弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その8

<<   作成日時 : 2008/05/09 22:38   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

第3節 3 The emergence of ‘new cannabis’and the reassessment of health risks
●品種改良とシンセミアの再発見

西欧での大麻消費は20世紀の後半に急増したが、1960年代の大麻は、種子や、大きな葉、小枝などを含んだ、今日の基準からみると低品質であったといいます。市場の成熟とともに、商品の改良が絶えずおこなわれてきたと、同報告はいいます。

まず、大麻の品種改良。同報告の分析では、品種改良を促した原動力は、1980年代を中心とした、薬物取り締まり強化政策だったといいます。
1980年代の合衆国は、薬物乱用に対して厳罰で臨む政策を取りました。「薬物との戦いwar on drug」を掲げて反薬物運動が展開され、薬物乱用者に対する刑事訴追は厳しくなり、マイアミの拘置所は薬物事犯者であふれ、収容者が立ったまま寝なければならないほど過剰収容状態にあったといわれます。この時代の薬物政策については、当ブログ3月31に記事があります。
http://33765910.at.webry.info/200803/article_26.html

1970年代の半ばまで、北アメリカで消費される大麻のほとんどは、いわゆるサティヴァ種の仲間で、耐寒性が弱く、また草丈が高い品種です。1970年代後半から1980年代前半にかけて法規制が強化され、大麻栽培が人目につきにくい土地や屋内に移行するなかで、人目に付きやすく、屋内栽培に不向きなこの品種に代わって、インデイカ種の大麻が合衆国にもたらされました。このインディカ種の遺伝子は、ライフサイクルを加速し、収穫を増加し、耐寒性に優れ、同時に管理しやすい草丈の植物を生み出したのです。
サティヴァ種とインディカ種のハイブリッド種のひとつ「スカンク」は、高THC型大麻として最初に広まった品種で、オーストラリア、フランス、ニュージーランドやイギリスなどの国では、今日でも、高THC型大麻を「スカンク」と呼ぶことがあるといいます。

同じころ、もうひとつの技術革新が合衆国で広まりました。昔からインドで伝えられたシンセミアの栽培技術です。シンセミアとは、成熟した雌株の受粉していない花穂部分で、スペイン語のsin semilla「種なし」からきた名前です。シンセミアを栽培するには、成熟する前に雄株を大麻畑から引き抜き、雌株の受粉を防ぐのですが、屋外栽培テで受粉を防ぐのは困難なため、いきおい、屋内栽培が据えることになりました。合衆国でシンセミアが台頭したのは1970年代初頭から中ころ、ヨーロッパでは1980年頃だといいます。

この部分の最後の文章を引用しましょう
「種なしのシンセミアは、種のある製品よりはるかに効力が高く、合衆国では2004年のTHC平均が約10.5パーセント(低品質大麻が2.5パーセントであるのと比較して)オランダでは18パーセントに近い(輸入大麻がおよそ6パーセントであるのと比較して)と高い。サンプルによっては30パーセントのTHCレベルを示したが、これは極めてまれな事例である。外見からも、その効力からも、シンセミアは大麻とは別物だといってよい。大麻政策を自由化した諸国では、シンセミアをハードドラッグとして規制するという議論さえあった。」
国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 171、172頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

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