弁護士小森榮の薬物問題ノート

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help リーダーに追加 RSS 日本の薬物政策の歴史―対中国侵略と阿片問題の予習

<<   作成日時 : 2008/10/11 23:41   >>

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日中戦争期から戦後にかけての麻薬事情を理解するために、予習をしています。まず、現在のあへん事情の概要。参照し、また文章やデータを引用したのは、医療用麻薬に関しては、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課編『麻薬・覚せい剤行政の概況 2007年12月』7〜15、23〜25頁。不正麻薬に関しては、国連薬物犯罪局(UNODC)編『2008年版世界薬物報告書』(http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2008.html)です。

けしから採取するあへんは、モルヒネやコデインなどの原料として、医薬品に欠かせない素材です。あへんを原料とする麻薬には、疼痛を抑えるモルヒネやコデインなどがありますが、医薬品の原料としてもっとも広く使われるのはリン酸コデインやリン酸ジヒドロコデインで、医師が処方する薬品のほか、薬局で買う総合感冒薬にもごく少量が含まれています。
しかし、あへん系の麻薬は、乱用薬物としても広まっています。生あへん、ヘロインなどはもっぱら乱用目的で流通し、また、乱用目的で密造されるあへんアルカロイド系の麻薬もあります。

世界のあへんの生産
●医療用に使われるもの
あへんアルカロイド系麻薬は、けしから採取します。典型的には、けしの朔果(けし坊主)からあへんを採取し、これを製薬の原料にするのですが、ほかに、けしの全草、または成熟したけしの朔果から抽出したCPS(けしがら濃縮液)を生産し、これを製薬原料とする方法もあります。
2005年現在では、あへんを生産しているのはインド、中国、日本で、総生産量は345トン。正規のあへん生産では、世界最大の生産国はインドで、2005年には332トンを生産しました。2005年の日本のあへん生産量は2キログラムです。CPSを生産しているのは、オーストラリア、トルコ、フランスなどで、2005年の総生産量は601トンです。
画像

図は厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課編『麻薬・覚せい剤行政の概況 2007年12月』15頁から。
クリックで拡大します。

●不正麻薬として生産されるもの
不正けしの主な栽培地域はアフガニスタン、ミャンマー、ラオスなど。栽培状況は、衛星監視システムなどで監視されていますが、2006年ころからアフガニスタン南部でけしの栽培面積が拡大し始めています。世界の不正あへんの生産量は、2007年では8,870トン。アフガニスタンが世界のあへん生産の92%を占めています。

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