弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その6

<<   作成日時 : 2008/05/08 01:41   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

第2節「世界最大の薬物市場は記録されないまま成長している」
大麻生産の多い地域を北米、アフリカと概観してきました。報告は、オセアニア、ヨーロッパ、そしてアジアと続きますが、あまり馴染みのない諸国の状況を仔細に追っていくのもいささか退屈です。この部分は読み飛ばして、第2節の最後、東南アジアと東アジアの状況をざっと見ることにしましょう。興味のある方は、報告書をご覧ください。

東南アジア諸国では、大麻の栽培国として、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、タイ、ヴェトナムが列記されています。カンボジア、ラオスでの栽培に関して、興味をひく記載があるので、その部分を私の私的な翻訳で引用します。
「カンボジアでは2004年に、約14ヘクタールの大麻が根絶されたが、生産高は最大1,000トンであると言われている。生産高の多くは、カンボジアの北西部で行われており、カンボジア人が外国(とりわけタイ)の犯罪組織の財政援助と、支配を受けて働いている「契約栽培」であると噂されている。
同様の現象はラオス人民民主共和国でもみられ、南ラオス、とくにメコン川流域の低地で低品質の大麻が栽培されている。その大部分はタイに向けた輸出用で、タイの犯罪組織との契約で栽培されており、こうした犯罪組織はタイ、カンボジア、ラオスでの栽培に資金を提供して統括している。」
国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 167頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

タイ、ミャンマー、ラオスの国境が接する地域は、黄金の三角地帯と呼ばれ、あへんけしの栽培が行われていた地域ですが、近年では、覚せい剤の密造拠点がこの地域に集中しているといわれています。山岳地帯の厳しい風土、少数民族の問題、さまざまな社会・経済問題を抱えている地域です。そこを地盤に、犯罪組織が勢力を拡大しているとは。けし栽培から脈々と続いてきたアウトローの世界で、太っていくのは犯罪組織だけなのですね。

さて、地域別の状況、最後は中国です。2005年の調査では、中国全土で大麻使用が増加していることが示され、新疆、湖北省、広東省では大麻使用が高い水準に達しており、雲南省とウイグル自治区では、撲滅運動が行われていると伝えています。

ちなみに、日本に関する報告はありません。同報告書を通じて、日本という名前が出てくるのは、2、3箇所。有望な市場で、いろいろな産地からの密輸仕向け先となっていることがわずかに記載されています。日本は、詳細な回答を出さなかった国のひとつだったようです。日本国内での大麻栽培の推定値や、消費量の推定値をみたことがないのですから、無理もないでしょうか。
もっとも、仮に、膨大な調査を実施したとしても、現在の日本では、大麻の乱用も栽培も、世界水準よりはるかに低い数字が出ることでしょう。この低水準が続いてくれることを祈りながら、しかし、世界の状況を見るにつけ、背筋に寒さを感じてしまいます。

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