弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻取締法の生い立ちを考える・その11−昭和22年の大麻の栽培状況

<<   作成日時 : 2008/09/22 21:50   >>

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昭和22年(1947年)4月に「大麻取締規則」が施行され、免許を持つ者に大麻栽培が許可されます。同規則は、大麻栽培者に毎月の報告を求めていますが、その最初の集計が、同年6月に発表されました。当初計画されたのは、栽培面積約5,000ヘクタール、栽培者約3万人というものでしたが、実際にスタートした時点では、栽培面積約3,800ヘクタール、栽培者約35,000人と、想定を下回る小規模な栽培が中心となった様子がうかがわれます。

GHQ公衆衛生福祉局のWEEKLY BULLETINの記載を引用します。
GENERAL HEADQUARTERS SUPREME COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS PUBLIC HEALTH AND WELFARE SECTION WEEKLY BULLETIN
杉田聡氏による復刻版(http://www.rekishow.org/GHQ-PHW/)に基づき、私が日本語訳したものです。

○1947年6月29日−7月5日(第27号)
マリファナ(大麻)栽培記録の最初の報告は以下のとおり。
1、栽培面積(ヘクタール) 3,771.38
2、栽培区画          115,051
3、登録栽培者         34,998
報告の時点で大麻取締規則の違反は記録されていない

○1947年8月30日−9月6日(第36号)
1947年7月の大麻報告書によれば、登録者の合計は34,833名、報告日までに1名の登録者と81名の非登録者が大麻の不法栽培を犯した。報告日までに有罪となったのは、登録者にはおらず、非登録者は2名である。

○1947年10月5日―10月11日(第41号)
8月の大麻報告書は次のとおりで、登録した者で有罪となった逮捕者はない。
非登録者
 逮捕者 10
 有罪   3
日本の裁判所が科す罰金は、200円から2000円の範囲である。

大麻取締規則が規定する違反行為のうち、主に取り締まりの対象となったのは無許可栽培で、免許を受けた大麻栽培者が登録内容と異なる場所などで栽培した例や、免許を受けずに大麻を栽培して検挙された例があります。大麻取締規則は、違反者に対して懲役刑を含む罰則を定めていますが、実際に科されたのは罰金刑だったようです。
この時期の大麻栽培違反に関する裁判の資料は見つけていませんが、昭和23年、24年(1948、1949年)ころの裁判の資料があります。最高裁判所事務総局刑事局編『刑事裁判資料』の第28号(昭和24年6月発行)、第45号(昭和25年3月)の2冊です。この資料は、当時激増していた麻薬関係事件の量刑の参考にするために作成されたもので、日本の全裁判所で行われた麻薬関係事件の結果一覧を関係法規などと共にまとめた資料集です。
これによると、大麻取締規則違反及び大麻取締法違反の事案は簡易裁判所で審理されています。いくつか例をあげてみましょう。
○京都簡易裁判所 昭和23年12月3日 大麻種子1石2斗を不法販売  罰金2,000円
○柏原簡易裁判所 昭和24年11月18日 畑約5坪で大麻栽培  罰金3,000円
○大洲簡易裁判所 昭和24年7月28日 大麻草956本を栽培  罰金1,000円

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