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誰が何を主張しているのか不明なまま、「大麻取締法改正論」のようなものが広まり始めています。@大麻草の種子を大麻取締法の規制対象とするべきである。A大麻取締法に使用罪を設けるべきである。という主張のようです。 しかし、いずれも乱暴な主張であると思います。 私は、現在、大麻乱用の拡大傾向が示されていることに危機感をおぼえており、早急に、総合的な対策を投入しなければならないと考えています。しかし、上のような法改正が解決策であるとは思えません。 まず論点の@大麻草の種子を大麻取締法の規制対象とするべきである。とする主張について、批判的な検討を加えています。 仮に、いまこの規定を変更するとしたら、どんな混乱があり、どんな利益があるのかを具体的に考えてみましょう。 ■大麻の種子を大麻として取り締まる必要があるのか 2、規制対象から除外している理由 大麻の法規制に当たって、考慮されなければならないのが、繊維をとるための成熟した茎と、食品や鳥のえさに使われる種子です。仮に、農産品としてさまざまなところで使われる茎や種子が、大麻草と同じように法規制の対象となっているとすれば、流通や加工の各段階できわめて面倒なことが起きてきます。 たとえば、医療に用いられる麻薬の場合を考えてみましょう。モルヒネやコデインなどは医療や製薬に欠かせないものですが、麻薬として厳格に管理されています。輸入、流通、保管、使用の各段階で厳重に管理し、記録を残し、報告をしなければなりません。大麻草の茎や種子を規制対象として扱うとするなら、原則として、麻薬の場合と同じような管理が要求されることになるでしょう。 実際、大麻取締法が制定された当時は、大麻の種子を規制対象から除外する規定がなく、除外されていたのは発芽不能のものだけで、発芽能力のある種子は規制対象とされていました。そのため、大麻草を栽培する農家は、毎月、売買した種子の数量、月日及び相手方を報告するよう義務付けられていたのです。また、大麻草やその種子を売買する際には、相手方に証紙を公布しなければなりませんでした。さらに、大麻草や種子を買い受けた人は、公布された証紙を5年間保存しなければならなかったのです。現在、麻薬を取扱う際に定められているのと、基本的に同じ、厳格な管理が義務付けられていたのです。これは、栽培農家にとっても、種子を買い付ける業者にとっても大変な負担でした。 そのため、何度も法改正を繰り返し、煩雑な手続きを少しずつ軽減し、昭和28年には、実質的に大麻草の種子に関する規制が廃止されました。これが、大麻草の種子を規制から除外してきた足取りです。 なお、あへんを採取するためのけしを管理しているのはあへん法ですが、食品材料として広く使われるけしの実は、あへん法で、規制対象から除外されています。除外の理由は、大麻の場合と全く同じと考えてよいでしょう。仮に、大麻の種子を規制対象とするなら、法律の整合性から、あへん法におけるけしの種子に関する規定も、変更することになります。 大麻の種子を大麻取締法の規制対象とするなら、原則として、大麻の種子、けしの種子の取扱に、こうした手続きが復活することになります。大麻もあへんも、厳格に管理しなければならない薬物なのですから。 |
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