず一人ドラッグの世界で満たされる。
この世に無害なものなどありません。
要するにメリットとデメリットを良く知って楽しむことです。

私も覚せい剤で逮捕され、執行猶予判決が下りた後、この先、覚せい剤を絶つことに絶望して自殺しました。
3日間の昏睡状態のあと目を覚ましました。

とにかく、被害者のいない犯罪に刑罰が重すぎる。
逮捕という事実で、被疑者が甚大な被害を受けるのが薬物事犯です。
mos.
2009/02/23 10:44

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