弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻取締法改正論を批判する―その4

<<   作成日時 : 2008/12/04 23:08   >>

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■大麻の種子を大麻として取り締まる必要があるのか
4、現行法では、何ができないのか

「大麻取締法の規制が及ばないために、大麻の種子を取り締まることができない」と言うひとがあるようです。しかし、現行の法制で大麻の種子が規制できないわけではありません。まず、現行の法律がどこまで適用できるかを考えてみましょう。

まず、種子をひとたび播種すれば、大麻の栽培に着手したとして、大麻取締法違反に問われることになります。栽培とは播種から収穫までの育成行為をいい、播種がなされた後大麻が生育している間は犯罪が継続し、これを刈り取るなどの行為によりその生育を終了させた時点で犯罪は終了します。播種する前の準備段階は、栽培の予備となります。大麻取締法は犯行の予備を処罰する規定をもっていますから、栽培の準備行為を処罰することに困難はありません。
いっぽう、大麻の種子を提供する行為は、栽培の共犯、つまり幇助(ほうじょ)ととらえることができます。実際、今年にはいって、大麻の種子の販売業者を栽培の幇助で検挙する例が続いたことを記憶しておられる方も多いでしょう。
さらに、栽培が準備段階にある場合、種子を提供した共犯者に対する処罰がごく軽いものになってしまうおそれがあるため、これを独立した罪として重く処罰するために設けられた規定が、資金等提供罪と呼ばれるものです。栽培や輸入などに使われると知っていながら、そのための資金や道具、設備などを提供した共犯者が、軽い処罰で済まされてしまうことがないようにと、わざわざ独立した規定を設けているのです。

また、大麻の種子を取り締まる法律は、大麻取締法だけではありません。現在出回っている大麻の種子のほとんどは外国から輸入されたものですが、大麻の種子は、輸入する際に、加熱等によって発芽不能の処理をして通関するよう義務付けられており、こうした手続きを経ずに輸入すれば、関税法違反に問われます。個人が、ごく少量を輸入する場合でも、手続きは同じです。

たしかに、ひとたび輸入されたものが転売されたりしていく過程に関しては、現行法が及ばないところはありますが、大麻の種子の流れのほとんどが、現行の法令で規制しうることがあきらかになるでしょう。

では、なぜ「現在の法では取締りがむずかしい」という声があがるのか。次回はこの点を考えてみます。

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