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平成19年には、私たち刑事司法に携わる者にとって、衝撃的な無罪事件が相次ぎました。まず、2月には、鹿児島県で公職選挙法違反に問われた被告人12人全員に無罪が言い渡された、志布志事件の判決。さらに10月には、富山県で平成14年の発生した強姦及び強姦未遂事件(氷見事件)で、すでに服役を終えた元被告人に対する再審無罪判決。 私が「冤罪事件」としてすぐに思い浮かべるのは、戦後の混乱期に、ずさんな見込み捜査と強引な自白の強要によって作り上げたといわれている、過去の有名事件の数々です。現に私が仕事をしている今の日本で、志布志事件のような捜査が行われ、冤罪が生まれていることを知ったとき、ことばを失ったものです。 こうした捜査を生み出してしまう背景には、犯罪捜査においてもっとも重要視されている供述調書が、被疑者と捜査官だけの密室で作成されているという現実があり、これが冤罪の温床になっていることは、繰り返し指摘され、取調べの過程を録画・録音することが提言されてきました。その議論が続いているなかでの、志布志事件と氷見事件だったのです。 「取調べの可視化」についての意見書2003年7月14日 日本弁護士連合会 http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/2003_31.html 日弁連が取り組む重要課題 取調べの可視化(取調べの全過程の録画)実現 http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/investigation.html この点に対して、警察白書は「特集:変革続ける刑事警察」のなかで、24〜27ページで「取調べの適正化」として触れています。ただし、録音録画については、「コラム2 警察における取調べの一部録音・録画」としてごく簡単に述べているだけです。 「公判で自白の任意性が争点となるおそれがあるものを選定し、」「捜査が一定程度進展した時点で、犯行の概略と核心部分について供述調書の録取内容を被疑者に対して読み聞かせ、閲覧させ、署名及び押印又は指印を求めている状況等を録音・録画することとしている。」警察庁編『平成20年警察白書』24頁、ぎょうせい(2008) これでは、可視化の意味がないではありませんか。密室の壁を取り払う録画・録音、今やらないでどうします? 民主党提出の取調べの録画・録音による可視化法案(2007年12月) http://www.dpj.or.jp/news/?num=12315 |
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