弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻取締法の生い立ちを考える・その7−大麻取締規則

<<   作成日時 : 2008/09/17 21:10   >>

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昭和22年(1947年)2月11日、GHQより「繊維を採取する目的による大麻の栽培に関する件」という覚書が出され、同年4月23日、その内容が国内法令として整備され、昭和22年厚生、農林省令第1号「大麻取締規則」として公布されます。
対応する国内法令の整備について、期限が定められていたにもかかわらず、覚書から2ヶ月あまりの時間を費やした理由について、前回も引用したWEEKLY BULLETINにヒントが見つかりました。
引用は、GHQ公衆衛生福祉局のWEEKLY BULLETINより
GENERAL HEADQUARTERS SUPREME COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS PUBLIC HEALTH AND WELFARE SECTION WEEKLY BULLETIN
紹介するのは、杉田聡氏による復刻版(http://www.rekishow.org/GHQ-PHW/)に基づき、私が私的に翻訳したものです。

○9 March – 15 March 1947   Number 11
SCAP麻薬管理官は、日本政府の麻薬及び農業担当、繊維目的でカンナビス・サティバ・エルを栽培する権限を与えられた12県の代表者と会合を持った。植付けが適切な時期に行われるよう、できるだけ迅速に生産者を登録して認可するための準備が強調された。県の役人は、技術的な違反を最小限にするべく、大麻統制に関する指示を受けて、情報を登録者に渡すようにアドバイスされた。
○13 April -19 April 1947  Number 16
また、直接に得た情報によれば、商業用の繊維目的で大麻栽培をする指定地域では、適切な農業者に免許を与える十分な準備ができていない。ある県では、3万人の農業者に自家用の繊維目的で大麻栽培の免許を与えることが計画されていた。必要な記録と管理が膨大であり、大麻執行プログラムが機能できないことから、これが実行できない。厚生省と農林省は、日本で認可された全領域(5,000ヘクタール)に対して、繊維目的での大麻生産者を約3万人に制限するよう助言を受けた。全国的に適切な修正措置が取られ、そして、12の県の軍政府の関係組織は、認可された栽培の免許を与える農業者の数が、国家計画との対比で、できるだけ可能な数に近づけるように決定すべきである。
○20 April - 26April 1947  Number 17
大麻栽培地域に所在する県においては、大麻栽培免許のための農業者登録は、自家消費用の小規模栽培を排除する修正によって、満足できる状況で進行している。

問題は、大麻栽培者の登録作業だったようです。当初、自家消費用の繊維を目的に栽培する小規模な農業者に対しても免許を交付する方針で臨んだ県もあり、登録手続きで業務が動かなくなってしまった事情が伝えられています。
零細な規模の栽培者は登録から除外し、12県で合計5,000ヘクタールの栽培地、3万人の栽培者というアドバイスがGHQから出され、これを基準に登録が行われたようです。この間の経緯は、当ブログ9月9日で紹介した国会委員会議事録の内容とも一致します。なお、議事録によれば、3万人の登録者のなかには、数人がまとまって1名の代表者名で登録したケースもあると伝えられています。
http://33765910.at.webry.info/200809/article_8.html


○大麻取締規則
第四条 第二条の規定は、第三条の規定により免許を受けた大麻取扱者が、左に掲げる行為をするときには、これを適用しない。
一、大麻栽培者の繊維の採取を目的とする大麻草の栽培
二、大麻栽培者の種子の採取を目的とする大麻草の栽培及びその種子の栽培地外への持出
三、大麻栽培者の大麻草又はその種子の所有及び所持
四、大麻研究者の研究を目的とする大麻草の栽培及び大麻草又はその種子の栽培地外への持出
五、大麻研究者の大麻の所有及び所持
六、大麻取扱者間の大麻草又はその種子の販売、購買、譲渡、譲受又はこれらに伴う大麻草又はその種子の栽培地外への持出
第五条 大麻草の栽培区域及び栽培面積は、厚生大臣及び農林大臣がこれを定める。
第六条 左の各号の一に該当する者には、大麻取扱者免許を与えない。
一、麻薬の慢性中毒者
二、麻薬に関して、懲役、禁固又は罰金に処せられた者
三、禁治産者
第七条 左の各号の一に該当する者には、大麻取扱者免許を与えないことがある。
一、麻薬に関して、科料又は拘留に処せられた者
二、準禁治産者又は未成年者
第八条 厚生省に大麻取扱者名簿を備え、大麻取扱者免許に関する事項を登録する。
第九条 第四条の規定による免許を受けようとする者は、左の各号の事項を記載した申請書を住所地の地方長官を経由し、厚生大臣に提出しなければならない。
一、申請者の住所地、氏名若しくは名称及び年齢
二、栽培目的別の栽培地の数、位置及び面積又は研究目的
研究を目的とする場合は、前項の申請書に申請者の履歴書及び戸籍謄本を添えなければならない。
第十条 厚生大臣は、免許を与えるときは、大麻取扱者名簿に登録し大麻取扱者免許証を交付する前項の免許証は、これを譲渡、譲受、貸渡若しくは借受することはできない。
(次回に続く)

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