弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻事犯と青少年――昭和の大麻事犯1

<<   作成日時 : 2008/11/08 23:45   >>

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大麻取締法は昭和23年に制定されましたが、当時の日本には精神作用を求めて大麻を乱用することは見られませんでした。大麻取締法が施行されて以来、同法違反のほとんどは、、繊維目的での大麻草の不正栽培事案でした。免許を持たない農家が大麻草を栽培したり、許可された面積などの条件を超えて栽培したりというケースで、いわば、行うべき手続きを怠ったような形式犯でした。乱用事犯は、ときおり、米軍関係者などでみられる程度でした。

それが変化し始めたのが、昭和40年代です。昭和43年ころから大麻取締法違反が増え始め、しかも、繊維目的での栽培違反より、密輸や所持などの乱用事犯がはるかに多いという状況が現れ始めたのです。昭和44年の大麻事犯(受理人員)は456人です。
昭和45年の犯罪白書から引用します。
「大麻取締法違反にあっては,大麻草の不正栽培事犯の割合が,二五・六%にとどまっており,検挙人員の約四分の三が,大麻たばこ等の密輸入,所持等の事犯である。また,栽培違反を除く同法違反の検挙人員中,日本人の占める割合は,昭和四二年,四三年の両年において約二五%であったのに対し,昭和四四年には,その割合が五一・二%に増加しており,一方,麻薬取締法違反や,後に触れる覚せい剤取締法違反にあっては,検挙人員中少年の占める割合が三%以下であるのに対して,大麻取締法違反では,栽培違反を除く検挙人員の一二・六%が,少年によって占められていることが注目されるところである。」(昭和45年版 犯罪白書 第一編/第二章/二/4)

その後、昭和50年代に向かって大麻事犯の顕著な増加が続き、昭和51年に1,000人を突破します。ただし、この時期は、覚せい剤事犯と少年を中心とした毒劇法違反(シンナー等有機溶剤乱用)が急増した時期で、その陰に埋没してしまった感がありますが、同時期に大麻乱用も拡大していたのです。
昭和54年の犯罪白書に、次の指摘があります。
「大麻取締法違反による検察庁新規受理人員は,かつて数十人ないし二・三百人程度にとどまり,しかも,その多くは,繊維をとるための麻の栽培にかかわる形式的な手続規定違反であったが,昭和40年代に入り,受理人員は漸増を続け,51年には1,000人を超え,53年には1,658人となり,内容的に見ても,吸引目的の大麻の所持,譲渡,譲受等の実質事犯が多くを占めるようになった。しかも,違反者も,当初は,米軍関係者や基地周辺の者に集中していたが,最近では,芸能人やいわゆるヒッピー族などから,更に広範囲の青年層,一般市民層にまで広がりつつある。特に,その吸引による幻覚作用は,社会の一部にうかがわれる逃避的・享楽的傾向とも結びついて事犯増大の原因になっているとも考えられ,その今後の動向には注意を要するものがある。」
「近年,社会にうかがわれる享楽的風潮が一般国民の薬物に対する警戒心を薄れさせ,安易な興味を引き立たせていることなどに要約されよう。大麻事犯についても,青少年層,ひいては一般国民の間における享楽的傾向との関連が指摘されている。」(昭和54年版 犯罪白書 第4編/第1章/第3節)

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