弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 大麻取締法の生い立ちを考える・その15−大麻取締法の改正

<<   作成日時 : 2008/10/01 01:43   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

1977年(昭和52年)、大麻取締法違反の検挙人員が1,000人を超えました。わが国が迎えた、大麻乱用拡大の第1波です。S.52年(1,096人)、S.53年(1,253人)S.54年(1,314人)と検挙人員は増加していきます。なお、第1波は平成5〜6年には2,000人を超えてピークを迎えました。第2波は、平成14年ころからの顕著な増加で、平成18年には過去最高の2,423人となっています。
画像

法務総合研究所編『平成19年版犯罪白書』118頁より 
クリックでグラフが拡大します

1948年(昭和23年)に大麻取締法が制定された当時、わが国では大麻乱用の問題は確認されていませんでした。それから30年後の1970年代になって、欧米の影響を受けて、わが国でも大麻乱用がみられるようになりましたが、その広まりは限られたものでした。大麻乱用が本格的に拡大し始めるのは、1970年代後半になってからです。

ようやく本来の役割を果たし始めた大麻取締法は、1990年代に、国際的な薬物規制策と連動した改定を経ることになります。
薬物乱用問題の解決には国際的な協力が不可欠で、わが国を含む世界各国は、国連を基盤とする国際条約によって薬物問題の解決にあたっていますが、その基本となっている3つの国際条約のうち、「向精神薬に関する条約」に対応した法律の一部改定が平成2年に行われ、また、「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」に対応した改定が平成3年に行われました。

現在、国際的な薬物統制の規範となっている3つの条約について、簡単にまとめます。
@1961年の麻薬に関する単一条約
1961年採択。この条約は、それまで各国が個別に締結していた多数の国際条約、協定等を一本にまとめたもので、麻薬に関する国際的な規範となっています。主な規制の対象は、麻薬、あへん、大麻。
A向精神薬に関する条約
1971年採択。上記の単一条約が規制対象としている物質以外の、幻覚剤、覚せい剤、鎮痛剤、睡眠薬、精神安定剤等の乱用薬物について国際的な統制を図るために締結。
B麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約
1988年採択。上記の2条約が規制する麻薬、向精神薬の不正取引を取り締まることを目的に、麻薬等の不正取引に由来するマネーロンダリングの処罰、不正収益の没収、コントロールドデリバリー、麻薬等の原料物質の監視・規制措置などを定めています。

さて、これら条約を批准したことによって、平成2年と平成3年に大麻取締法が改定されましたが、その主な内容は、つぎのようなものです。なお、この改定は、大麻取締法だけに限らず、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法など薬物を規制する各法律で、ほぼ同じ趣旨の改定がされています。
@大麻に関する広告を禁止し、違反に対する処罰を定めた(医学や科学的なものを除く)。
@営利犯に対して、より重く処罰する規定が設けられた。
A国外犯を処罰することに関連して「みだりに」の表現が追加された。この点については、いずれ別項で説明したいと思います。
B資金等提供罪として、大麻の栽培に用いると知っていて資金や建物、設備、器具等を提供することに対する処罰を規定した。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
債務整理と弁護士
「債務整理弁護士」といっても、それぞれの弁護士さんの実力もあるようです。債務整理弁護士の手腕の見せ所は、どれぐらい過払い請求を通してくるかということと、悪徳業者との間で話をつけてこられるかということです。 ...続きを見る
僕でもわかる
2008/10/01 06:27

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
大麻取締法の生い立ちを考える・その15−大麻取締法の改正 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる