弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS カナダの産業用大麻政策を考える―その2

<<   作成日時 : 2008/12/20 05:08   >>

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カナダは、産業用大麻の栽培を許容しています。カナダ保健省(Health Canada) のホームページにあるRegulatory Impact Analysis Statementという記事を通じて、カナダの大麻規制政策を考えてみようと思います。
Health Canada > Drug and Health Products> Regulatory Impact Analysis Statement
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/pubs/precurs/rias1089/international-eng.php

●産業用大麻の定義
規制薬物・物質法の下に設けられた、産業用大麻取締規則(Industrial Hemp Regulations)では、産業用大麻を次のように規定しています。
「『産業用大麻』とは、カンナビス属植物及びその部分で、その葉と花穂が0.3%を超えるTHCを有しないものをいい、その植物の派生物及びその植物の部分を含む。また、発芽不能の種子の派生物を含む。カンナビス属植物の発芽不能の種子(その派生物を除く)、及び葉、花、種子、小枝を含まない成熟した大麻の茎、並びにそれらの茎から取り出した繊維を主なものとするその植物の部分は、産業用大麻に含まれない。」
"industrial hemp" means the plants and plant parts of the genera Cannabis, the leaves and flowering heads of which do not contain more than 0.3% THC w/w, and includes the derivatives of such plants and plant parts. It also includes the derivatives of non-viable cannabis seed. It does not include plant parts of the genera Cannabis that consist of non-viable cannabis seed, other than its derivatives, or of mature cannabis stalks that do not include leaves, flowers, seeds or branches, or of fibre derived from those stalks.

法文は複雑に見えますが、わかりやすくいうと、カンナビス属植物で、その葉と花穂のTHCが0.3%以下のものであれば、その植物のあらゆる部分とそれから生み出される派生物は、すべて産業用大麻であるということです。
ただし、もともと規制対象でなかった発芽不能の大麻の種子や成熟した茎、成熟した大麻の茎から取り出した繊維については、産業用大麻として管理されません。大麻草とその製品(派生物)のうち規制薬物・物質法で規制対象外とされているのは、次の通りです。
・発芽不能の大麻の種子(ただしその派生物は規制対象)
・葉、花、種子、小枝を含まない成熟した大麻の茎
・成熟した大麻の茎から取り出した繊維
これらは、そもそも法規制の対象になっておらず、とくに「産業用大麻」として管理する必要はないわけです。上の法文では、「産業用大麻に含まれない」とされています。

さて、ここで問題になるのが発芽能力のある種子です。上の法文からは、これも「産業用大麻」に含まれていることになります。そこで、この規則をもう少し読み進めると、次の記載がみつかり、発芽能力のある大麻の種子は確かに産業用大麻として規定されていることがわかります。

「『発芽能力のある穀物』とは、産業用大麻植物の果実で、植物を栽培するために表示され、販売され、用いられるものではなく、加工するために用いられるものをいう。」
"viable grain" means a viable achene of an industrial hemp plant, not represented, sold or used to grow a plant, that is used for processing.
「『加工』とは、種子、発芽能力のある穀物、あるいは発芽不能の大麻の種子に関しては、これを整え、圧力を加え、また、種子あるいは発芽能力のある穀物の場合は、発芽不能処理をすることをいう。」
"process" , in respect of seed, viable grain or non-viable cannabis seed, includes conditioning it, pressing it or, in the case of seed or viable grain, rendering it non-viable.

発芽不能処理をした種子は「発芽不能の大麻の種子(non-viable cannabis seed)であるのに対し、発芽能力のある大麻の種子は、「発芽能力のある穀物(viable grain)」と記載されていますが、この表現に違いの理由は、私にはまだわかりません。種子や耕作に関連した他の法令との関係があるのかもしれません。

低THCの産業用大麻から採取された種子は、産業用大麻として、一定の条件の下で輸入、輸出、販売、所持などが可能になります。ところが、低THCの産業用大麻から採取された種子でも、それを播種して生育する大麻草は、必ずしも低THCのものに育つわけではありません。栽培条件などによっては、マリファナ用の大麻草にもなりうるのです。そこで、発芽可能の種子に関しては、産業用大麻のなかでもとくに細かい規則が定められることになります。

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