弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻種子密輸に関税法初適用のニュース

<<   作成日時 : 2008/07/28 23:42   >>

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7月28日14時34分配信 読売新聞ニュースより
関東学院大のラグビー部員らに大麻の種子を販売していた雑貨輸入販売業者が、発芽防止の熱処理をしていない種子を密輸したとして神奈川県警は29日、同社社長ら3人(大麻取締法違反のほう助罪で起訴)を、関税法違反(無許可輸入)容疑で横浜地検に追送検する。
大麻種子密輸に同法が適用されるのは全国で初めて。
捜査関係者によると、被告らは2007年2月にオランダの大麻専門店から種子約1万粒を約350万円で買い付け、同年3月に関西空港着の航空機で持ち込んだ疑い。種は手荷物に隠していた。酒井被告は「見つかっても、発芽することを知らなかったと言えば、逮捕されないと思っていた」と供述している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080728-00000027-yom-soci

正規の輸出入手続きを経ずに、品物の輸出入をするのが密輸。関税法は、3つのタイプの密輸について、それぞれ罰則を定めています。
まず、禁制品の輸出入。輸出については108条に、輸入する罪については109条に規定されています。109条は、社会公共の秩序、衛生、風俗、信用その他の公益が侵害されないよう防衛目的で設けられたもので、輸入を禁じている麻薬、覚せい剤、けん銃などの密輸事案に適用されます。違反者に対しては7年以下の懲役若しくは3千万円以下の罰金(又は併科)が科されます。
110条は、関税を免れる等の罪(関税ほ脱罪ともいわれます。)に関するものです。本条は、輸入するに当たって納めるべき関税が適正に納付されない状態での輸入に関する犯罪を定めたものです。違反者に対しては、5年以下の懲役若しくは5百万円以下の罰金(又は併科)が科されます。
111条は、無税品等関税を徴収する必要のない貨物の無許可輸出入を処罰する規定で、輸出入の管理を目的とするものです。本条は、密輸出入犯に対する原則的規定とされています。違反者に対しては、5年以下の懲役若しくは5百万円以下の罰金(又は併科)が科されます。

さて、ニュースが伝えている大麻の種子の密輸入ですが、大麻は無税品なので、111条が規定する「許可を受けないで輸出入する罪」に当たります。ここでいう「許可」とは、同じ関税法67条の輸出入の許可のことで、輸出入に当たっては貨物の品名など必要な事項を税関長に申告し、必要な検査を受け、許可を受けなければならないと定められているのです。
ニュースの例では、この業者は携帯荷物に大麻の種子を隠して税関を突破し、大麻の種子を輸入することを申告せず、許可を受けることなく密輸したわけです。もし、大麻の種子を輸入することを申告していたなら、当然、過熱等の処理をしたうえで、麻薬取締部の証明書を発布してもらい、それを税関に提出して、はじめて輸入が許可されることになります。350万円で買付けて持ち帰った種子が、こんがりローストされた鳥のえさになってしまうわけです。

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