弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 印度大麻越幾斯―明治24年版改正日本薬局方

<<   作成日時 : 2008/10/26 23:54   >>

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週末の一日をかけて、戦前の日本薬局方の資料を探していました。国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」で古い日本薬局方の蔵書が画像として公開されているので、これを1ページずつめくって探すわけです。主な探し物は、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)です。

ついでに、「大麻エキス」や「阿片エキス」も探してみました。古い国会議事録を読んでいて、戦前の日本薬局方に「大麻エッキス」というものが載っているという記述があったことを思い出したのです。
日本薬局方が初めて公布されたのは明治19年のことですが、「近代デジタルライブラリー」で公開されているなかで、最も古いものは明治24年の「改正日本薬局方」です。この索引をみていくと、ありました。「印度大麻越幾斯(エッキス)」「印度大麻草」ついでに「阿片」「阿片丁幾(チンキ)」「阿片越幾斯(エッキス)」・・・。明治の薬典がどのように記述しているか、興味津々で読んでみました。
越幾斯(エッキス)や丁幾(チンキ)は、薬用植物の成分を有効に濃縮する技術で、かつての代表的な調剤方法でした。最初の日本薬局方を作成するにあたって、ドイツ薬局方、オランダ薬局方を参照したそうですが、そういえば、20世紀初頭のヨーロッパでは、阿片と並んで印度大麻も、代表的な製薬材料だったという論文をどこかで読んだ記憶があります。日本薬局方に記載された「印度大麻越幾斯」や「阿片越幾斯」は、当時のヨーロッパのレシピかもしれません。
ともあれ、一部分を書き写します。原文は漢字とカタカナの表記ですが、カタカナをひらがなに、旧字を現代の文字に改めています。出典は三上春豊編『改正日本薬局方』明治24.5、(国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」収蔵)です。http://kindai.ndl.go.jp/index.html

印度大麻草
Herba Cammabis Indicae.  Cannabis sativa Linn.
印度大麻草は印度北部に於て其果実稔熟の初期に当り採集せる帯花枝尖にして多くは雌性なり其分葉は狭くハ鍼状をなし粗き鋸歯を有し両端に向て殊に狭隘となり間樹脂様の物質に由て穂本に粘着す臭気は峻烈麻酔性味は微に苛辣なり
本品は緑色なるを可とす又茎並に果実を混有するも僅微に過く可からす
注意して貯ふへし (同書169-170頁)

印度大麻越幾斯
Extractum Cannabis indicae.
印度大麻越幾斯は
印度大麻草粗末           一分
を取り
酒精                五分
を注き六日間冷浸し濾漉し又其残滓に
酒精                五分
を注き三日間冷浸し濾漉し漉液を合し濾過し蒸発して●(のぎへんに周)厚越幾斯となし製すへし
本品は黒緑色にして酒精には澄明に溶解し水には溶解せす
注意して貯ふへし (同書119-120頁)

阿片越幾斯については、次回に。

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