弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻取締法の生い立ちを考える・その2―GHQの対日指令

<<   作成日時 : 2008/09/09 00:08   >>

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昭和20年(1945年)9月に日本に進駐した連合国軍最高司令本部(GENERAL HEADQUARTERS SUPREME COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS :GHQ)は、占領下の日本を直接統治せず、日本政府を介して間接的な統治を行いました。GHAは日本政府に対して要求事項を覚書(メモランダム)という形で伝え、これを受けて日本政府の各省庁が省令や告示を発して、行政機構に通達したのです。

連合国軍が日本を統治する際に、気にかけていたことのひとつが、満州の日本軍が関与した大量のあへんの存在だっただろうと、私は推測しています。日本国内にも、そのあへんが持ち込まれ、大量に隠匿されているのではないかと、考えるのは当然でしょう。対日指令文書の中に、「日本陸軍が保有していた麻薬」ということばが何度か登場しているのです。麻薬は、金と同じように国際的に流通し、莫大な資金をもたらします。満州のあへんは、日本陸軍の資金源のひとつであったといわれています。連合国軍は、日本を麻薬に関して潔癖な環境に保つ必要があったわけです。

連合国軍が統治を開始して間もない昭和20年(1945年)10月12日に、連合国軍高級司令官H.W.アレン大佐の名で、「日本における麻薬の生産及記録の統制に関する件」という覚書が出されています。

日本に於ける麻薬の生産及記録の統制に関する件(1945年10月12日)
一、麻薬の種子及び草木の植付、栽培を禁ぜらる、現在植付られ、栽培せられ居る此等のものは直ちに除去すべし、且つ除去せられし量、日時、方法、場所、土地の所有権を連合国軍最高司令部へ三十日以内に届出づべし
二、連合軍最高司令官の許可なくして、何人たりとも麻薬の輸入は禁ぜらる
三、麻薬の輸出並に製造を禁ず
四、麻薬の原料、未完成品、或は喫煙用の麻薬の全ストック、コカインの原料及び未完成品、ヘロイン及びMarijuana(Cannabis Sativa L.)を凍結す、且つ連合国軍の許可なくして移動、除去、使用或は売却、此等に関する書物及び記録を禁ず
五、麻薬の取扱に関する総ゆる現存記録は保存し置くべし
六、定義
A、麻薬とは阿片、コカイン、モルヒネ、ヘロイン、Marijuana(Cannabis Sativa L.)及び此等の種子、草木、総ゆる派生品、混合物或は編成品を含む
B、ヘロインはその総ゆる派生品、合成品、塩、混合物、或は調製品を含む
C、人とは医師、商人、薬剤師、政府専売者、及び他の総ゆる人保管所、合名会社、株式会社、有限責任会社、協会、此等に就いて総ゆる責任者を含む
最高司令官代   高級副官   H.W.アレン大佐

ここで、マリファナだけがMarijuana(Cannabis Sativa L.)と表記されていることは、注目に値します。このメモランダムに接した当時の政府関係者(厚生省の麻薬担当官僚)は、マリファナという語が大麻をさすと、理解しなかったのでしょうか。それとも、知らないふりでとぼけていたのでしょうか。
実は昭和20年よりずっと以前に、わが国はすでに大麻を麻薬として規制しています。1925年ころに国際条約で大麻が麻薬に指定され、当時、この条約を批准したことに伴い、わが国は国内法で大麻を「印度大麻」として麻薬に指定していたのです。
当時の官僚の考えはわかりませんが、少なくとも一般大衆は、全国で栽培されていた大麻が、条約がいう印度大麻と同一の麻薬原料植物だとは考えていませんでした。

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