弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻の種子のまとめ、その16

<<   作成日時 : 2008/07/06 22:31   >>

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2 不正大麻・けし取締りの意識
毎年、5月、6月ころに厚生労働省と都道府県が主催して「不正大麻・けし撲滅運動が実施されています。平成20年度は、5月1日から6月30日までの2ヶ月にわたって、広報活動などが行われました。
わが国での不正大麻・けし問題の多くは、山野に自生する大麻や、栽培種に混じって気づかずに栽培されているけしであり、乱用される前に除去することを中心に啓発活動が行われてきたように思います。近年では、乱用目的での大麻栽培に対する警戒意識が盛り込まれていますが、本稿で述べてきたような状況を敏感に反映したものとは、とてもいえません。

ちなみに、平成20年度の同運動実施要綱では、実施の目的を次のように説明しています。「大麻・けしに係る事犯の発生は、関係機関の努力にもかかわらず依然として後を絶たない現状にあり、これらの事犯の発生を防止するためには、不正栽培事犯の発見に努めるとともに、犯罪予防の観点から、自生する大麻・けしを一掃することが重要である。」(平成20年度不正大麻・けし撲滅運動実施要綱
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0425-1a.html
また、同運動の一環として「正しい知識」の普及のために、ポスターやパンフレットが作成され、配布されています。平成20年版のものがインターネットに掲載されていますが、これもまた同様の感覚で作成されています。
    ポスター  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/dl/h0425-1a.pdf
    パンフレット  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/dl/h0425-1b.pdf

3 脱法ドラッグでの教訓
大麻栽培のステージは、人気のない原野から、都会のマンションの1室にシフトし始めています。室内栽培に特化した種子が供給され、室内栽培を効率よく行うための装置が供給されていることで、状況は刻々と変化しつつあるのです。
大麻の種子の問題を考えるとき、私は頻繁に脱法ドラッグ問題でのことを思い出します。販売業者が掲げる「合法」といううたい文句が広まるに連れ、青少年の間に「合法」→「安全」という誤解が蔓延し、乱用による悲惨な事件や事故が多発するなかで、薬物管理に携わるオーソリティからは何のメッセージも発せられませんでした。ようやく事態が動き出したとき、それまで我が物顔でふるまっていた販売業者たちが、いっせいに、インターネットのサイトを閉鎖し、販売店からは商品が消えました。

大麻の種子の場合もまた、発芽能力のある大麻の種子をわが国に輸入することには明らかに問題があるにもかかわらず、販売業者たちは「合法」をうたってきました。ところが、平成19年末ころ、たまたま大麻の栽培事例がクローズアップされ、大麻の種子を販売する業者の存在が話題になり、一部では、業者の摘発も行われました。この時点で、すでに、インターネット上の大麻の種子の販売サイトには、目立つ位置から裏サイトへ移動するなど、変化が現れています。脱法ビジネスの多くは、行政がほんの少し管理の姿勢を示すだけで、敏感に反応するものなのです。行政の無言は、黙認の意思表示と受け取られてしまっています。
薬物管理行政においては、繰り返し、「正しい知識の普及」がいわれてきました。大麻栽培の様相が変化し始めているいまこそ、「正しい知識」を広め、乱用の拡大に歯止めをかけることが必要なのです。

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