弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻取締法の生い立ちを考える・その6−大麻取締規則の公布へ

<<   作成日時 : 2008/09/16 22:52   >>

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昭和22年(1947年)2月11日「繊維を採取する目的による大麻の栽培に関する件」という覚書が出され、引き続きその内容が国内法令として整備されます。それが、昭和22年4月23日厚生、農林省令第1号「大麻取締規則」で、翌23年に成立する「大麻取締法」の基礎となったものです。

ここで、小さな疑問がひとつ浮かんできます。先に紹介した覚書の八には、「本覚書公表後十日以内に、交付すべき大麻統制規則の英訳文を、当司令部、公共衛生福祉部補給課、麻薬統制係に提出すること。」と記載されていました。覚書が公表されたのが2月11日ですから、国内法の原案は2月下旬にはできていたはずです。
実際、連合国軍側の資料によれば、1947年3月2日〜3月8日の週間報告に、日本政府の大麻規制策が受理され、承認されたという記載があります。
GHQ/SCAP文書のひとつ公衆衛生福祉局のWeekly Bulletinの1947年第10号2 March – 8 March 1947の記載を私の私的な翻訳で引用します。
「麻薬問題
 日本政府によって作成された大麻規制策が受理され、承認された。大麻の所持、植付、栽培又は育成、及び輸入、製造、調製、販売、取引、調剤、処方、管理、譲渡は、繊維目的での製造又は研究、教育、分析の目的で厚生大臣の免許を受けた者によるもの以外は禁止される。
 大麻栽培の地域及び区画は厚生大臣及び農林大臣によって決定される。大麻を生産する12県を指定する調整は、全国レベルで進行している。軍政府組織は、1947年2月11日付SCAPIN 3203-Aで指定した県における免許交付のための人員の任命を確実に行わなければならない。」

3月初旬に承認された原案が、厚生、農林省令第1号として公布されるまで、さらに2か月近くを要していることになります。この間にどのような調整が行われたのか、いろいろな角度から検討してみる必要がありそうです。

ここで引用したWeekly Bulletinについて。
連合国軍の日本統治に関する記録が、GHQ/SCAP文書として、国立国会図書館にマイクロフィッシュで保管されています。多数のメモランダムや分野ごとの報告書など、貴重な資料の山で、私はいまこの文書群を検索しながら、GHQの麻薬政策に関する記録探しをしています。
そのなかで、貴重な資料がインターネットで公開されていることに気づきました。GHQ/SCAP文書のなかにある公衆衛生福祉局のWeekly Bulletinを復刻しPDF化した資料です。さまざまな検索を駆使しても探し出すのが困難で、しかも不鮮明で読みにくい原資料を発行順に整理し、判読復刻し、PDF化した状態で公開している、たいへんありがたいものです。杉田聡氏の労作が「日本の近代化と健康転換」というサイトに掲載されています。http://www.rekishow.org/GHQ-PHW/

○ 大麻取締規則
第一条 大麻草の栽培及び大麻の所有、所持、輸入、輸出、製造、販売、購買、譲渡、譲受、貸与、借受又は施用(大麻を配伍した処方箋の交付を含む。)については、昭和二十年厚生省令第46号及び昭和二十一年厚生省令第25号の規定にかかわらずこの省令に定めるところによる。
 この省令において、大麻とは、大麻草(印度大麻草を含む。以下同じ。)及びその種子並びにそれらの製品をいう。但し、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに発芽不能の種子及びその製品を除く。
第二条 何人も左に掲げる行為をすることはできない。
一、 大麻草の栽培及び大麻草又はその種子の栽培地外への持出
二、 大麻の輸出、輸入
三、 大麻の販売、購買譲渡、譲受、所有及び所持
四、 大麻の施用(大麻の配伍した処方箋の交付を含む。)
第三条 大麻取扱者になろうとするする者は、厚生大臣の免許を受けなければならない。
 大麻取扱者を分け、大麻栽培者及び大麻研究者とする。
 大麻栽培者とは、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者をいう。
 大麻研究者とは研究の目的で大麻草を栽培し又は大麻を使用する者をいう。
 (以下次回へ続きます。)

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