弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻の種子と法規制――再度のまとめ

<<   作成日時 : 2008/11/14 21:45   >>

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インターネットなどで大麻の種子が販売されており、これを入手した若者が大麻の栽培をする例が相次いでいることから、大麻の種子の取り締まりが手ぬるいのではないかという声が、ときどきメディアを賑わしています。
しばしば、この点に関して意見を求められるので、改めて、ごく簡単に整理しておきます。

大麻取締法は、大麻草の成熟した茎と、大麻草の種子を規制対象から除外しています。その背景は、当ブログでも説明したように、産業用に使われる大麻の種子があることから、その取扱に支障をきたさないよう、種子を規制対象から除外しているわけです。

大麻取締法が種子を規制していないことから、市販される大麻草の種子を「合法」という人がありますが、決して「合法」ではありません。

現在出回っている大麻草の種子のほとんどは、外国から輸入されたものですが、この輸入手続きにおいて、大麻草の種子は、過熱などによって発芽不能処理をすることを義務付けられているのです。具体的には、加熱処理等によって発芽不能処理を施したものであることの証明書(地方厚生局麻薬取締部が交付する)を税関に提出して、輸入が許可されます。発芽不能処理を施さずに大麻の種子を輸入すれば、関税法違反(無許可輸入)に問われることになるわけです。つまり、所定の手続きを経ない「密輸」ということになります。個人的に少量を持ち込む行為や、個人輸入の場合も同じです。

以下は、私の個人的な意見です。
大麻草の種子が出回り、栽培に手を染める若者が増えていることは憂慮すべき事態です。しかし、この問題の解決には、踏むべき順序があると私は考えています。優先させなければならない事項を思いつくままに挙げてみます。
1、大麻の種子が決して「合法」ではないことを広く知らせる。
2、大麻の栽培がなぜ禁止されるているのか、若者に伝える。
3、若者の周辺にいるおとなが、大麻や大麻草に対して関心を持って、若者の逸脱行為に注意を払う。
4、栽培の予備、ほう助、教唆など現行の大麻取締法の適用範囲を検討する。

さらに、マクロな視野に立つなら、国際的な監視・規制のネットワーク構築を通じて、大麻の種子問題に取り組むことが不可欠です。
上記に挙げた項目の、どれをとっても極めて不十分な現況で、大麻取締法を改正して種子を規制せよという意見には、私は賛成できません。

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少し古い記事ですが、読売新聞のサイトの8月10日付けの記事に、'「大麻」産業化に法律の壁、北見の特区苦戦'というものがあります。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090810-OYT1T00025.htm?from=nwlb
この記事の中に、’発芽できる種子の輸入は大麻取締法で禁じられている。’という表現がありますが、関税法違反(無許可輸入)の誤りですよね。
「読者センター」に電話して伝えたのですが、一向に訂正されません。
野中
2009/08/23 14:15

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